幕間のひと間 その10
今回センシティブな内容が含まれています。
閲覧にはお気をつけください。
バアル様に命令されてエルフの国に来たのは良いものの、さすが──加護無しで神聖魔法を使える種族ね。
アゴで使わせて連れてきた魔族の大半が、オールピュリフィケーションで消し去ったわ。
まあそれでも魔族は家畜のように腐るほどいるから問題ないけど、二度目のオールピュリフィケーションは無いようね。
エルフでも数人で詠唱してやっと行使できる魔法だから、インターバルってやつが必要だわ。
それに──
「あなた、エルドレッドって言ったかしら? 単身で攻めてきたのは評価してあげるけど、ちょっと無謀じゃない?」
屈強な体躯に片目にある剣の傷。
ウェーブがかった緑色の髪の毛に、興味をそそるオスの匂い。
エルフ王国でも有名な武将、エルドレッド・サイフェンは、隻眼のエルドレッドと呼ばれてる。
強さはトゥルメリア王国の国防軍総帥の戦鬼ダグラス・グレイシーと肩を並べるほど。
そんな彼は単身で魔族の大群に突っ込んできて、多くを屠って来たけど、捕まるなんて運の無い男ね。
多勢に無勢とはこのことだわ。
「数が多いだけで大した強さでは無かったな。魔族の力もたかが知れてるということだ」
「戦争ってそういうものじゃないの? あたし戦争なんて雑魚がすることだって思ってるから興味ないのよね」
「それは自分が弱いということを認めたくないから、戦えないだけであろう」
「ちょっと──口の利き方には気をつけなさいよ」
「────んぐッ!!」
彼を拘束するバラのツタを魔法で操って首を締める。
バラのツタって扱いやすいから便利なのよね。
基本的にあたしの戦い方ってこんな感じだけど、ちゃんとバラも咲いてるわよ。
戦いには美しさも必要だからね。
あたしはツタの締めつけを緩めた。
彼は酷くむせ込む。
「もうちょっとあなたの苦痛を堪能していたいのだけど、時間が無いから単刀直入に聞いてあげる。エルフ王国は、悪魔の支配を受け入れる? それとも──滅亡する?」
「そんなものクソ喰らえだ。エルフ王国は悪魔に屈しない。そして負け──んがぁぁぁぁぁあッ!!!!」
あたしは彼の大事なものを握りつぶした。
言葉には気をつけないと、こうなっちゃうわよ。
「ねぇー、あなたに抱かれたメスどもはこんな良い身体で抱かれてさぞ幸せだったのだろうけど、そのメスどもの快楽を味わってみる気にならない?」
「や……やめてくれ……私は……悪魔なんぞに……」
「こんなことされてまだ反抗するなんて、あなた見た目以上にタフなのね。かわいそうだから潰した所は治してあげるけど、あなた──これからメスになるから、それでも良いなら反抗の弁を連ねなさい?」
「私は……私は……んがぁぁぁぁぁあッ!!」
自ら高潔だと自負し誇りを胸に戦ってるオスを嫐るのは、最高に快楽をそそられるわ。
でもどうしてかしら?
高潔なエルフはどんなに嫐っても気分は高揚しないのよね。
やっぱり──貧弱な人間を虐めてるほうが、あたし的には興奮するのかしら。
「アスモデウス様──」
あたしが楽しんでいる最中に後ろから声が掛かった。
そこには跪いているダンタリオンがそこに居た。
「なによ──今、お楽しみ中なの分からない?」
「申し訳ございません。ワタシにはそういう享楽には疎いもので」
ダンタリオンはあたしの直属の部下である。
序列は9位。
ベリアルが消えたから序列は上がったけど、頭がキレる割には戦闘が弱すぎるから、中々序列が上がらないのよね。
「ところで──ウィル・グレイシーとはどうだったの?」
「彼ですが、そこまで強い印象はありませんでしたね。ベリアルが負けたのが不思議なくらい」
「あら、力ではベリアルに劣るあなたがそこまで言うなんて、さぞ自信があるのね」
「戦いは力だけではないですからね。しっかり頭も使わないと。ベリアルみたいな無様な結末は誰だって嫌でしょう」
彼の言う通り。
ベリアルも頭はキレる狡猾な悪魔だったけど、いかんせん──力でゴリ押すタイプだった。
もう少し頭を使った戦い方が出来ていれば、今でも生きていられたのにね。
とても残念だったわ。
「まあいいわ。どうせアンジェラ・カリオペの娘がトゥルメリア王国に向かったのは確認してる。彼らがここに来るのは時間の問題」
「その時ウィル・グレイシーの相手は、このワタシめにお願いします」
「いいわよ。でも──殺しちゃダメよ。その後あたしも楽しむから」
「もちろんでございます──」
そういうと、ダンタリオンは準備のため、あたしの広間から去った。
いよいよ楽しくなってくるわね。
その前にエルフ王国の件は片付けておかないと。
それと──
「隻眼のエルドレッド。お眠りの時間は終わりよ」
だが──反応が無かった。
息はしてるから気絶でもしたのかしらね。
ちょっと彼には刺激が強すぎたかしら。
とりあえず潰しちゃった所は修復してあげないと。
これからもっとあたしの享楽に付き合って貰わないといけないからね。
やっぱりオスを嫐るのはやめられないわ──
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