傑作選「勇者と従者(05)」
X(旧:Twitter)で投稿しているプニプニ勇者の140字の物語です。
今回は「勇者と従者」中心の話をまとめた第五弾になります。
【登場人物】
プニプニ勇者:二頭身でオムツ姿のプニプニで幼児な勇者。
従者 :勇者のお世話係。
戦士 :勇者のクエストのメンバー。戦闘が得意。
狩人 :勇者のクエストのメンバー。気配りができて、探索が得意。
道化師 :ふざけてばかりの冒険者。勇者の遊び相手。
新米剣士 :空回り気味だが頑張っている冒険者。
魔学者 :魔法の力を使って色々な魔具を作る研究者。
考古学士 :ダンジョン迷子センターのスタッフ。調査班のメンバーだが方向音痴。
冥界の人形 :冥王からもらった人形。勇者のお気に入り。意思があり動く。
冒険者たち :冒険を生業とする人々。勇者と共にクエストをする事が多い。
宿屋兼食堂 :勇者や冒険者たちが冒険の拠点にしている宿屋。裏庭がある。
裏庭 :宿屋の裏にある勇者の遊び場。冒険者たちの鍛錬場もある。
宿屋の夫妻 :宿屋兼食堂を営んでいる夫婦。
料理方 :宿屋兼食堂の料理担当。
本草師 :植物の専門家。
【朝の体操】
「1、2ー」
朝、宿屋の裏庭で従者が規則的に手足を動かしていた。
「いっちゅ、にゅー」
その横ではプニプニ勇者が腕をブンブンと振り回している。
「3、4ー」
従者が体を左右に捻ると、勇者は自分がクルクル回った。
「ちゃん、ちー」
勇者の体操は自由である。
「ぴゃー」
【従者の真似】
「じゅー、おんぶ」
プニプニ勇者が従者の服を引っ張る。
「おんぶですか、勇者様?」
「ぬんぎょ、おんぶ」
そう言って冥界の人形を差し出すので、察した従者が人形を勇者に背負わせると嬉しそうに話し掛け始めた。
「とーれ?おやちゅ?」
どうやら従者の真似をしているらしい。
【新技】
「勇者様が新技を覚えました!」
従者はプニプニ勇者を抱っこして、その技を披露する。
「勇者様、グーして下さい」
「ぎゅー」
勇者は手をギュッと握ってグーにすると、従者の頬っぺたにギュッギュッと押し付けた。
「これが頬っぺたギューです!」
新技に和む冒険者たちだった。
【後ろをトコトコ】
「ふふっ」
「どうしたんですか?」
不意に微笑んだ考古学士に魔学者は尋ねた。
「従者くんが移動するとね…」
そう言って従者に視線を向ける。
「勇者ちゃんが後ろを付いて行くのよ」
「まってー」
従者の後ろをトコトコと歩くプニプニ勇者を見て、魔学者も自然と笑みが零れた。
【食後】
「じゅー、たぺた」
食べ終わったプニプニ勇者は、従者に椅子から降ろしてもらうと、途端にトタトタと走り出した。
「どこ行くんですか、勇者様!?」
「そっと」
「食べてすぐに動くとお腹が痛くなりますよ?」
「そっと」
すぐにでも遊びたい勇者を抱っこして止める従者だった。
【従者の選択】
「すーすー…」
「このまま出発します」
寝ているプニプニ勇者を見ながら従者は言った。
「勇者が起きたら何と言えばいい?」
「すぐに戻ると伝えて下さい」
「でも探し回るわよ」
「必要な物だけ買って最速で帰ってきます」
勇者が昼寝中に行く買い物は、タイミングが難しいのだ。
【風呂】
「たー!」
プニプニ勇者は「にげる」を選んだ!
「お風呂の後は身体を拭きましょう、勇者様」
従者に抱っこされた!
「あじゃー!」
勇者は呪文を唱えた!
「髪も乾かさないと風邪を引いちゃいますよ」
何も起こらなかった!
「はい。いいですよ」
勇者はホワホワになった!
【小さな畑 種まき】
「種を蒔きましょう、勇者様」
裏庭にプニプニ勇者用の小さな畑が作られた。
「まきゅ」
本草師から貰った薬草を育てる為だ。
「たにゃ」
勇者は種を蒔き土を被せ、そして言った。
「おきてー」
「もう少し寝かせてあげましょうね、勇者様」
まだ良く分かっていない勇者である。
【小さな畑 水やり】
「みるー」
プニプニ勇者は従者に手伝ってもらい、小さな畑に水やりをした。
「すぐに芽が出ますよ、勇者様」
「しゅぐ?」
それを聞いた勇者はトテトテと走り、木の後ろに隠れると言った。
「もーいーよー」
「かくれんぼじゃないですよ?」
芽が何か分かっていない勇者である。
【小さな畑 歌】
「勇者様、芽が出てますよ」
小さな畑に幾つかの芽が顔を出していた。
「おー」
嬉しくて、芽を掴もうとするプニプニ勇者を止めて、従者は提案する。
「勇者様、お歌を聞かせてあげましょう」
「おうちゃ」
勇者が畑で歌うのはその為だ。
「おーきゅなくりゅのーきゅーしちゃてー」
【実験】
「声掛けは?」
「なし」
少し不安気な従者に新米剣士は答える。
「お?」
プニプニ勇者の前に、従者、ドングリ、リンゴが一定の間隔で並ぶ。
「好きな所に行くのネ、勇者」
道化師に言われて勇者はトコトコと近付いた。
「じゅー!」
勇者の一番好きなものを調べる実験である。
【いつもの散歩】
「あらら」
宿屋のおかみは眠るプニプニ勇者をおんぶして帰ってきた従者の話を聞いた。
『ぴゃー!』
勇者はピョンピョン飛び、草原で転がり、従者を引っ張って走り、疲れて寝てしまったという。
「いつもの散歩なのに?」
「いつもの散歩なのに」
何故かとても楽しかったらしい。
【プニプニ勇者チャレンジ スイカ移動】
「勇者様、スイカを料理方さんに持っていきましょう」
プニプニ勇者チャレンジである!
「うーしょ」
張り切る勇者だが、大きなスイカをギュッとした後、動かなくなった。
「む!」
重くて持ち上がらないのだ。
(小さくて良いのに…)
気付かずに悩む勇者を見守る従者だった。
【プニプニ勇者チャレンジ スイカ転がる】
「スイカを転がしましょう」
従者はスイカの移動に苦戦するプニプニ勇者へ助言する。
「こりょがす」
勇者は頷き、スイカを転がそうとして何故か自身がコロンと転がった。
「勇者様!」
結局、従者がスイカを抱えた勇者ごと持ち上げる人力の浮遊魔法で運ぶ事にした。
「びゅーん」
【奥の奥の手】
「勇者様、歩きづらいから抱っこにしましょう?」
「やーの」
従者の提案はプニプニ勇者に断られた。
「肩車が良いですか?」
「ありゅくの」
(奥の手が効かない!?)
「じゃあ、グルグルする肩車はどうですか?」
「ぐりゅぐりゅかったくんま!?」
奥の奥の手があるのだった。
【眠りの呪文】
「スースー」
従者は眠りの呪文で眠ってしまった!
「じゅー」
プニプニ勇者は従者を起こす為に顔をペシペシした!
「おっき」
更に鼻をムギュッとするので狩人が抱っこして止めた!
「勇者ちゃん、それでは起きないのよ」
「お?」
状態異常からの回復など分らない勇者だった。
【不承知】
「従者を借りるぞ、勇者」
戦士は従者と出掛ける前にプニプニ勇者へ声を掛けた。
「めー」
しかし勇者は反対する。
「すぐ戻りますよ、勇者様?」
「従者を連れていくのは嫌か?」
コクリと勇者は頷く。
「なら一緒に行くか?」
「いくー」
途端にご機嫌で飛びつく勇者だった。
【準備完了】
従者はプニプニ勇者に尋ねる。
「勇者様、準備はできましたか?」
「てきた!」
「オモチャは持ちましたか?」
「もった!」
「お菓子はありますか?」
「ありゅ!」
「じゃあ、狩人さんと遊んでて下さいね」
「あしょぶ!」
「任せて、従者くん」
掃除の間、預けられる勇者だった。
【装備強化】
「勇者様、装備を強化しましょう!」
「きょーか」
気温が下がってきたので従者はプニプニ勇者に上着を装備させた!防寒力が+1上がった!
「ぴゃー!」
ただし走り回って汗をかき始めたら、その装備は外される事もある。
「あちゅい」
「何でそんなに元気なんですか、勇者様?」
【従者のマント】
「どんなのが良いの?」
狩人は従者のマントを買う為、一緒に市場へ来た。
「勇者様の抱っこやおんぶの邪魔にならなくて」
「じゅー、だっこ」
途中でプニプニ勇者が乱入する。
「万が一の際は勇者様をくるんで毛布になるような物が良いです」
何でも勇者基準で考える従者だった。
【おやつ探し】
「勇者様、何が食べたいですか?」
買い出しの後、市場でおやつを探すのが従者とプニプニ勇者の楽しみだ。
「ろんきゅり」
「ドングリは食べるのが大変ですよ?」
「たーへん?」
「だから食べずに宝物にしましょうね」
「たかりゃもの」
偶におやつと関係ない話になる事がある。
【秋の果物】
「勇者様、これなーんだ?」
従者はプニプニ勇者にブドウを見せた。
「たぺもの」
次にナシを見せる。
「じゃあ、これは?」
「たぺたい」
最後にリンゴを見せた。
「これは分りますか?」
「たぺる」
「勇者様、お腹が空いてるんですか?」
この後すぐにおやつの時間になった。
【水たまりの氷】
「勇者様、水たまりが凍ってますよ」
「お?」
従者に言われてプニプニ勇者は覗き込む。
「ほら」
従者が薄い氷を踏んでパリッと音が鳴ると勇者の目は輝いた。
「ぴゃー!」
「勇者様ー!」
そして裏庭中のが薄い氷を踏んではしゃぐ勇者を転ばないか心配して追いかける従者だった。
【雪道の移動】
「勇者様、お買物に行きましょう」
「おかーもの」
従者を追い越してプニプニ勇者は外のソリへ乗り込んだ。
「ちゅっぱーしゅ!」
雪が積もっている時期はソリで移動できて楽しい。
「帰りは荷物を積むので歩いて下さいね」
「ありゅく」
そして雪道を歩くのも好きな勇者だった。
【帰り道】
「勇者様、帰り道は分りますか?」
「わかる」
「じゃあ勇者様に付いて行きますね」
買物後、従者を先導してプニプニ勇者はトコトコ歩いた。
「あっちゅ!」
「勇者様、こっちですよ」
「こっちゅ!」
しかし見当違いの方向へ行く事があるので、従者が修正する必要があるのだった。
【勇者の任務】
「むゅ!」
大きな仕事を任されてプニプニ勇者は張り切っていた。
「ぱちぱち!」
食堂の暖炉前で遮蔽柵にくっつき、暖炉の火で炙られている肉が焼けたら知らせる係である。
「やけちゃ?」
「まだですね」
しきりに従者へ尋ねながら、焼き上がりをワクワク待っている勇者だった。
【モフモフの外套】
「平気か?」
吹雪の中を進んでいた戦士が従者を振り返る。
「はい」
「勇者は?」
「外套の裏側がモフモフなので大丈夫です」
従者が答えると外套の留め具の隙間から抱っこされたプニプニ勇者がヒョコッと顔を覗かせた。
「へーき」
それを聞いて安心して進む冒険者たちだった。
【小さな飾り木】
「勇者様への贈物なんですが…」
従者は冬夜祭の贈物について宿屋の夫妻に相談した。
「小さな飾り木はどうかしら?」
「勇者はいつも飾り木にくっついてるしな」
「良いですね」
冬夜祭、当日。
「きりゃきりゃ♪」
従者の作った小さな飾り木を見て大喜びのプニプニ勇者がいた。
※この話は書き下ろしになります。小さな飾り木は、この後、部屋の棚に飾られました。
【お迎え】
「勇者様?」
「じゅー!」
冒険者ギルドにいた従者の前に、プニプニ勇者と宿のおかみが現れた。
「お迎えに来てくれたんですか?」
「ぼーけん!」
勇者はギルド=冒険だと思っている。
「冒険はしませんが帰ったらご飯ですよ」
「ごっはん」
そして抱っこされて帰る勇者だった。
※お読みいただき、ありがとうございます!
楽しみにしてくださっている皆様も、初めての方も、お読み頂き、ありがとうございます!
気に入ったものがございましたら、ブックマーク、評価、いいね、感想など、少しでも反応を頂けると励みになります。
まとめて欲しいキャラがございましたら、小説家になろう、X(旧:Twitter)、マシュマロでリクエスト受け付けておりますので、ご利用ください。
こちらはX(旧:Twitter)でほぼ毎日更新しております。ご興味がありましたら、#プニプニ勇者 と検索してくださると嬉しいです。
2026年も毎週更新できるように頑張りますので、よろしくお願い致します!




