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異世界焼肉道  作者: グッチ
1.森に出ずんば、極上カルビを得ず
9/34

1-8EX.街頭インタビュー

本日二回目です。

転移前の他人から見た主人公のお話。

 あ、はい。

 あと、10分で本番ですね。


 はい。


 はい。


 アンケート内容は頭に入っています。

 先輩は、また遅刻ですか。

 代理の方は?

 なし?

 たいしたアンケートじゃないから?

 造花の方は使わないのですね?

 まぁ、ドローカルの番組ですからね。

 分かりました。では、適当にその場で二、三人見繕いますね。

 先輩は……、多分クビですね。ご愁傷さまです。

 しかし、これで三回目ですから仕方ないですよねー。


 ん。

 ストバのカフェラテは相変わらずおいしい。


 あ、はーい。

 準備しまーす。

「早瀬さん、前、ちょっと直しますね」

 あ、お願いします。

 あれ?山田さん、変えました?

「あ、わかります?ちょっとヘアミスト変えてみました」

 えぇ。良い香りですね。

 ふわりと、モモっぽい香り。

「そういえば早瀬さん、その後彼氏とはどうなんですか?」

 ははは。痛いところを。

 振られちゃいました。

「えぇ!?勿体ない!結構イケメンだったじゃないですか」

 なんだか生活スタイルが合わなくて。

 彼はなんでもかんでも高いものを買っちゃいますから。

 私はどちらかというと100均とかを活用するタイプなので。

 そもそも彼は……。

「スタジオCM入りました。明けから入ります!」

「あ、そろそろ本番ですね。じゃぁ、早瀬さん。またあとで」

 はい。また。

 久しぶりに山田さんとお食事というのもいいですね。





「本番!10秒前!9、8、7、6、5、4、……」





 はい!

 本日はこちら、開運横丁商店街にやってきました。

 皆さんご存じの通りこちらの商店街では宝くじが発売され始めるこの時期、様々なフェアが開催されています。

 今日は私も、開運を求めてこちらの商店街を進んでいこうと思います!


 こちらの商店では「開運こんにゃく串」が売られています。

 あ、ありがとうございます。

 ん~、このみそだれ、甘辛くてすごく食が進みます。

 そして、これ!

 このフェアの期間中、開運横丁商店街で一定金額以上お買い上げいただいた方には、こちら!開運横丁商店街オリジナルのタンブラーを差し上げています!

 是非ともこの機会にレシートを運営委員会にお持ちください。運営委員会は商店街の中の三か所に設置されています。


 あ、あそこにもタンブラーをお持ちの方がいらっしゃいますね。

 声をかけてみましょう。

 すみませ~ん!ちょっとお話よろしいですか?

「はい?」

 今日はどちらから?

「あ、東京です」

 東京から。わざわざここまでいらしたのですか?

「えぇ、どうしても欲しいものがあったので」

 へぇ。ちなみに、どんなもの買われたんですか?

「あ、焼肉の材料ですね」

 焼肉……。あ、お肉とかですか?

「いえいえ。今日買ったのは……」

 えっと、それは。

 ……ごぼう?




 ……え?ごぼう?

 それに、そばの実?

 お醤油、新生姜、サフラン、オレンジ。




 ……あの?焼肉ですよね?

 え?これ焼肉の材料ですよね?

「?はい。そうですよ。全て焼肉の材料です」

 あの、すみません。焼肉の材料にはとても見えないんですが?

 というか、これを買いにわざわざ東京から?

「はい。商店街にある酒造の直営店での醤油の噂を聞きまして。たれの研究に」

 たれ?たれってまさか自作されているのですか?

「そうですね。気分に合わせて味を変えなきゃいけないので。今回はお目当ての醤油が手に入ったので、蒸しゴボウとごま油をベースにした香ばしい系のたれにしてみようかと。このそば籾も粗く挽いて肉を焼くときに小麦粉の代わりに使うと香ばしく焼きあがって……」

 ち、ちなみに!今まで何種類くらいタレを自作されたのですか?

「そうですね……多分試作を含めたら1000は超えてるかと」

 せっ!?す、すごい数ですね……。


 あ、時間ですか?すみません。


 以上、開運横丁商店街から中継をお伝えしました!





 すみません。ご協力ありがとうございました。






 ふぅ。

 なんだか変わった男の人だったわね。

 あ、山田さん。

「早瀬さん、お疲れさまでした」

 お疲れさまでした。

「それより、どうです?今日、お仕事がおわったら食事でも。早瀬さんの慰め会ってことで」

 いいですね。私もちょうどお誘いしようと思っていました。

「何にしましょう……」

 そうですねー。





「「焼肉」」





 ですよね。

次回から2章になります。

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