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「オーロラ嬢、エンジェル嬢、ごきげんよう」


皆が立ち上がり挨拶する。

貴族社会ではすべて地位がものを言う。ふたりとも公女なので挨拶される側になるのだ。


「皆様ごきげんよう。ご紹介しますわ。こちらが我が妹、エンジェルです」


「エンジェル・グッドフェローです。よろしくお願いいたします」


家庭教師に習ったばかりのカーテシーで挨拶する。最高にうまいというわけではないが、それなりに出来ている方だ。


「まぁ同じ髪色と瞳の色なのですわね。グッドフェロー家って感じですわ」


「ふふふ」とナタリーが笑うと皆がくすくすと笑った。


「ええ。公爵家の色を引き継いだこと誇りに思いますわ」


「あら、お兄様のシーヴァ公子様は赤色ではありませんでしたわね」


「兄は色は受け継ぎませんでしたが、公爵家の跡取りとしてすばらしい能力を持っております。父はいつも自慢しておりますわ」


とにかく何が何でも貶めたいらしい。

とんでもないお茶会に来たものだ。


エンジェルはオーロラと他の令嬢とのやりとりに目を丸くしてその場で固まってしまっていた。


「自慢の兄ですのよ」


「ほほほ」とオーロラは扇を広げて口に当てた。

何を言われて辱められたところでこんなものどうということはない。

前世でも散々やられたことだし、今更だ。

子どもの口喧嘩みたいなものだ。


笑っていると中の令嬢が口を開いた。


「まぁ、確かにシーヴァ公子様はすばらしい方ですわ」


「最近よく夜会でお見かけしますけれど、婚約者はおられないご様子」


令嬢どうし目配せしている。

何がどうあったってシーヴァは優良物件に違いない。

何しろソードノーズ王国の輝く公子様なのだ。

それで婚約者がいないとなると誰もが狙いたいところだろう。


「おいくつなのかしら?どなたと婚約なさるのかしらね」


そんな令嬢たちにおもしろくないのかナタリーが唇をかんでいるのをオーロラは見た。

どうやらオーロラのことが相当嫌いらしい。


「兄は今年二十歳になりましたわ。どうやら兄は恋愛結婚を望んでいるようですのよ」


扇の下でつぶやくようにいうとざわっと会場がざわついた。

シーヴァのおかげでここまで場が持つとは思わなかった。


「ところで、オーロラ嬢。お隣におられるエンジェル嬢についてもう少しお聞きしてもよろしいですか?」


「といいますと?」


「今まで一度もお見かけしたことがございませんでしたわ。どこに隠れていらっしゃったのかしら?」


必死でナタリーのために働く令嬢たちもいるようだ。


エンジェルは突然自分に話題がふられたので怯えるようにびくっとした。


「隠れていたわけではございません。デビューが遅かっただけですわ」


オーロラは七歳で王都に来てから一年後には義母に連れられてお茶会に参加していた。

義母は野犬の件があってからオーロラを娘として連れまわすようになったので、娘として紹介していたが、それに関して何も疑問を呈すものはいなかった。

義母は実家も三大公爵家でそれだけの権力があったからだろうが、それでも他の貴族が何も言わなかったのはオーロラのデビューが早かったのと所作が完璧だったからだ。

何にしてもエンジェルはさすがにデビューが遅すぎるし、母の娘というには無理がありすぎるし、所作がまだまだなっていない。

どう紹介したものかと思っていたところ、中のふたりがこそこそと内緒話のように話し始めた。


前回ごちゃごちゃしてすみませんでした

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