表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死身ちゃんとユリ世界。  作者: 愛犬元気。
12/48

十二話



「今のところうまくいってるわ。お姉さま。」


人気のない、校舎裏に2人の女学生は密会を交わしていた。


「そう。誰かに的を絞った?」


「ふふ。私の理想って高くて、今の所お姉さまくらいしかいない。」


「私があなたの輸血タンクに?そうしたら誰があなたの首元を噛んであげるの?」


と、妖しくにやりと笑う。



「御姉さまの血も飲んでみたい。」


「飲んでもいいけど殺すわよ。いい?あのぬいぐるみの性能調べたいから早く生贄を連れて来て。絶対美味しいのをね。」


「私のお下がりでいい?私の大事なお友達。」


「いいわよ。あんたのお下がりならね。それと、桃子さんの持ってるラッキーベア、ちゃんと破壊しておいてね。」


「なんでそんなに怒ってるの?」


「あれは一個でいいの。」


「嫉妬してるのお姉さま。可愛い。今度また一緒に狩り行きましょう。」


「いいわよ。」


「私の血も今飲んでもいいわよ。」


「今はいらない。そんな気分じゃない。」


「焦らさないでお姉さま!私は貴女に噛まれたくてうずうずしているのに!!」


「図に乗らないで。噛みたいとき噛むのは私。催促してくるのはご法度。」


「いじわる!」


「よろしくね。成功したら飲んであげるわ。」


と、彼女がニヤニヤ笑った。




「うーん…。」


桃子は悩んでいた。



正午。

1時間半の休みの中、ずっと今朝の宮桜の顔を浮かべては気持ちを沈ませている。


彼女は今1人でどこかに行ってしまった。

最近、こんなことが多い。


彼女の過去にはロボットを嫌いになる出来事が起こったこと、その頃に付き合っていた女の子がいた事は知っている。


それ以外はわからない。

彼女はあまり自分を語りたがらないミステリアスな子だ。


それは悪い事じゃないが、もう少し心を開いて欲しいとも思う。




「はあ。」


桃子がため息をついた。


「ねえねえ桃子さん。」


「あ。君は…。」


きょうりんがクラスに入って来て、そのまま桃子の席の前に現れた。


「昨日は本当にごめんなさい。」


そして深々と頭を下げた。


「ううん。私は別に。」


「あの、その子にも謝りたいんですけど…。できますか?」


「うん。呼んで来ようか?」


桃子はふと右を見た。


だがそこにミシルの姿はない。


「あれ?さっきまでいたのに。ごめん。呼んでくるよ。」


と、桃子は教室からいなくなった。


「いただき。」


一瞬の犯行だった。

自分の身体に隠して、桃子のバックついていたラッキーベアを引きちぎる。


それを誰も見ていないうちにポケットに突っ込んだ。



「待ってー!!」


わざとらしい仕草で教室を出て行った。







「あ、あの…。」


その頃、ミシルは校舎裏に7人の女集団に囲まれていた。


「それかして!」


ミシルの手からクマを奪う1人の女子。



「あ…。」


「なんであなたが桃子さんとお揃いの持ってるの?」


「生意気よ!ロボットのくせに!」


「ロボットに恋心なんかあるわけないでしょ!何勘違いしてんの!」


「桃子さんがあなたを好きになると思う?」


「近づかないで!このぬいぐるみも没収よ!」



「こんなもの…!」


「壊しちゃえ!!」


その7人はミシルの前でそのももちゃんをハサミで切り裂いた。



「ももちゃん!!!」


何もできないミシルは、ただその光景に酷いショックを受けた。



「こんなもの!」


それを地面に叩きつけると、7人でぐしゃぐしゃに踏みつけてやった。



「あはは!すっきりした!!」


「バーカ!!」



「…。」


その集団は行ってしまった。


ミシルはもうクマではない破片を一つずつ集め、それを抱きしめた。



「ももちゃん…。」


「大丈夫?」


「!」


すると、1人の女の子がミシルに近づいた。



「悪い人達ね。」


「…。」


「残念だけど桃子さんはここには来ないの。私が違う場所に誘導しちゃったから。」


「あなたは?」


「きょうりん。」


「きょうりんちゃん?ミシルです。」


「ふふふ。お姉様が好きそう。」


「お姉様?」


「馬鹿みたいに従順そう。」


「…あなたは何しにきたんですか?」


「お姉様の好きな女の子に会いにきただけ。」


「もしかしてさきゅばすちゃん?」


「しーっ。内緒よ。私があなたに接触したこと。」


「どうして?」


「お姉様と私似ているから。好みも似てるってすごくわかってるから。」


「?」


「うふふ。じゃあね。可愛いロボットちゃん。」


と、きょうりんはミシルの唇にキスをした。



「!」


「あは。これは度胸試し。」


そう言うと、きょうりんは走って行ってしまった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ