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新章入ります

その次の週からウォルターはオーロラの妃教育を週に二回にするようグッドフェロー公爵へ指令を出した。

王太子命令であれば断われるはずはない。


「わが娘が週に一度では足らぬほどの能力しかないということでしょうか?」


「いやそうではない。その……。交流を深めたい」


「は?」


「もう七カ月後には夫婦になるのだからということだ」


「あ、あ、はあはあ。そういうことでございましたか。なるほどなるほど」


公爵は満面の笑みを浮かべていた。


父の隣で聞いていてオーロラは恥ずかしくなった。

あからさますぎるではないか。

まったく。

あれから公爵家は平穏な日々が続いており概ね静かである。


シーヴァは最近夜会に頻繁に顔を出すようにしているようで、結婚相手を探しているところらしい。

前世で独り者だった兄もよい伴侶を見つけてほしいものだ。

エンジェルは一度話して以来、時々向こうから話しかけようとしてくる。

この間はやっとダンスの授業で合格点をもらったのだと嬉しそうに話しかけてきた。

オーロラは適当に相槌を打って過ごしている。


そしてオーロラは週に二回となった教育と称する交流の場で今は顔をしかめるウォルターと馬車の中にいる。

週に二度のうちの一度はウォルターとともに街に視察に出ると言ってはミシェルのところに出かけるのが常になっている。


「奴隷のオークションは来週のようです。ある月とない月があるようで、ある月はその月の一日と決まっているようです」


要は奴隷の仕入れがあるときに行うようだ。

人を商品にするなど信じられない思いだ。


「主催者はわかったのか?」


「それがどうもわからないのですが、下流貴族が何家かかかわっているようではありますが、どこの家の者かがわからず……」


「そうか……」


「殿下。行きましょう」


「え?」


オーロラが声をあげた。

来週、そのオークションに。


「「何?!」」


ウォルターもミシェルも驚きの声を上げた。


「そんな危ないことをオーロラに……」


「敵地偵察ですわ。殿下。恐れていては何も始まりません」


「オーロラ」


「ともに変えようとおっしゃったではありませんか。ならば敵地に乗り込むのみです」


なんでそんなことを思ったのかわからないが、もともと子どもの頃からそういう度胸はあるのだ。


「わかった。では一緒に参ろう。もちろん。影は連れて行くぞ」


「はい。わかっております」


「ミシェル。変装の用意を頼む」


「本当に行かれるんですか?」


「ああ」


「仕方ないですね。では用意しておきます」


「頼んだ」

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