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「ではホスピタルに入居されたのね?」


「はい。わたしが送り届けました。こちらがリーン医師からのお手紙です。必ずオーロラ様に直接お渡しするようにとのことでした」


「報告ありがとう」


「それと、こちらが例の契約書です。ルヴィエのヤリス商会から言付かりました」


どれ。

中身を確認する。ときちんとそこには【土地売買契約書】と記されていた。

念願のルヴィエの国の土地だ。


ようやく手に入れたのだ。

こちらに小さな屋敷を建ててもらうよう、ヤリス商会に依頼済みだ。

ヤリス商会はキノックスでベラのパン屋を懇意にしてくれていた奥様がいるのでこっちに来てからも時々手紙を送りつながっていたのだ。


「そしてこちらが屋敷の分です」


もうひとつの契約書も差し出す。

これが屋敷を建てる方の契約書らしい。


「半年ほどで完成するそうです」


半年か。結婚する前には出来上がるということね。


「わかったわ。今日はもう休んで。長旅ご苦労様」


「いえ、ですが……」


「いいから休みなさい。あなたの代わりは他にもいるから大丈夫よ」


この騎士は前世でオーロラが逃げる際、北に向かうよう指示したスコットという騎士だ。

あのとき南に向かわせてあとで追って殺そうとしていたエンジェルの意志を無視して助けてくれた。

オーロラがグッドフェロー公爵家にやってきたときからすでに働いていた騎士で、前世ではエンジェルが来るまでは公爵家の騎士団に所属していたが、今世では義母が野犬にかまれた後に護衛騎士をつけてもいいと言われたので彼を選択したのだ。

それから年月が経つにつれてオーロラへの信用が増してくるに従い、護衛騎士の数も増えてきたが、やはり彼は一番信用できる。


大事な仕事を頼むのはいつもスコットだ。


だが、いかんせんまじめすぎて働きすぎるきらいがあるため、時々休むよう命じなければならない。


「かしこまりました。では本日は休ませていただきます」


「ええ。ではお休み」


「失礼します」


エンジェルの母のもとに訪問して二か月。

胞子肺菌を滅菌したあと、あの時いた侍女に命じたとおり栄養のあるごはんを食べられるようになるまで回復したため、リーン医師、すなわちマーガレット医師に連絡をとったのだ。快い返事が返ってきて、今ホスピタルに入居させたところである。


スコットが部屋を出ていくのを待って、持ち帰ったマーガレット医師からの手紙を開いた。

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