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【第三部開幕】転生して貴族になった僕は、どうやら最強チートを手に入れて人生イージーモードみたいです  作者: リオン
第三部 トゥルメリアの後継者編

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17. ノエルとデート

翌日──

トゥルメリア魔法学院を卒業した僕は、王宮にある来賓用の宿泊部屋のベッドで横になっていた。

卒業してしまったから学生寮はもう使えない。

卒業した翌日に任命式があると思ったが、任命するアリスは2日間公務でこの王都を離れている。

早くても2日後に任命式が執り行われる予定だが、それまで僕は王都に居なければならなかった。

テレポーテーションで自分の領地に帰ることもできるが、帰っても山積した案件を片付けることに追われて途中で投げてまた王都にくるなんて気が引ける。

なので僕は、このまま王都に残ることにしたのだが──

いかんせん──やることがない。

ソロでダンジョンに行こうとしたのだが、王宮に残っていたノーマンに、


『今は大切な御身です。容認はできません』


と、言われる始末。

ならば──魔法の研究の為に王宮の研究室にと、足を運ばせるが、研究室の人に、


『現在、大事な実験の最中ですので、グレイシー家であっても立ち入りは制限してます。てか──グレイシー家は魔法に興味ないでしょ』


と、冷笑され門前払いをくらう。

どんだけグレイシー家って脳筋って思われてるのよ。

そりゃ、その環境で育った僕でさえ、脳筋集団の集まりだなって思うけど、外から言われると結構心に来るよね。

僕は脳筋じゃないけど!!


国王陛下にお見舞いをと療養している部屋に向かおうとするが、近衛騎士に家族以外面会謝絶と追い返されるし。

まあ、僕がこの国の王子ってことは限られた人しか知らないから、近衛騎士の方たちは何も悪くない。

仕方の無いことだ。


──という感じで今は、何も無い退屈な時間を、ベッドで横になりながら暇を潰している。

だが、それもそろそろ限界に近い。

退屈は身体に毒だ。


「あぁ!! もうッ!! 暇すぎて頭がおかしくなる!!」


ケインはアリスの公務の護衛で居ないし、シェナとアンジェラ先生は領地でやることがあるって言って帰っちゃうし。

ニーナも実家に帰省しちゃうし。

ノーマンは職務が忙しくてそれどころじゃないし。

あれ? 僕ぼっちじゃん。

ひとり寂しくベッドで横になっているただのぼっちじゃん。


「誰かぁ〜ッ!! 暇つぶしの相手してよぉぉぉぉ!!」


コンコン──


子供みたいに両手をジタバタさせながら駄々をこねていると、いきなりノック音が聞こえた。

僕は慌てて立ち上がり、平然を装う。


「は、はい! どうぞ!」


「し、失礼します……」


ドアが開くと、一人の女性が入ってくる。

そこには──アンジェラ先生とノーマンの娘、ノエルさんが入ってきた。

ノーマンが僕にノエルさんとの婚姻の許しを乞うた日から、ノエルさんとまともに会話していない。

彼女は少し気まずそうに入ってくるが、僕も気まずいからお互い様ということで。

でも──ノエルさんって今は僕の領地に居るはずだよね?

なんでこんな場所に?


「ウィル様が退屈そうだと、お父様から連絡を頂いたもので……会いに来ちゃいました。ダメですか?」


なにその上目遣い。

ちょっとドキッとしちゃったよ?

こんなかわいい女の子に、会いに来ちゃいましたって上目遣いされながら言われてみろ?

お前ら飛ぶぞ?

少し気まずいのは否めないけど。

でもさ、ノーマンの抜け目ないよね。

退屈している僕にわざわざ自分の娘に連絡して、本人を寄越すなんて。

まぁ、ノーマンとしては僕たち2人が仲良くなって、ゆくゆくは結婚してくれたら御の字なんだろうけど。

でも──ひとりで退屈しているよりかは、ノエルさんがここに来てくれたことは、僅かながらの救いかもしれない。


「そ、そんなことないよ。わざわざ来てくれてありがとう」


「いえいえ、ウィル様の為なら、わたしは何処にだって参ります」


こういうことサラッと言ってしまうノエルさんは恥ずかしくないのかな?

僕だったら恥ずかしくて言えないや。


「ところでウィル様、もしお時間に余裕があるのであれば、せっかく王都に来たので、街を案内してくださいませんか? トゥルメリアの王都のこと、気になっていたのです」


ノエルさんが前ここに来たのって、エルフ王国が危ないって知らせる為に来たのが最初だったっけ。

王宮に居るってことは、移動手段は王宮から領地に繋がる鏡で、街並みを見てないのは当然か。

でも──ひとりでベッドでゴロゴロするよりも、ノエルさんと楽しい時間を過ごすのも悪くない。

寧ろ、僕もゆっくりと王都セリカを練り歩いたことがなかったから、少しワクワクする。


「それじゃあ、行こうか!」


「え、いいのですか?」


「もちろん、エスコートは任せて」


「はいッ!」


「──と、その前に……」


僕はノエルさんに変身魔法をかけた。

ハーフエルフであるノエルさんの耳は、エルフを象徴とした耳で、誰がどう見ても偏見の対象になってしまう。

だからその目がノエルさんに向かないように、人間の耳に変えたのだ。


「ウィル様、これって──」


「いきなりごめんね。エルフ族同様でこの国の国民たちも純血思想が強いんだ。そのヘイトがノエルさんに向かないように変身魔法を使ったんだ」


ノエルさんは自分の耳を何度も触る。

自分が人間の耳ということに興味津々だった。

それ以上触ると耳が赤くなるからやめようね。


「じゃあ、わたしは今日1日、ウィル様と同じ人間ですねッ!」


「そうだね、それじゃあ行こうか!」


「はいッ!!」


こんなにはしゃぐノエルさん初めてかも。

いつもはしっかりしてなきゃみたいな真面目な部分しか見てこなかったけど、やはり──こうやってはしゃいでる時は年相応の女の子なんだなって思わされる。

そして僕とノエルさんは王宮を飛び出し、街に繰り出した──

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