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「ねぇウォルター。あっちも見たいー」


次の日からルヴィエのエリオット王太子とルミエール王女がしばらく王宮に滞在することになったとかでオーロラも毎日王宮に来るようにと王命が出た。

そして王命通り通い始めたのだが、なかなかにこのルミエール王女が大変である。


とにかくウォルターにくっついて離れないのだ。


「悪いね。オーロラ嬢」


というわけでなぜかエリオット王太子とオーロラがふたりで話すことが多くなった。


「いいえ。元気なのはよいことですわ」


「だが、もう十六歳だからいい加減にウォルター離れしてほしいものなのだが」


聞いてみると、ちょうどウォルターがルヴィエ王国に行った頃、彼女は五歳になったばかりで母親が死んでつらい思いをしていたという。エリオット王太子とは腹違いの兄妹らしい。

そこに面倒見のいいウォルターが来たものだからべったりとくっついて離れなくなったようだ。

それからずっとウォルター一色だそうな。

今回も行くといってきかなかったとのこと。


「わたしの方が妾腹で彼女が正妃の娘なんだ」


「そうなんですか」


それにしてもこのエリオット王太子、ウォルターとよく似ている。

兄弟といってもおかしくないくらいだ。

年齢はどうやらオーロラと同じらしい。


「それにしても君はすごく綺麗な赤髪だね」


「そうでしょうか?わたしにとってはそのキラキラの髪の方が素敵に思えますわ」


「え?」


「キラキラしていて太陽みたいですもの」


永遠に自分には縁がない。黒の魔術の持ち主の自分には太陽や光にはまったく縁がない。だから憧れるのだろうか。ウォルターやエリオット王太子のようなキラキラの髪に。

イヴァンの髪もそうだったと思い出していたら、ウォルターが戻って来た。


「まったくもう」


そして座ってからウォルターはエリオットとオーロラを見て、目を細めた。


「エリオット。お前わかっているよな」


「え?何のことだ?」


「しらばくれやがって」


「ウォルター!こっちも案内してよ」


「もう。いい加減にしろよ」


めずらしく王宮内でもウォルターは砕けた話し方になっている。あまり王宮内では話さないのに。

もしかしたら使用人たちを信用できる者に変えていっているのかしら?

最近使用人が結構変わっている。

おそらくそうなのだろう。


ウォルターがまたルミエール王女に連れて行かれたのでエリオット王太子とふたりになった。


「君はなんというか……」


「はい」


「うん。そうだよな。ウォルターのことがよくわかるよ」


「は?」


何やらぶつぶつ呟いている。


「あ、そうだ。来週わたしが主催の茶会を開くことにしたよ」


「まあ。そうなのですか?」


「ここに滞在させてもらっているからね。ウォルターへのお礼のつもりさ。ぜひ参加してほしい」


エリオットのお茶会ならば……。


「ぜひ参加させていただきますわ」


オーロラは笑顔で返事した。

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