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剣戟巨人のアベンジャー ~同級生に叩き売られた剣闘奴隷がバカどもに復讐を果たしながら女子生徒を奪還する話~  作者: 藤原ゴンザレス


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細川さん(闇)

「シャチョさん。シャチョさん。いい話アルヨ」


 タカムラにレイガンを受け取り分解しようとしていたら、吉田先生がなぜか片言の外国人ホステスのような口調で私に話しかけてきた。

 ホステスの知り合いはいないから本当のところはよくわからないけど。

 いったいなんだろうか?

 とても『悪い顔』をしている。

 タカムラがバザーに爆竹投げ込んだときにこの吉田先生がしていた顔だ。

 なにかを企んでいるようだ。

 この人は混乱とか混沌、カオスが大好きだ。

 カオスの使徒と行っても良いだろう。

 もちろん、くだらない冗談を言おうとしているのかもしれない。

 ……もし、くだらない下ネタだったら殴ろう。


「なんですか先生?」


 私はなるべく愛想よく言った。

 トラブルは勘弁してもらいたい。

 だが、タカムラの事かもしれない。

 一応耳を傾けておこう。


「あのなあ」


 ニヤニヤとしている。

 最高に良い笑顔だ。


「タカムラなあ」


 吉田先生はもったいぶっている。

 なんだかイラつく。


「メイちゃんと一緒に寝てるぞ」


 寝てるぞ。

 寝てるぞ。

 寝てるぞ。


 私の頭の中に先生の言葉がリフレインする。

 あー……

 OK。

 男はみんな山岸なのね。

 うん。よくわかった。


「おいどうした? 目が虚ろになってるが?」


 吉田先生が変な声を出す。

 やだなあ。

 なんでもないですよ?


「えっと……仕事仕事……タカムラのマッチ棒を潰すにはこれでいいかな」


 そう言いながら私は工具を取り出す。

 えっと……やっとこ、やっとこ、やっとこどこだっけ?

 あった!

 両手持ちのやっとこ!


「地獄の鬼が拷問で使うようなやっとこだが……それは工具か?」


「え? タカムラのマッチ棒を潰す道具ですよ?」


 そう言って私は両手で一気にやっとこを閉じる。

 ガチーンといういい音が工房に響いた。

 なぜかその音を聞いた途端、吉田先生は内股になった。

 どうしたんですか?

 顔が青ざめてますよ。


「……潰したらいろいろとまずいんじゃないか?」


 なぜか挙動不審な様子で吉田先生は言った。

 え?

 なんで?

 オイタする子のマッチ棒なんていらないよね?

 それに……


「タカムラは女の子になるんですよ?」


 前からすね毛ほとんど生えてないし、結構細身だから可愛いドレスとかに合うと思ってたんだ。

 顔もかわいい系だし。

 うん。

 決めた。

 女の子にしよう(・・・)


「……」


「……」


 私たちは無言で見つめ合う。

 なぜか吉田先生は瀧のように冷や汗を流している。

 ライターで遊んでいたら火事になってしまった小学生のような顔だ。


「タカムラ逃げてー!!!」


 吉田先生が叫んだ。

 失礼な!



「細川(うじ)。どうして巨大なやっとこを持って微笑んでいるのでありますか?」


 領主の館。

 そこの俺の部屋。

 俺は焦りのあまり、おかしな口調で質問をした。

 内股で。


「12歳の女の子に手を出したらキャ●玉潰すって言ったよね」


 がッちゃーん!

 細川が巨大なやっとこを閉じた音が響く。

 俺のナニでアレがキュッとする。

 っちょ!

 話し合おうよ!!!

 ね?


「『12歳の女の子に手を出したら殺すから』であります! マム! というか俺は無罪だああああああ!」


 潰すなんて聞いてない!

 らめ!

 それだけはらめええええ!


「へえ。なにかしたんだー」


「なにもしてないであります!」


 添い寝しただけであります。


「へー……このう・そ・つ・き」


 がっしゃーん!


「にゃー! マジでなにもしてないであります!!! マジで! ねえ信じて!!!」


「吉田先生が言うには毎晩お楽しみだって!」


 吉田ああああああああああああ!!!

 ぶっ殺すぞ!!!


「添い寝しただけじゃあああああああ!!! 手もなにも出してないんじゃああああああ!!!」


 俺は隠していたことを一気にぶちまける。


 がっしゃーん!


 ひいいいいいいいい!


「マジで! ねえ信じて!!! やましいことは……添い寝以外はなにもしてないでゴザル!!!」


 ふーん。

 という顔で細川は俺を値踏みしていた。

 っちょ!

 まじでやめてー!!!

 添い寝だってメイが俺のベッドに潜り込んでくるだけだって!


「嘘はついてないようだね。うんよかった♪」


 そう言うと細川は一転して上機嫌になる。

 どうして女の子は男が嘘ついてるかわかるでありますか?

 俺にはわからない……女の子って……謎だ……

 女の子って怖い!!!


「タカムラはさあ。もし私と添い寝したらどうなる?」


 ここは正直に答えよう。

 男の嘘など一瞬で見破られるからな。

 地雷踏んだら素直に謝罪しよう。

 うん。そうだ。


「えっちな気分になって寝られません。……というか押し倒します」


 正直に答えた俺の顔を見て細川は、「にへら」っと破顔した。

 なんだろうか。

 これは喜んでいるのだろうか?


「うんうん。そうかそうか!」


 細川はまるで花が咲くかのような笑顔をしている。

 心なしか顔がツヤツヤしてるような……

 俺にはもうなにがなんだかわからない。


「ようし! 仕事! 仕事っと。ウフフフフ」


 細川は俺の背中をバンバンと叩いた後、背伸びをして館から去って行った。

 だれかこの状況を説明してください。

 かなり真面目に。

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