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「まぁそれで俺は戦争が起こるならと思ってその前に君だけでもルヴィエに連れ帰りたいと思ったから会いにいったのに、いなくなっていて、さらに君がグッドフェローの娘だったとわかったからね。それならそれを使おうと思ったわけさ」


「それはどういう意味でしょう?」


「君と婚約できるなら俺はソードノーズに戻るとおじい様に掛け合った」


「は?」


「そしたらおじい様は条件をつけてOKなさった。一に俺と君の婚約、二に成人するまではルヴィエで母上と俺を預かり教育する。父上はOKするしかなかった。戦争が起きたらルヴィエには勝てないからね」


ルヴィエはソードノーズより大きな国だ。確かに勝てるわけはないだろう。

要するにオーロラと婚約することでウォルターは自分の王太子という地位を守ったというわけだ。

そのための婚約だったのか。なるほど。


「そんなことがあったのですね」


「そうだよ。まぁそれで、そのときからミシェルは俺の部下だ」


「え?」


「母上に頼んで俺だけルヴィエに留学して殿下のもとにずっといたのさ」


「本当に?」


驚いた。


「じゃぁ医学はやっていないの?」


「まさか。医学の勉強をするためにルヴィエに留学したのさ。ルヴィエの方がすべての学問は進んでる。いろいろ学べたよ。ウォルター殿下の専属医師になろうと思ってたんだけどな」


「ああ。だが、こっちに戻るにあたって、ユリア王妃とグラントが企んでいることを調べるためにここにギルドを構えてもらった。俺はここからソードノーズを変えるつもりだ」


「そんな企みが……」


「ああ。ソードノーズはこのままではつぶれる。王家つまり父上は呑気だが、下流貴族はかなり王家に不満を持っている。税金も高く、高位貴族のみが旨味をしぼりとれる仕組みになっているから下流貴族たちは不満たらたらなんだ。なんとかしなければならない。その調査も含めてここにミシェルは必要なんだよ」


なんてこと。

自分が細々とルヴィエに屋敷を買うためのお金をためている間にこのふたりは国全体のことを考えている。

すごい。

尊敬する。


わたしなんてまだまだだめだ。

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