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転生して貴族になった僕は、どうやら最強チートを手に入れて人生イージーモードみたいです  作者: リオン
第一部 トゥルメリア王国編

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ギルドと実技研修③

ギルドマスターに招かれ、奥の部屋に入った僕たち。

そこは大きな部屋で、マスターの執務机の前には4人が裕に座れるソファと、テーブルがあった。

ソファに腰掛けると、マスターも対面のソファに座る。

あら、マスターが座るとソファが小さく見える。


「挨拶が遅れたな。俺はこのギルドを仕切ってるギルドマスターのガルド・ギャリックだ」


筋骨隆々で浅黒い肌。スキンヘッドで右目には魔獣に引っ掻かれたのであろう傷跡がある。


「今日お前らがここに来ることはアンジェラから聞いている」


「そうなんですね、僕たちはダンジョンの実技研修のためギルドでハンター登録をしてこいって言われただけなので何も聞いてません」


「──ったく、アンジェラの奴、坊主らになにも言わなかったんだな。有名貴族の子らが来たら大騒ぎになるに決まってるだろうに」


どうやら──コミュニケーションエラーを起こしてたみたいですね。

ガルドさん、お騒がせしてすみません……。


「ところでガルドさん、なんでひと目見ただけで僕だって分かったんですか?」


「あぁ、お前さんに会ったのは生まれて直ぐだけだったから無理はねえ。けどな、ダグラスと同じオーラ放ってる奴がいたら、すぐさま奴の倅だってわかるもんよ」


あまり説明になってない気もするが、長年こういう仕事を生業にしてるんだ。勘ってやつだろう。


「アリスもシノも大きくなったな。ケインも男前になった。まさか──ケインがこいつらとつるむとはな」


「はい!お陰様で!」


「ガルド様も即歳で何よりです」


「滅相もございません。色々ありましたが、彼らと共にすることで俺自身の成長に繋がってます。なので、3人には感謝してますよ」


良いこと言うねぇケインくん。

君は本当に心を入れ替えて好青年になったよ。


「そういや、言ってなかったな。俺はギルド省の公爵家の人間でギャリック家の当主だ。なんかあったら何時でも相談してこい」


そういえば──ギルド省の家名はギャリックだったな

ギャリックって名前だから、額からビーム出すのかな?

あ、だからスキンヘッドなのか。

でも肌が緑じゃない。

いや、それは別の奴だ、ギャリック関係ない。


「お前らハンター登録するんだったんだよな。どれ、貴族専用の水晶玉だしてやるから、魔力鑑定するぞ」


ガルドはそう言うと、棚から水晶を取り出した。

水晶玉には種類が2つあり、一般用の水晶玉は庶民から冒険者になりたい人用に作られた比較的安価な水晶玉だ。庶民は魔力量が貴族と比べて少ない為、安価な水晶玉で十分なのだ。

だが、貴族専用の水晶玉は違う。

庶民よりも多くの魔力量を保有する貴族は安価な水晶玉で測ると割れて砕けてしまう。

なので──高価で希少価値の高い水晶玉で測る必要があるのだ。


「おいシノ。まずお前からだ」


「ガルドさん!ちょっと序列で1番最初って決めてたでしょ!」


「序列もくそもあるか!早く手をかざせ」


不服ながらも手をかざすシノ。

手をかざした瞬間、水晶玉が光り紅色に変色していく。

おそらくこれは──火属性魔法だろう。

紅色が色濃く反映されているが、ちらほらと黄色と緑色が混ざっている。

シノは火属性の他に、雷と風も火属性ほどではないが操れるということになる。


「まずまずってとこだな。侯爵家にしてはいい魔力量だ。これなら初っ端からCランクも夢じゃない」


「マジ!?やった!」


「シノちゃん、嫌々練習してた甲斐があったね!」


「アリス?今それ言わなくていいから!」


なんだろう、いつもアリスがイジられてるせいか、そこはかとない反抗が見られる。

この事は触れないでおこう。

女の子の戦いは水面下で起きているものだ。


「──んじゃ、次はケインだな」


「はい!失礼します!」


ケインが手をかざすと、シノが手にかざした時とは比べ物にならないくらい緑色に光り輝いた。

よく見てみると紅、青、茶、黄と、ケインは全属性扱えるということになる。

さすが王家後見の公爵家。格が違うぜ。


「まぁ、普通の人間だったら驚くことだが、王家後見の公爵家なんだ。これくらいは当然だわな」


あら、意外とあっさりしてるのねガルドさん。

でも考えてみたらそうか。

ギルドマスターで色んな人たちを鑑定してきた人だ。

貴族くらいこうでなきゃ困るって思ってるだろう。


「まだまだです。これからも精進してまいります」


「おう、努力しろ。努力は人を裏切らないからな。さて──次はアリス、おめえさんだ」


「はい!なんだか緊張します!」


アリスはそういうと緊張した面持ちで手をかざす。

すると──水晶玉が黄色に色濃く光り始めた。

だがなんだろう、さっきの二人とは違って、澄んだ黄色にも見える。

緑と青は先程と変わらないのに、なんなんだろう。

もしかしたら──アリスは数少ない神聖魔法の使い手なのかもしれない。


「雷魔法だな。風と水も少々使えるようだが、アリスも努力を怠るなよ?」


「はい!ありがとうございます!」


「ガルドさん──質問いいですか?」


「なんだ」


「さっき、シノとケインが手をかざした時とアリスがかざした時との違いなんですが、雷属性が違うように見えました。これはどういう──」


「あぁ、よくあるんだ。同じ属性でもちょっと色が違く見えてしまうことがね」


いや──貴族専用の水晶玉だ。

一般向けの安価な水晶玉だったらわかるだろう。

でも僕たちが使ってるのは、一般のものよりも高価で使う人が限定される水晶玉だ。

そういうものに限って粗雑なことはないだろう。

ガルドさんの話は続く。


「いくら高価な水晶玉といえど、所詮は量産された水晶玉だ。多少色が違うことはよくある話だし、なにも珍しいことじゃない」


──と、本人は言うが、製品比較をしてないことにはこれ以上の追求は無駄だ。

でも僕は神聖魔法を扱える。

バレないように隠匿魔法で隠すつもりだったが、この際仕方ないだろう。

これでアリスがかざしたようにさっきみたいな色になったら、確定で神聖魔法だ。

神聖魔法が使える人が居るって思うと、魔法の知見が増えるってことだ!!

んー!!アリスくん!魔法について語り合う未来は遠くないぞ!!

やっぱこの世界は退屈しないねぇ!!

魔法ばんざぁぁぁぁい!!


「そういうこともあるんですか。高価なものも完璧ではないということですね」


「ま、そういうことになるな。んじゃ──次はウィルだ」


そうガルドさんに促されるままに、僕は手をかざした。

水晶玉が反応する。が──水晶玉に亀裂が入って割れてしまったではないか。

え?どういうこと?

すると──いきなりガルドが大声で笑い始めた。


「ガハハハハッ!!!ダグラスに聞いた通り、こいつは規格外だ!おめでとうウィル。Cランク確定だ」


「え?は?……どういうこと?」


「凄いですウィル様!」


「あんた、ホント規格外よね。ぐうの音もでないじゃない」


「いきなりCランクか。やっぱり君は凄い人物なんだな。」


まてまてまてまて、本人が一番飲み込めてないんだけど!?


「ここのギルドにはな暗黙のルールってやつがあって、新人ハンターが魔力測定の時に水晶玉を割ると、即Cランク確定になるんだ。Bランクは試験が必要だからいきなりってことはねえが──ウィル、お前なら今後Bランクも夢じゃねえぞ」


そういうことなのね。

口ぶりから察するに、他の3人は知ってたみたいだけど、それも仕方ない。

僕は王都には住んでないから、こう言ったネタはまず辺境地には入ってこない。

でもさでもよ!水晶玉割れるって、僕の疑念が晴らせないことになるじゃないか!

アリスは神聖魔法の使い手なの?それともちがうの?

真相は闇の中じゃないか!!

今日初めて自分が規格外だってことを呪うよ。


「ところでウィル、書類には全属性ってあるが、ホントに使えるんだろうな?」


「もちろんです。実演しましょうか?」


「いや──遠慮しておく。今俺の鑑定スキルで確認した」


おぉ、ガルドさんは鑑定スキル持ちなのか。

鑑定スキルはユニークスキルの中でもレア中のレアスキルだから重宝されるんだよね。

そのスキル、僕も欲しい。


「さてと──これで魔力測定は終了だ。この結果を元にランクを査定するから30分程ラウンジで待ってて欲しい。何か質問はあるか?」


「いえ──特には」


「わかった。学院の研修だからって遊び半分で受けるんじゃないぞ。ダンジョンは命と命のやり取りだ。生半可な気持ちでやってたら、いつか命を落とすからな。それだけは肝に銘じておくように」


「「「「はい!!!」」」」


話が終わると、僕たちは部屋を後にしようとした。


「あぁ、それと──アリス、お父さんから預かりごとがある。ちょっと座って待っててくれ」


「私ですか?……はい」


僕たちはアリスだけを部屋に残し、しばしの間ラウンジで待つことにした。

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