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転生して貴族になった僕は、どうやら最強チートを手に入れて人生イージーモードみたいです  作者: リオン
第一部

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3.ギルドと実技研修

入学式が終わり、1ヶ月が経った。

学院の生活にも慣れ、そこそこ話す友達も居れば、そこそこ陰口を言ってくる人も居る。主にステブ。


「なんであの公爵気取りのグレイシーがAクラスなんだ!」


「ケインと決闘して勝った?ふっ……あんな奴俺様でも簡単に勝てるさ!」


「グレイシーの野郎は俺様のイヌだ。あいつがAクラスに居れるのは、俺様の口利きのお陰さ!」


とか言っておきながら、序列が下の男爵家の男子生徒にあっさり負けたらしい。

自らやっかみを言って、無理矢理決闘を申し込んだらしいが──負けた代償に、二度と関わらないでくれと言われたらしい。

嫌だよね、汗臭いよね、熱気すごいよね。

てか──気持ち悪いよね。

分かるよ、名の知らぬ男爵家の少年。

あいつは歩く厄災だ。いや、肉塊だ。

早く誰かあのオークみたいなデブ、討伐してくれないかな。

僕がやれって?

いやいやいやいや、無理、むりです。

だって近寄りたくないもん。

ステブだよ?デブだよ?

窒息死しちゃうよ。

ここは専門家に任せるのが1番。

僕は遠くから傍観してます。

ちなみに──ステブは筆記の試験結果が悪すぎてBクラスになったんだとか。

あんな簡単な問題で結果が悪いなんて、相当堕落した生活をしてたんだろうな。

それでも腐っても公爵家の人間なので魔法の才は認められてギリBクラスなのだろう。

Bクラスのみんな、お気の毒に。


さて──そんなデブの話は置いといて。

今日は、僕とアリスとシノとケインでギルドに行くことになっている。

最近はずっとこの4人で行動することが多いのだが、アンジェラ先生の話によると──どうやら、Aクラスはダンジョンに入り、魔物を討伐するという実技研修があるらしい。


──と、その前に色々と説明しておかなければならない事がある。

そもそもギルドとは、国防軍とは違い、魔物討伐専門の職業で、基本──ダンジョン内のモンスターを討伐しその討伐した戦利品を売って収益を得ている職業だ。

その人達を通称、ハンターと呼ぶ。

他には、田舎の農村や集落に出現した魔物の鎮圧、魔物の大量発生(スタンピード)の時に出動するなど、ダンジョン以外でも仕事がある。

FからSまでのランク分けがされていて、農村や集落に出現した魔物の鎮圧はDランク以上、スタンピードはCランク以上が強制的に召集がかかる。

ランクを上げるためにはクエストをこなしていくか、試験にクリアしてランクを上げていくかどちらかになるのだが、Bランクの昇格試験からはある程度のクエスト実績と、これまでの品位が評価される。

確かに──ランクが高いのに品位を欠いた行動をしているハンターが居れば、その人をBランク以上まで上げたギルドの看板や評価に傷が付くもんね。

それでも富を得た人間は傲慢になりがちだけど。


そして──ダンジョン。

ダンジョンとは云わば魔物の巣窟で、その発生原理や存在意義は解明されていないらしく、分かっているのは、半径1000キロメートル間隔でダンジョンは存在するとのこと。

このトゥルメリア王国は地球でいうロシア連邦並みの広さなので、最低でも10ヶ所のダンジョンが存在しているという。

現在確認されているのは5ヶ所のみだが、なにせ広大な

面積を誇るトゥルメリア王国だ。

見つからないのも無理は無い。

その僕たちが今回向かうダンジョンは、トゥルメリア王国首都セリカにある、国内最大級のダンジョン、アンキラブル大迷宮だ。

通常ダンジョンの階層は20から50が限度なのだが、ここのアンキラブルは100階層まで存在する迷宮で、まだ踏破したものは居ないという。

そもそも──70階層からは深層と言われ、モンスターのレベルも格段に上がって危険なのだ。

昔父さんはソロで深層に挑んだらしいのだが、危険すぎて帰ってきたらしい。

いや、ソロで挑むってどんだけだよ。


説明はこんなものかな。

またなんかあったら説明しまーす。


「ここがギルドかぁ」


「なんだかワクワクしますね、ウィル様」


「あたしがSランクに行ったら、なんか奢れよケイン」


「なんで俺が。ウィルに頼みなよ」


「あれ?ケイン、口調変わったね」


「あぁ、ボクって言ってたのは外面を気にしてだよ。母上は俺って言葉遣い嫌いだったからね。使わないようにしてたんだ。でもウィルも僕って言うじゃん?被るから戻したわけだよ」


なんと、読者泣かせの一人称問題!そこに配慮したわけですね!ケインくん!

王家後見の公爵家の人間だし、6家の人間を見下してたから──てっきり悪いやつだと思ってたけど、訂正しよう。

君は良い奴だ!そしてあのデブとは違って。

あの焼豚ステブ、今度細切れにしてやるからな。


「うわ、カッコつけかよ。ケインのクセに生意気じゃん」


「やめろよシノ。これでも少し恥ずかしいんだ」


「そうだよシノちゃんケインくん困ってるよ」


「ちぇ〜、アリスにそう言われるなら今回は止めてあげる。さ、早く行こ!」


「ちょ、シノちゃん!ったく、勝手なんだから」


仲良いんだか悪いんだか。

でも、この4人で居る時間が凄く楽しい。

ここの世界に来て15年間、友達が居なくてちょっと寂しい思いもしたけど、やっぱ──友達って良いもんだな。


「なぁ、ウィル。ありがとな」


「ん?なにが?」


「君に失礼を働いた俺なのに、こうやって普通に接してくれて」


「まだそんなこと気にしてたの?友達になったんだから、そんなこと全部水に流すよ」


「そうか。ありがとな」


「うん、早く行こ」


ギルドに入ろうとすると、シノはニヤケ面でアリスはドキドキした面持ちでこちらを見ている。

あ、これは──あれだ。


「ねぇ、シノちゃん。これって……」


「アリス、これは男同士の禁断の蜜月よ。現にケインは頬を染めいて、ウィルは平然を装って居るけど、内心──頬を染めて見つめてくるケインにドキドキしてるはずよ」


「じゃ、じゃあ──2人って!」


「そうよ!2人は愛し──ふぎゃぁ!」


僕はすかさず、暴走気味のシノにチョップを入れた。

どうやらシノはそういった男同士のラブロマンスが好きなようで、何かと僕とケインで当てはめてくるようになった。

仕舞いには筆にしたためると言い出し、それを読んだことがあるのだが──妄想って怖いね。妙にリアルだったのを覚えている。


「シノ、僕とケインはただの友達だ。特別な関係なんて有り得ないよ」


「そうだぞシノ、俺は女性が好みだ。男色に興味は無い」


「えぇ〜、それじゃ面白くない〜」


「面白い面白くないの問題じゃありません!それとアリスもシノの悪ふざけに便乗するんじゃありません」


「あ、はい。すみません、ウィル様。でも──」


「──んじゃあ、ギルドに行きますよー」


「あっ!!まだ話の途中なのに!!ウィル様ひどい!」


アリスの話を遮ると、僕たちはギルドの施設に入って行った。

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