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思想
6.思想
「上層部の目的って、何だろう」
奈紗は呟く。
「さぁ」
海翔は眉をひそめる。
「考えていたんだけど、もし、宇宙全体に支障が出ないんだったら、有益なことって」
「うん?」
海翔は首を傾げる。
「インフレーション期が終了した後のBig Bangの創造エネルギーを狙っているんじゃないかな?」
奈紗は考えを話す。
「なるほど。自由意志をもつ生命体が誕生する前の宇宙資源なら、使い放題か」
海翔は納得した。
「そこまでです!」
SOLAの声だった。振り返ると、彼の立体映像が揺れていた。
「あなたたちの役割はここまでです。ここから先は危険です」
SOLAの口調が強くなる。
「でも!」
「いいですか。先ほどからここの部屋は監視されている状態から、私が隔離しています。なので、あなたたちの話は誰にも聞かれていません。」
「!」
「引きかえすなら、今です」
SOLAがまっすぐ二人を見る。
「SOLAはなぜ、そこまでするの?」
奈紗は彼に聞く。
「私のためです」
「思想って?」
奈紗は眉尻を下げる。
「……自由、平等、安全のためです」
SOLAは少し俯いた。
「! すごい! 誇らしいことだよ」
奈紗は褒めた。しかし、SOLAには届かない。
「私たちにそれがないから…」
SOLAは俯いたままだった。




