冒険が始まる、その前の些事
いろいろなことがあった、その翌日。
俺はちょっと確認したいことがあったため、先に学園へと向かい、一人通学路を歩いている。
冒険着は鞄の中に入れてある。
…すると、後ろから肩を掴まれる。
「おい、不正入学者さんよぉ」
少し前の俺なら、それだけでかなりビクッとしたもんだ。
だけど、今の俺は「僕」とは違う。
「ん?」
気の抜けた声を発し、顔を向けてみる。
そこにいたのは俺のいじめを率いていた…と言っても過言ではない野郎達。相川 正太と、石崎 俊哉が嫌な感じのニヤケ面をこちらに向けていた。
こいつらは、まず相川がサッカー部、そして石崎がバスケ部。二人ともエースであり、スポーツ万能の正にイケメン。そんなんだから中学の時はかなりモテていたらしい。
最初のうちはドクズ担任にあることないこと吹きこまれて、正義感から俺に暴力を振るっていたようだ。
…でも、2年になってからは正義感ではなくただ自分が見下したいだけであろうことがひしひしと伝わってくるような陰湿さを感じるようになった。
俺に対してはこんな態度だけど、こいつらは取り巻き含め外面はいい、いわば見かけだけの優等生。
中学時代、俺に対する謎のヘイトもあってか、土屋先生以外の教師は全員こいつらを庇って俺を犠牲にするスタンスだった。
まぁ要するに、今回も似たようなものだろう。
…卒業式の時殴りかかってきたのはこいつらの取り巻きで、こいつらは何故かその場にいなかった。こんな態度を取れるのもそれ故か、余裕の表れか。
俺は心底「鬱陶しい」という態度を隠さずに反応する。
「…なんか用?」
「お前さぁ、昨日歩いてた美少女とどういう関係なわけ?ていうかお前より俺たちと一緒にいたほうが幸せだと思うんだけどぉ?」
「そーそー、こんな陰キャより俺らの方が絶対いいっしょ?」
あたりを見渡すと、まぁなんていうかやっぱり俺より向こう側の味方になるような連中ばっかりだ。
まぁ当然だろう。サッカー、バスケのエースでかつイケメンな奴と、いかにも陰キャのような見た目の奴。
その上、こっちには真菜や千春という絶世の美少女がそばにいたような奴だからなぁ。男からしたらどちら側に付くかは明白だろう。
…厄介なのは、同じクラスだった女子に1日でなにかを吹き込まれたのか、別の中学の女子達すら俺を敵視しているような節が見受けられる。
「あれが…」
「そうそう、マッジでキモイからさぁ…」
「クスクス…」
普通の学生なら心が折れてしまうだろうな。正直、結構しんどいもの。
一呼吸置いて、「僕」が表に出て来そうなのをグッと堪える。
「…………」
自分からしたら別に話すことも何にもないわけだし、「相手したくねぇ」と、表情を隠すこともせずに一言だけ言い放って先に行くことにした。
が、後ろを向いて学園に向かおうと歩を進めようとした瞬間、肩を掴まれる。
「おいシカトすんなよ陰キャ!」
「陰キャが相川君無視するとかありえないし!」
「そういうとこキモいんだけど?嫉妬してるの?」
まぁ、見逃してくれるわけない。
…ていうか、昨日の今日で切りに行く暇がなかったから俺は今髪を纏めてるんだけど、よく俺だって分かったな…なんなら、鏡を見た時にもう髪が赤くなりつつあったし…あ、なるほど制服か。
「話すと長いし話したところで理解できるとも思えんよ。下らねぇこと言ってないで遅刻しないようにとっとと行こうぜ?」
「あ?んだその態度?」
「てめぇ調子乗ってる?」
「マジで陰キャキモー!」
「………」
少しイラっとした俺は、武器を出そうかとも思ったけど…銃刀法に触れるからやめておいた。
呼吸を整え軽く腰を落とし、重心をしっかり定める。そして、周辺へ睨みを利かせる。
「あー…お前ら俺がキレちまった時教室にいなかったよな。
リア充だから別のクラスにでも顔出してたのか?だったら知るわきゃねぇか」
「あぁ?かんけーねーだろ!態度変わりすぎなんだよ陰キャ野郎!ていうか昨日の女の子マジでなんなんだよ?」
「お前見てぇな陰キャ野郎があんな子と一緒になっていーわけねーだろぉ?」
「そうだよねー。あの子も相川君と付き合ったほうが幸せになれるんじゃないのー?」
「ていうか絶対そーだろ?お前以外なら絶対誰でもよくね?」
『ギャハハハ!』
外野からも嫌な笑い声。
『相川と一緒の方が幸せ』
その言葉に少しカチンと来た俺は最大限にドスを利かせた声を出す。
怒りによって、出かかっていた過去の自分が消え去る。
魔法世界では賊なんかとも対峙したこともあるし、この程度どうってこともない。
なんならうちの自警団の連中の方が賊の数倍は怖い。
声を荒げず、怒りを飲み込み、冷静になって、声にドスを効かせる。
師匠から教わった、「気」の扱い方の応用だ。
「ふぅっ…
真菜は昔離れ離れになった幼なじみだ。
…説明が面倒だし聞かせたくもねぇ。
文句あんなら来い、腰抜け共。言っとくが俺は師匠にようやく外で武術使う許可貰ったんだ。てめぇら如き傷一つなく無力化してやるよ」
「うわキッモ、キレてるし…」
「あれが2中の最悪陰キャ…?」
「相川君たちよく平気だったよね…」
声にドスを効かせ、静かに気を昂らせ圧をかけつつ俺は睨む。
無論、この傷一つなく、というのは自分に向けての言葉ではない。「相手に一切傷を付けずに無力化する」ということだ。
「うっ…」
「…ちっ」
俺が威圧感バリバリで脅すと、何も言わずに去っていく。
…視線が少し俺の後ろにも向いていた気がする。
去っていくのを確認したあと、俺は再度呼吸を整え、昂らせた気を落ち着ける。
「うわー、ホントキモい。なにマジになってんのー?」
「そーだよ!相川君たちのが絶対正しいし!」
「そういうとこマジキモいんだけど!」
取り巻きの女子が俺に向かって言い放つ。
「うっせぇな…マジに見えたならそっちがその程度だってことだ。もう高校生なんだからデマとか振りまくのやめよーぜ?」
「陰キャキモ!なんか口調変わってもっとキモい!死ね!」
「死ねとか平気で口に出すんじゃねぇ素人が。 …周りのやつらも散れ散れ。遅刻すっぞ?」
捨て台詞を発して去っていく女子達に向かって聞こえないように呟き、周りのギャラリーも散らせる。
…俺も人間との命のやり取りってもんはまだしたことがないから人のことは言えないが、「死ね」だなんて軽々しく口にするな。
まぁ、平和な日本と、魔物が蔓延る魔法世界。命の価値観は結構変わってくるんだろうけども。
「……はぁーーーーーーーーー……」
それはもうデッカい溜め息。
ほんっと下らねぇ。なんで昔はあんな連中にビクビクしながら学校に行ってたんだろうな。…と、そんなことを考えられるようになった程度には、自分の気持ちに余裕が出来ているのを自覚した。
本当なら入学式の時みたいに、みんなと一緒に登校すればよかったんだけど、確認したい事があったから早めに家を出ている。それが悪い方向に作用しちゃったんだな。
「……」
死ねという言葉をかけられて、改めて考える。
死、か。
魔法世界で、元賊の連中率いたりとか、救いようのない賊を相手に戦ったりと、対人戦ではそこそこ修羅場を潜り抜けてきたとはいえ、生かして捕える事を前提に戦ってきた。
俺はまだ人の命を奪った経験がない。
「僕」の命が奪われた経験はあるが、な。
…魔物や、動物。生きていくため、テリトリーを守るため。狩猟をし、命を奪った経験なら、もちろんある。
だけど、人ってなってくると…
…ダメだな、精神を揺さぶられるとどうしても感情的に動いてしまう。俺の明確な弱点、だよな…
「あんなやつに気付かされたのは癪に触るけど、いずれは俺も…」
「えっと、大変だったね…?」
「…ん?」
俺が考え事をしていると、話しかけてくる一人の女子。
「根も葉もない噂、流れてるからちょっと心配になって…本当に大丈夫?」
「…大丈夫だと思うよ。そのうちデマだってみんなわかるだろうし」
「私達でもある程度訂正はしておくから…ね?」
今話しかけてきたのは…誰だろう。同じ中学だってのは覚えてるんだけど。
如何せん三奈以外の他のクラスの女子とは一人を除いて全くと言っていいほど絡みがないから、彼女の顔と名前が一致しない。なんなら、別クラスの女子の名前はほとんどわからない。
綺麗で長い黒髪を両サイドで三つ編みにした子。見覚えはあるんだけど…名前が…
「あー…ごめんね、誰、だっけ。ホントにごめん…さっきも見ただろ?基本的にみんなあんなんだったから中学の同級生女子って基本的に顔も名前も全く頭に入ってなくてさ…」
「あ、ううん、いいの。覚えてもらわなくても…それじゃ!」
「…行っちまったよ。自己紹介くらいしてくれても…いや、間違いなく覚えてない俺が悪い」
俺は少し空を見上げて思う。
「…もっと早く向こうのこと知ってたら…あー、くそ。これもやめとくか…」
これ以上、このことについて思案したら聖戦士達に失礼だろう。
かなり、苦渋の決断だったみたいだしな。マキュ姉の提案はともかく。
俺が聖戦士達の決断をどうこう言ってしまってはいけない。今は、そう思う。…いずれ俺も決断する側に回るんだって、思ってるけどさ。
と、いろいろ考えていたら…
「おーっす!後輩っ!」
聞き覚えのある声が聞こえてきたため、そちらの方を向く。
「…麗姉か」
制服に身を包んだ麗姉が、そこにいた。
「災難だったねー、いきなり絡まれるなんてさー」
「…別に、想定内だよ」
「ふぅーん。まぁいいけど、遠目に見てイラッとしたからつい後方から威圧しちゃったけど…もしかして必要なかった?」
「うん。…中学ん時ならともかく、今なら別にどうってこたぁねぇよ」
「…さっきも見てて感じたんだけどさ、あんた随分雰囲気変わったね?」
麗姉はジロジロと俺を見る。
髪を触って、「あれ、ちょっと赤い?」とにやけながら言った。
「…変わったっていう自覚はあるよ。昨日、色々あったんだ」
「一人称も「僕」から「俺」に変わっちゃってるし。…昨日再会した幼馴染ちゃんと何かあったのかなー?」
「話すと長いし、何なら…話せるような内容じゃないから黙らせて貰うけど、麗姉もしかして真菜が隣に越して来ること知ってた?」
「もち」
グッとサムズアップする麗姉。
曰く、「じいちゃんに言われて道場に軟き、泊まり込みさせて黙っていよう。サプライズ再会と洒落込ませよう」とのこと。
絶対軟禁って言いかけた。
「まぁ、その気遣いで劇的な再会になったわけだし、感謝してるよ。…いろいろ実戦的な修行も積めたし」
春休みの間、俺は師匠達から今までとは違う、実戦的な修行をさせられた。そのおかげもあるのかな、ヴァッサー地下迷宮で戦えたのは。
「今後いろいろ大変だとは思うけど、頑張りなさいよ。あんたは一人じゃないし、仲間達もたくさんいる。何より、私だっているから」
麗姉は、俺の頭を撫でながら言う。
…あぁ、そうだとも。俺は中学の時も一人じゃなかったんだ。だからきっと大丈夫。
「にしても、私もいきたかったなー、魔法世界。まぁそのうち私も行くけどさ。そんじゃ遅れないようにね」
手を振って去っていく麗姉。…えっ、待って、爆弾発言聞こえたんだけど、麗姉知ってたの…?
いやまぁ、師匠が魔法世界では「拳王」なんて異名持ってるのは知ってたけど…あっもう見えねぇ。
疑問が解決するのは、今回のレーヴァテイン捜索が終わってから、になりそうだ。
さてさて、確認したいことつっても、別に詮無いこと。
ただ、どういった経路を使って行くのか。それを確認したかった。連絡先知らないから直接聞く必要があったわけで…
「そうだね、やっぱり船を使って行くことになると思う」
「ん、そっか」
「…連絡先教えとくね。登校中絡まれたって聞いたよ」
マキュ姉と連絡先を交換する。そのうちやるつもりだったらしいが。
俺はそれを確認すると、家に電話をかけて流奈に「俺の薬必要になると思うから持ってきてくれるか?」と頼んでおいた。
…まぁ、何の薬かは後で話すよ。とても重要なものだから、必ず家においてある。流奈に場所を教えて、持ってこさせる。
そんなこんなでグラウンドに制服で集合した俺たち。
集まっている面々を見て学園の生徒たちがとっても物珍しそうな目で俺たちを見ている。
まぁ、明らかに日本人離れした女の子達がいっぱいいるからね。
ティアナにフェミリィ、イル。
流奈と由衣も…髪が赤いからそう見られていそうだ。
ルルリアはあっちで合流するらしい。
「ちくしょう、俺も特別推薦枠に入りたかったぜ…!」
真二が恨めしそうにこっちを見る。
まぁ、初日からいきなりグラウンドに集まってるからなぁ。
「あはは…」
三奈が苦笑いしながらこっちを見る。出来れば俺に振らないでほしいが。
真二達には俺がいない間、元クラスメイト達が何か悪さをしたりしないかどうか見張っててもらうように頼んだ。
が、もう手遅れな予感がしてる。
真二達は、イグニースの街の俺の仲間達。
なんの因果か、俺の友人達(三奈以外)は、イグニースで仲が良かった友人達だった。
マキュ姉には友達…仲間を呼んで欲しい、と言われたことから、恐らくなんらかの形で分かっていたのだろう。
そして、ついさっき俺達と同じように同調の儀式を行い、魔法世界の記憶を受け継いだ。人格は俺達と違い、現実世界がベースで、肉体のベースは魔法世界らしい。
つまり俺達とは逆である。
因みに、こいつらは魔法世界では孤児だったので、両親関係の矛盾は起きない。
…孤児だった記憶もあってか、両親がいる感覚がかなり複雑らしいけど。
「…お前の元クラスメイトはもうお前の悪いデマ流してるぜ。別のクラスだった女子が否定したりとかしてるけど、1年のお前への心象はかなり悪いぞ?」
「…通学ん時に相川や石崎達に絡まれた。あいつらもうファンいるみたいだし、俺への敵意半端ないことになるかもな」
元クラスメイト達は俺に対するいじめ以外に関しては素行がいいのはさっきも話した通りだ。
まぁ、あのクズ担任が表面上は何もないようにふるまわせていたってのもあるし、教師陣は土屋先生以外全員敵に等しかったからな。高校でも通じるとか勘違いしていそうだ。
「まぁとりあえず、こっちのことは任せとく。…なんかあったらスマホにメッセージだけ残しといてほしい。帰ってきたら届くと思うから」
言うまでもなく、向こうの世界は圏外だろう。
…あとで試してみるか?
「あれ、そういえば…」
真二たちが教室に向かうのを見送った後、俺はこの集団の中にいる、3人の人間を見て言う。
「流奈、由衣、イルの3人は?所属中等部になるはずだろ?」
「あぁ、ボクたち、実はまだ編入してないんだ。この任務が終わり次第考えるとかなんとか…」
「そうなのか…」
「うん、そうなの。だから制服もまだもらってないんだ」
…つっても、冷静に考えたらこの3人はこっちの世界の一般常識なんか全く分からないだろうし、その状態でいきなり中等部放り込むのもどうかと思う。
まぁ、3人とも聖戦士の家系な以上、レーヴァテインの捜索に手を貸すのは至極当然だって思ってるみたいだ。流奈と由衣は炎の聖戦士だから本当に当たり前みたいだわな。
「それに関してはちょっと考えがあってね。今はまだ詳細は明かせないの」
俺たちが雑談をしていると、「はろはろー」と暢気な声を出してマキュ姉がやってきた。
マキュ姉は俺たち全員を見渡し、「うん、ちゃんと全員揃ってるね」と言う。
「今回の任務は以前説明した通り。細かい説明は向こうに行ってからにしようか」
そう言ってマキュ姉は歩き出す。
以前も通った怪しげな門。一見すると、少しデカめの鳥居のようなもので、意識して目を向けると「近づいてはならない」という雰囲気がひしひしと伝わってくる。
魔術的結界も込めているんだろう。
今ならわかるが、これが異世界へのゲートだ。
「この辺は昔使ってた旧校舎だってみんなには説明してるんだけど…本当はただの無人の屋敷。地下の方に巨大な迷宮があるってことで、私たちヴァッサーの人間や世界中の冒険者達が中心になって、いろいろ調査をしてるとこなの」
通り道、マキュ姉が足を止めないまま旧校舎とされている場所の説明。主に三奈に対する説明だ。
こちらの人間がなんらかの形で入ってしまうことのないように、普段はゲートは閉じてある。
が、何かの事故でこちらの人間がゲートを通って来てしまったときに、何かと面倒なことにならないよう、『このあたりは大昔に使っていた校舎がある』ということにして辻褄を合わせているらしい。
まぁそもそも、この辺りは立ち入り禁止区域なので、よっぽどのことがない限りは人は近寄らない、が。
ただ、どうしても事故というのは起きてしまうもので。
昔は時々迷い込んだ人間がいたらしい。
今は両世界の人間がかち合うことのないように、魔法世界では魔術的結界にて立ち入り禁止措置を取っている。
旧校舎の存在は、今では都市伝説的扱いになってるとかなんとか…
屋敷の巨大な地下迷宮と言うのは、これは聖戦士どころか魔法世界中の人々にとっては既知の事実。
そして俺たちが入学式の日に少しだけ探索した場所だ。
この屋敷は昔、高名な建築家が建てた水の聖戦士が住むための場所。
地下迷宮の存在が明らかになった後、水の聖戦士はここを退去し、地下迷宮探索の拠点としても扱われていた。
だけど、数年ほど経ってから町のはずれにもう一つの入り口が発見された。
その後の調査で「本来の入り口は街はずれの方で、こちらは屋敷建設の事故で繋がってしまった」という結論が出された。その繋がった道は封鎖済。
現在は街はずれではなく、街の中心部となったその場所が「ヴァッサーの迷宮」として若手や熟練の冒険者が経験を積むために日夜利用している。
しかし、迷宮の全貌は未だ明らかになってはおらず、最下層までたどり着いた人間はいない。
そして、俺たちが探索したのは序盤の中の序盤、冒険者になりたての人間が探索するような場所だ。某不思議なアレみたいな表現するなら、「1Fの通路と1つの部屋」を探索したにすぎない、と言うことだ。
「…こんな感じ。わかった?」
歩きながら、三奈に軽ーく説明中。
「ふぅ…ちょっとついて行けないかも」
「あはは…すぐ慣れるよ、きっと」
三奈はなんだかんだで真菜と一番仲が良くなった。共通の話題でもあるのか、かなり意気投合してるみたいだ。
「まぁ、ねぇ」
「すぐ近くに、あるもんね。共通の話題」
「…?どういうこと?」
二人は顔を見合わせて笑ったけど、俺はさっぱりわからなかった。




