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「ええ、そうよ。ソードノーズ王国王太子殺害の罪よ。ここに国王陛下の勅命書もあるのよ」


エンジェルが胸の部分から赤い封筒を取り出した。王家の封蝋が確認できる。間違いなさそうだ。


「王太子殿下は亡くなられたの?」


「あら、知らなかったの?こんな辺境の地じゃまだニュースは届いていないか」


オーロラが出奔してからウォルターは愛するノエルと幸せに暮らしていたのではないのか?

出奔前に見たウォルターは病が治癒する方向に向かっているように見えた。

癒しの魔術が使える聖女ノエル。

自分は一度も得ることができなかった王太子殿下の愛。それを唯一得ることができた聖女ノエル。

彼女と幸せになれるよう闇魔術の使い手の自分は姿を消したというのに。


「ウォルター王太子殿下は先日病気により身罷られ、弟君のグラント王子が王太子となられたわ。世間ではウォルター王太子殿下の病はあなたの闇魔術の呪いだということになっているの」


「どういうこと?ノエル嬢と幸せになられたのではないの?」


ウォルターが亡くなったというその信じられない報せにオーロラの胸は張り裂けそうに苦しくなってきた。

そんな……。

あの時自分が去ったのは彼を思ってのことだったのに。


「はははははは!」


エンジェルの嘲笑が部屋中に響き渡った。

粗末な長屋だ。隣の部屋にもまる聞こえだろう。


「ばかな女。ウォルター殿下がノエルを愛している?ばっかみたい。全部わたしが仕組んだことなの。気づかなかった。あなたも相変わらずバカね」


仕組んだ?どういう?


「ウォルター殿下を誘惑するようにノエルに頼んだのよ。バカよね。男って。あなたは他に好きな男がいるから離婚したがっていると言ってやったらころっと騙されちゃってさ。実際護衛騎士といい仲になってたじゃない?」


「どういうこと?」


ノエルがウォルターを誘惑?

けれどウォルターはきっとノエルを愛していた。あんなに笑っていたもの。

彼女も絶対愛していたはず。


「あら、知らなかった?あの護衛騎士もわたしが雇ったの。あなたを誘惑するように頼んだのよ」


そういえば、新しく来た護衛騎士がやたらと身の回りの世話をしたがっていたことを思い出す。

いらないといっても聞かずによく部屋の中に入ってはいろいろとやってくれていた。


「まんまとひっかかってくれて万々歳よ。王宮中で噂になっていたのよ。知らないのは本人ばかりなりね」


あの護衛騎士と?何てこと。


「あなた……」


信じられない。あんなに慕ってくれていたと思っていた妹が……こんな悪魔みたいな顔で笑っている。

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