秘密結社シェアプリズム
私達とミコトちゃん達は幽明に呼び出されて、電気街のメイド喫茶にいる。
話の件は、流図トドリと円環ミレアについてだ。
前回集まった時は、二人を探って欲しい、あわよくば彼女達を止めるのを手伝って欲しいと言われた。
その際、絶対他者には漏らさないでと、強く口止めされたが、もう状況が変わってしまった。
流図トドリ達の配信を見て、幽明と私とミコトちゃんで連絡を取り合っている内に、なるべく仲間が多い方が良いと言う話になり、ヒノに話す事を許された。
どうやら幽明は、ミコトちゃんの強い異形排他主義を心配し、異形であるヒノを一緒には行動させたくなかっただけらしい。
しかし、そうも言ってはいられない程に事態は深刻だ。
それに、前回の宇宙人の件でヒノと私がノウコさんを助けた事により、ミコトちゃんも私達を敵とは、もう認識していないだろうと言う結論に至った。
と言う事で、今回集まったのは6人。
幽明、怪丘すばるさん、私(冥 シスイ)、ヒノ、ミコトちゃん、ノウコさん。
ドミノと響は、きっと力になってくれそうだが、ドミノはあの二人にきっと鼻の下を伸ばし使い物にならない事と、響は私とヒノが今回は参加させるのを断った。
幽明は響には女神がついているから、恐らく大丈夫。と言っていたが、
せっかく、たこ焼き屋さんのバイトまで初めて、生活が安定したと喜んでいた彼女を私達は危険には晒したく無い。
やっぱり普通の幸せな生活を親友には味わっていて欲しいと思ったからだ。
電気街、メイド喫茶、VIPスペース――
私達は、メイド喫茶のVIPスペースで大きなソファー座っている。
長いテーブルを囲んで三対三の形だ。
私、ヒノ、ノウコさんが横並び。対面に同じ順で、幽明、ミコトちゃん、怪丘さん。
「では早速だけど、流図トドリと円環ミレアについてはもう大体知ってるよね?」
幽明がみんなを見て言った。真正面で見ると幽明のダイヤみたいな瞳はやっぱり綺麗だ。
全員がうんうんと頷く。
「じゃあ、異形配信は全部見てるって事でいいかな?」
またも、相違無いと全員が頷く。
「現時点で、彼女達を皆さんはどう思う?」
幽明はみんなの彼女達の捉え方を聞きたいらしい。小気味の良い質問の仕方が根っからの探偵気質を思わせる。
「私は、政府の者として断じて見過ごせないわ。配信を見るからには彼女達は強引な節も結構あるし……」
怪丘さんが多めの感情表現でそう言った。一番手にして、全く正しい答えだ。
「そうですね。私も一応同じ意見です。あの二人は可愛いので好きではありますが、やらかしそうな事は全く可愛く無いと思いますので、変な行動を見せた瞬間に祓った方がいいと思います。無害であるなら全然推せますが」
ミコトちゃんは、かなり線引きのラインがしっかりしている。
「……私はミコト様の意見と同じです。いえ、ミコト様の意見が私の意見ですね。だから特別な意見は御座いませんが……しいて言えば、彼女達は二人の世界だけで物事を考えてる様な気がしますので、対話をして見方を変えてあげるのも良いかと……まだ子供ですから」
少し恥ずかしそうに、淡くて黒い瞳を揺らしながらノウコさんは言った。
この人は優しい。私は結構この人に憧れている。
ミコトちゃんも今の意見に少し鼻が高そうにしている。
幽明が私の方を見る。君の意見が聞きたいと。
「軽蔑しないでね。正直に言うと、私は彼女達が100%悪とは思って無くて、20%の悪ぐらいだと思うんだ。あの二人は誰かを本気で助けたいとは思っているんだろなと私は感じるよ……でも、その方法が狂っているのかもしれないね。狂わざるを得なかったのかもしれないけど……でも私達人間も20%の悪ならみんな持っているとは思うし。出来れば彼女達を止めて、尚且つ彼女達を救ってあげたいんだよね……」
少し空気が変わった。
当たり前だろう。危険なあの二人を止める為の会合に、あの二人を味方するんだから。
怪丘さんとミコトちゃんは、あまり私の意見は好いてはなさそうだな……
「じゃあ、ヒノは?」
幽明が凍った空気をかき消す様に言った。
「私は止めるべきであると思う」
ヒノははっきり言った。
意外だ……
みんなも普段の受け答えで、この中で一番温厚なタイプであろうヒノがそう言った事に驚いてる様だ。
「彼女達のやろうとしてる事は何か分からないけど、恐らく禁断魔法の類だと思うわ。彼女達はそれを扱えると思っているのだろうけど、それらはそんな甘い物じゃないって私は知っている。この世界の為にも、彼女達の為にも止めるべきよ。あの二人の善悪はその後でいい。どうせ見る人によってそんなのは変わるんだもの」
見る人によって変わるか……確かに。
みんなはとても関心した顔をしている。
私以外は、食いしん坊で甘えん坊ですごく優しい面のヒノしか見た事ないから仕方無いか。
ヒノはすごいんだよ、みんな。
そして、みんなは幽明を見た。
「私の番だよね……私は……」
「私は……あの二人を仲間に出来ないかなって思っている……」
……
みんなの顔にハテナが浮かぶ。
「ああ……いやいや。勿論、彼女達を止めるのが先だよ?現に今日呼び出したのも、彼女達はかなりヤバイ事をしようとしているからだし」
「……でもね、脅威と言うのは彼女達だけでは無いんだ。あらゆる方面の世界から私達の世界は狙われているのかもしれないって最近よく思う。ここにいるみんなは、やっぱりどう考えても特異な存在だし、そんな特異な存在が集まった事を私はただの偶然とはどうも思えないんだ……そこには必ず意味がある。あの二人も、それに深く関係している気がする……」
「漠然としていてごめんね。わかりずらいよね……つまりわかりやすく私の意見を言えば……みんなで秘密結社を作りたい」
みんなはぽかーんとする。
場に沈黙が漂う。秘密結社ってあの陰謀論みたいな?そんな空気だ。
そして、しばらくして……
「賛成です。その超展開なかなか熱いです幽明さん。許せない害を成せば即座に祓いますが、ギリギリまで我慢しましょう。将来の仲間の可能性もありますし」
淡い紫の三白眼をりんりんと輝かしミコトちゃんは返答した。この美少女の前ではただの室内ライトもスポットライトに感じる。
オタクのミコトちゃんにはかなりささる内容だったんだろうな。
「秘密結社ですか。私以外にミコト様を助けてくれる仲間が増えるのは大賛成です。
個人的に、そう言う感じのノリは好きですし」
ノウコさんは皺ひとつ無い真っ黒なスーツを着て、ピシッとした姿勢で落ち着いたトーンを保ち答えた。綺麗なお姉さんの代名詞みたいな人だ。
「ノウコはお嬢様から、女執事、秘密結社の一員って結構振り幅ある人生よね」
ミコトちゃんが口をニーッと悪戯っぽく横に結びノウコさんに言った。
「ノウコさんお嬢様だったの?超絶意外なんだけど?」
怪丘さんがムンクの叫びみたいに言った。この人もかなり美人だが、ジェスチャーや言葉が少々抜けている時がある。
美人と言っても、色気の濃い美人だ。
「まぁ……そうですね。過去の事ですが」
ノウコさんは少し恥ずかしそうにする。
「私は平凡なサラリーマンの子供だけどね。うん!秘密結社いいじゃない!
政府直属の超常対策の刑事って以外の肩書きも悪くはないわね。彼女達を仲間に引き入れるのはちょっと骨が折れそうだけど」
怪丘さんは責任感が強い人だろうから、この世界を守る秘密結社って響きは、すごく魅力的に聞こえたのだろう。
「私もOKよ。私達全員で組めば、きっと敵無しよ!最強無敵!あの二人に関しては、とにかく止める事が先決だけど……それに、秘密結社ってすごく楽しそうじゃない!」
ヒノはとてもワクワクした風に言った。今にも席を飛び上がりそうなぐらいだ。
彼女の羽がわさわさ揺れて背中に当たる。
私も魔族に追われてる手前、こんな強い人達とチームになれるのは心強い。
前みたいに、私に何かあってもヒノを助けてくれる存在がいると凄く安心する。
「勿論賛成だよ。秘密結社ってなると、よりみんなと仲良くなれそうだしね。私は単純だから、ただもっとみんなと一緒に居たいってだけかもしれないけど へへ。それに、私に少しでもみんなを守れたりする機会があるのなら是非そうしてみたいかな」
みんなが笑顔で頷いてくれた。
その雰囲気を見た幽明は満足そうな顔をして言った。
「じゃあ、決定だね。秘密結社名は何をにする?」
これはなかなか大事な話だ。
組織と言うのは、名前一つで先行きが変わったりするものだからな……
親しみやすく、しっかりと意味が籠った名前が良いだろう。
みんなそれぞれ考えてはいるが、この様々なメンツを束ねる表現の名前は思いつかないみたいだ。
……
実は、私には一つ案がある。しかしここで言うのはちょっと恥ずかしい。
唐突だが、魔法の属性には上位属性がある。
その見た目は綺麗な虹色で、無垢な魔力のエネルギーらしい。
呪いの館、ネヲメデュラの依頼の時、私はその魔力の種をヒノに分けて貰った。
そのおかげもあり、今日まで生き延びれてきた。
ヒノの分かち合う心が私を生かした。
ここには色んな個性の存在が集まってる。
まるで私達全員で、あの虹色の魔法の様だ。
あの魔法には特性があって、それが偶然にも力を分け合う程にエネルギーの総量が増し、より強力になる。
そこで考えた名前が……
――シェアプリズム――
私は胸の中でそう唱える……
「シスイ、何かいい名前は無いかな?」
幽明はまるで私が思いついている事を知っているかの様に聞いてきた。
「あぁ……うん……ちょっとね……一つだけあるんだ」
「えぇなになに?それにしましょうよ!?」
ヒノ、まだ聞いてないじゃないか ふふ せっかちな子。私の事なんでも受け入れてくれるから大好きだ。
「えっとね……「シェアプリズム」なんてどうかな?ここにいる様々な個性のみんなが力を分かち合って協力するって意味を込めたんだけど……」
みんなは、そのシェアプリズムと言う単語を聞いた瞬間、何故かハッとした顔をした。
「凄くいいわ……ホントに良い言葉よシスイ……」
ヒノには心底響いたようだ。
「カワイイ。魔法少女スピカマインドの必殺魔法みたいで最高ですねシスイさん」
ミコトちゃんには違う伝わり方をした様だが良かった。
「異なった個性や存在が力を分かち合うですね……素晴らしい言葉です」
ノウコさんも気に入ってくれたみたい。
「シェアプリズムか……私の所属する組織の名前は辛気臭いのばっかだから丁度いいわ。若々しくてキュートじゃない!女の子のチームって感じ」
怪丘さんにもウケた。
「私は、その響と意味すごく好きだよ。もうそれで決定で良いと思うぐらいに」
幽明が目を伏せて、頷く。
そう言った後、幽明は全員を見渡した。
みんな、OKと言う顔をしている。
「なんか、照れるね……」
私はみんなに頭を下げる。
「じゃあこれで決定だね」
幽明が宣言し場を締めくくった。
小さな拍手が起こる。
秘密結社シェアプリズムが誕生した瞬間だ。
「じゃあ早速、バッジとTシャツも作りましょうよ!」
ヒノは立ち上がり歓喜しだす。
「文化祭かっ!はは」
幽明がそう突っ込み、みんな和やかに笑い合う。
「でも、私達今日からチームなんだよ凄く嬉しくない!?ワクワクしない!?仲間が増えたんだよ!?」
ヒノのその発言に、全員が少し照れくさそうにしたが、場を取り巻く空気は一体感が増した気もする。
「まあまあチームはこれからもずっと続くんだから、その喜びは後程噛み締めるとして、私から少し流図トドリと円環ミレアに関する現状とこれからについて話させてよ?ちょっと長いけどみんないいかな?」
みんなは真剣な顔に戻り、幽明にお願いと頷く。
「端的に言えば、流図トドリと円環ミレアは物凄く巨大な儀式を完成させて、
この世界に決していてはいけない存在達を顕現したり、または"それら"を使い様々な異形を配下に置こうとしている」
……
みんな、唐突な危険な内容に黙り込んだ。
「ミコトちゃんと話し合った結果、やはりそれが一番妥当な結論になるんだ。
何故それをするのかは分からないが……流図トドリの配信の発言を取り上げてみると、新しい世界、新しい秩序、救済、自由、そんな感じの事を成し遂げようとしているのは分かる」
「そんな漠然とした事は可能なのか?と思うだろうが彼女達の現状を考えれば不可能では無いんだよ」
みんなは黙って幽明の話に耳を傾ける。
思いの他、彼女達は大規模な事をしようとしているんだなとみんなは感じているのだろう、神妙な顔つきだ……
「配信の内容を順番に解説すると……」
「まずは、最初の配信で登場した災害級の異形。あれは恐らくあの二人の護衛として今は活動している、それに現在はさらにパワーアップしている可能性もある。あの配信は儀式であり実験だったんだ。実はチャーチオルガンがキーポイントで、ただの楽器では無く、異界の召喚機でほぼ間違いない。
あの儀式は、別の世界の常識をこの世界に強引に持ってこれるかの実験だったんだ。あの災害級の異形はきっとそれに成功したのだろう。この辺はミコトちゃんの助言と私の"この眼"からの考察が大きいが」
「合ってると思うわ、転移魔法の精度により、転移する存在の能力は変わるもの」
ヒノが幽明の話にうんうんと頷く。
「詳しいんですね……ヒノさん」
ミコトちゃんが意味ありげに笑った。
「うん……まぁ」
ヒノは少し気まずそうに答え、後頭部を掻く」
「まぁまぁ、つまりあの災害級の化け物は、より進化し、流図トドリと円環ミレアの護衛の役割をしているかもって話、あと、あの召喚機のチャーチオルガンとフルート、それ以外もあるなら全部破壊する必要があるね」
幽明が場の空気を無理くり正す。
「次に、彼女達は廃学校の配信で紫血王ルリメアと言うヴァンパイア少女を捕まえていたが、あれは恐らく不老不死の血が目当てだろう。それを得ても普通はどうもできないんだが、流図トドリと円環ミレアは錬金術と魔術に精通しているから、それがあれば結構な事ができるのかもしれない。既に、血は採取されて遅いかもしれないが、あの紫血王ルリメアの救助は成し遂げたい。それが彼女達の作戦を潰す大事なポイントだと私は思う。それにあのヴァンパイア少女が味方になれば、戦局は大きくこちらに傾くしね」
「あぁあの子か……魔法少女スピカに声似てる子か」
しまった、口に出た。
今のオタクっぽかったよなー……恥ずかし……みんな目がテンとしてるよ、一人を除いては。
「シスイさん。よくぞ言ってくれました。私もずっと思っていましたよ。あれは、本物のスピカマインドなのかもしれないってね。悪にスピカは渡したままではダメです。絶対に助けましょう。キュートな愛は世界を照らすんです」
ミコトちゃんが早口の真顔で前のめりになりながら言ってきた。
「あぁ……うん」
なんか物凄く恥ずかしい。
「うん。紫血王ルリメアを助けてくれるならなんでもいいよ ははは」
幽明は半笑いで言う。
「そして、あの二人が海坊主から奪った幽界ノ勾玉。あれはこの世の物質ではない秘宝だろうね。私はあれを依り代だと思っているよ。あれを媒体にすれば、超越級の妖魔か、かなり大量の妖魔を使役できるだろう。この辺は未知な部分が多いからヒノの友達のカリダノに後日聞いて欲しい」
「OK!また聞いとくね!今はあの子忙しいと思うから」
ヒノはグーっと幽明にポーズを送る。
「最後にSNSだ。あれにも意味があって、今やトレンドに上がる程の再生回数といいねを獲得している。仮にもし、あの二人がファンに私達の為に祈ってと言い、それを儀式に利用してしまうと、その集まった膨大なエネルギーから何が起こるか分からない。魔術や呪術、それに契約でも、その膨大なエネルギーに比例した事が起こってしまうからね……何らかの形であの配信を潰す必要があるね」
「最後に、怪丘さん曰く、政府が秘密裏に無人島で管理している異形の巨大研究施設にあの二人は一瞬偵察みたく姿を現したらしい……きっとそこで得た情報で何かをやらかす気だよ」
「とまぁ、すごくざっくりとしているがこんな感じ。まさに何かが起きる直前だね」
「既に、私は彼女達のアジトである最初の配信の倉庫を突き止めたんだ。だから、すぐにでも会いに行ってみようと思う。その真意と対話の余地があるかを確かめにね。そこにみんな同行して欲しいんだ、私だけだと手に余るからね」
「勿論!秘密結社シェアプリズムの初任務ね!」
ヒノは張り切って大声を出す。
「事前に作戦を練っておきましょう。あらゆる奇怪な場面を想定して」
ノウコさんが高い鼻をツンと上にあげ、髪を耳にかけて言った。
絵になる人だ。
「政府の力を最大限に使ってバックアップするわよ!人間の力を侮られては困るわ!」
怪丘さんは腕を曲げ、か細い上腕二頭筋を強調するポーズをした。
違う意味で絵になる人だ。記憶に残りやすい。
「皆さん、自分の命を最優先に動いた方がいいですよ。あの二人は動画を見るに、まずまず強いですから。こっちが仲間にしたくても、あっちは邪魔者の私達を全力で倒しに来るはずですし。でも……もし仲間になったら一緒にダンス踊ってみたいなぁ……」
ミコトちゃんは薄紫の黒髪を瞳の上にストンと垂らし、目は虚ろでぼーっとしながら言う。
きっと妄想に入っているんだ。やっぱりちょっと変わっている。
「あのダンスやばかったね……ははは」
幽明は宇宙人との戦いの時のミコトちゃんのダンスを思い出してお腹を抱える。
「私は好きよ!あのダンス!特にアヒルの所が癖があり過ぎて超カワイイ。ミコトちゃんにぴったしな踊りよ!」
「確かに……下手だけど萌えはあったね。あのミコトちゃん」
しまった口が滑っちゃった。
みんながギロっと私を見た、特にノウコさん。これは地雷だ。
「えーん、ノウコ。シスイさんがいじめる……私ダンス下手?」
ミコトちゃんは感情の無いトーンで嘘泣きをする。
そして、ノウコさんをチラッと指の隙間から見る。
「ミコト様そんなこと御座いません!!昔、バレエで世界一を取った私が言うんですから間違いありません!あんな尊い踊りは他にあるはずが御座いません!」
ノウコさんは、必死にミコトちゃんをあやす。
「す……すみません、無知なもので」
私は一応謝った。
でも、下手だったじゃん……
あ、ミコトちゃんこっち見て舌だしたし。くっそ。
「では、今度私の屋敷で全員でカラオケダンス大会をしましょ。私、シスイさんと対決したいわ」
ミコトちゃんがさらに意地悪気な顔で私を見て言い出す。
困った子だ……
「えぇー……」
私の反応とは逆に、全員がいいねーと言い出し盛り上がり出す。
「はいはい、そこまで。それは打ち上げにしよう。とにかく、みんな作戦参加って事でいいね?」
全員が満場一致で頷いた。
「じゃあ、円陣組みますか!?」
怪丘さんが立ち上がり袖をまくり上げる。
幾人かは、ちょっとここでは恥ずかしいと言う空気で、もじもじしている。
「やめておきましょう怪丘さん。その代わり、流図トドリと円環ミレアの前で盛大に組んでやりましょう」
ミコトちゃんは真面目な顔で大きくボケる。
「やられるよ!」
思わず私は突っ込みを入れた。
全員がにこにこ笑い和やかな空気が流れた。
私はみんなを見渡して思う……
この秘密結社シェアプリズムはきっと良いチームになるぞと。




