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新章です。

エリオット王太子主催の茶会はソードノーズの令息令嬢たちが集い、かなり盛況である。

春も近いこともあり、少しぽかぽかしている日だったので王太子宮の庭で行われた。


「エリオット王太子殿下。婚約者はいらっしゃいますの?」


「まぁ、あなたどきなさいよ。わたしが先よ」


「あなたみたいな人が触れていい方ではないわよ。そちらこそどきなさい」


「まぁ失礼な」


「まぁまぁ、みなさん。わたしには婚約者がおりますので」


「え?」


意気消沈する令嬢たち。


そんなエリオットを横目に見ながらオーロラはウォルターの横にいた。反対側の横にはエンジェルがいる。兄のシーヴァはその横にいたが、エリオット王太子にひけをとらぬほどの令嬢たちが群がっている。

いろいろ大変な男性たちである。


そして令嬢たちのなかにも令息がむらがる女性がひとり。


下手の方に男性の輪ができている。

そこにいるのはノエルだ。

ピンクの髪が目立っているのですぐにわかる。


相変わらずかわいらしく恐れを知らぬ大胆なものいいで男性たちを虜にしているようだ。

貴族の社交界のしきたりを知らないという意味ではエンジェルと似ているが、エンジェルには可憐さがなく男性は群がっていない。

ノエルに人が群がるのは人たらし所以だろう。


ウォルターにはなぜ令嬢が群がらないのかというと、オーロラとは反対側のとなりにルミエール王女がいるからだ。他の令嬢が近づこうとすると彼女が威嚇するかのごとく牙をむくからだ。

先程から何度もウォルターに話しかけるため、オーロラはエンジェルとばかり話す羽目になっている。


「ねぇお姉様。これ美味しいですね」


「そうね」


「紅茶も香りがちがいますわ。なぜかしら?」


「これはルヴィエのお茶なんですって。エリオット王太子殿下が持ってこられたのよ。お土産にもいただいたからまた家に戻っても楽しめるわよ」


「本当ですか?」


ちょっとしたことで嬉しいようである。

だが、恋愛には興味がないのか、特に令息に話しかけにもいかない。


「ねぇエンジェル。恋愛とかしないの?」


死ぬ前にやってきたエンジェルはグラント王子と結婚するのだと嬉しそうに語っていた。

だけど、前世でも特にグラント王子を好きだったなどという言動は一切していなかったし夜会などで近づいたところを見たこともない。接点がなかったはずである。


「恋愛ですか?」


きょとんとしている。


「他の令嬢たちはほら」


そのまま視線を会場全体にやる。が、肩をすくめた。


「しないです」


「え?」


がっくりする。

お読みいただきありがとうございます。

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