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俺を異世界に飛ばした美少女巫女が、ウー○ーと○郎を貪り食ってふっくら戻ってきた ~コンビニケーキから始まる戦国異世界生活  作者: 蜜朗
第1章:38歳営業マン、異世界でプレイヤーシステムに目覚める

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7/50

第7話 考察は三秒で終了。リアル農村美少女が目の前にいるので

「……ん」


 喉の奥が張り付いたような不快感で目が覚めた。


 まず視界に入ってきたのは、煤けた板張りの天井だった。

 アパートの白いクロスではない。

 節の目立つ、どっしりとした太い梁が見える。


「あら、気がついた? よかった、顔色がだいぶ良くなったわね」


 横から声をかけられ、俺は慌てて上半身を起こそうとする。


「痛っ……たた……」


「無理に起き上がらなくていいわよ。あなた、ボロボロだったんだから」


 声の方を見る。

 そこにいたのは、藍染めの着物に前掛けをした、恰幅の良い中年女性だった。


「あ、えっと、ここは……」


「うちの家よ。あんた、川沿いの藪の中で倒れてたの。……ごめんなさいね、この村の連中は乱暴なのが多いから。みんなで追い回しちゃって、怖かったでしょう」


 女性は苦笑いしながら、手際よく盆を整えている。


「最近は怪しい流れ者も多くて、みんなピリピリしてるのよ」


 彼女は俺のそばにしゃがみ込み、湯呑みを差し出した。


「飲める?」


「……ありがとうございます」


「お名前は? どこから来たの?」


「……佐藤平太です。東京から……来ました」


 突然の質問でどう答えてよいかわからず、思わずなんの捻りもない答えを返してしまう。


「サトウ? この辺りじゃ聞かない苗字ねえ。トウキョウ? それも聞いたことないわ。どこか遠くの国の人なのかしら?」


「……そんな感じです」


 もはや説明する気力もない。

 だが、彼女は「どおりで、そんな奇天烈な格好をしているわけね」と、自分の中で勝手に納得してくれたようだ。


「私はサト。望月もちづきサトね。あっちは夫の源蔵げんぞうだよ」


 彼女が指差した先、部屋の入り口に、一人の男があぐらをかいて座っていた。

 肩には、昨日俺を追い回していた連中が持っていたような鋭利な農具――いや、武器。

 怖い……。


「藪に逃げ込んだときはどうしてやろうかと思ったがな。あそこはマムシが多い。死なれたら寝覚めが悪いからよ。夜通し探してやったんだ。感謝しな」


 もし俺が死んでも、寝覚め程度なのか……。


「あ、ありがとうございます……」


「おかげで今日は仕事にならねえよ」


 源蔵と紹介された男は、鼻を鳴らして視線を逸らした。

 ……いや、原因はあなたですよね?


「あともう一人、娘がいるのよ。もうすぐ帰ってくるわ。……あ、ちょうど帰ってきた」


 ガララ、と引き戸の開く音がして、「ただいまー」と元気の良い声が響いた。


 その瞬間、俺の中に搭載された高性能の「ロリセンサー」が激しく警鐘を鳴らした。

 この声質。

 間違いない、最高級の逸材だ。


 土間から上がってきたのは、一人の少女だった。


 少し日焼けした健康的な肌だが、鼻筋が通り、どことなく控えめで上品な空気を纏っている。

 混じり気のない純粋さの中に、農村の娘らしい必要最低限の活発さが同居している。


 田舎娘特有の、飾り気のない完成された美しさがそこにあった。


(クゥ――!)


 思わず拳を突き出したくなるところだが、必死に「擬態」の力で抑え込んだ。


 ◇


 囲炉裏を囲んで、1人ずつに小さな膳が並べられた。

 俺の目の前にあるのは、麦の混じった飯と、何かの山菜が入った汁物、それに漬物。


 柱の一本一本に染み付いた、焚き火のすすの層。

 そして何より、現代の「家」なら必ずどこかにあるはずの電気のコードやコンセント、スイッチの類が、何一つとして存在しない。


 江戸村のイベントや、手の込んだドッキリなどでは絶対に再現不可能な「歴史の重み」そのものがここにある。


 ……これ、ガチだ。

 テーマパークのセットなんかじゃない。


 ということは、だ。

 俺は過去に飛ばされたのか? タイムスリップ?

 それとも巷で流行りの異世界転移ってやつなのか……?


 そんな哲学的(?)かつ重大な考察を脳内で開始したが、三秒で切り上げた。


 そう。

 今の俺の全意識は、右斜め45度、距離にして約70センチ先に座る少女に釘付けだったからだ。


 少女は、この時代の農村らしい質素な着物を着ていた。

 サイズが少し合っていないのか、あるいは彼女の成長が早いのか。

 座ることで着物の丈が引き上がり、少しはだけた裾から太もものあたりまでが露出している。


(……マジだ。本物のリアル農村美少女だ。しかも、細かいディテールまで完璧すぎる……)


 俺は細心の注意を払いながら、カモフラージュされた視線で彼女を観察し続けた。


「お前、旅人だったら、これからどこにいくんだ?」


 不意に源蔵さんから声をかけられ、俺は心臓が口から飛び出しそうになった。


「い、いえ! 旅人というか、その、飛ばされてきたというか……いく先なんて、ないんです」


「村を焼き討ちにでもされたか? 最近はあちこちで小競り合いが多いからな」


「あんた! そんなこと聞くんじゃないよ!」


 台所からサトさんが割って入る。

 夫婦の言い合いが始まった。


 そのやり取りは、まるで時代劇のシーンを見ているようで、どこかほのぼのとした空気が漂っている。


「ところでお前、これからどうするんだ?」


 再度、台所からサトさんが声をかける。


「いく先は……、何をしていいのかもわからなくて……」


「いくあてがないなら、しばらくうちにいればいいわ。あんた、若い働き手がいなくて困るって言ってたじゃない」


 そう言って話を源蔵さんに振る。

 源蔵さんは腕を組み、しばらく考え込むように唸っている。


「……うーん。うちも余裕があるわけじゃねえ。だが、仕事を手伝ってくれるってんなら、居させてやってもいい。どうだ?」


「あの、ご迷惑じゃないですか?」


「仕事手伝ってくれるならって言ってるじゃねえか、タダじゃねえよ」


 源蔵さんがぶっきらぼうな感じでそう言ったあと、サトさんが横から口を挟む。


「カヨもそうしてもらいたいでしょ。この村も年寄りばかりになってきちゃったしねえ」


 ……カヨも、そうしてもらいたいでしょ????


 俺は少女の方を見る――カヨと呼ばれた少女は、俯いたまま小さく頷いた。


「うん」


(激萌えええええええええ! イエス! イエス!)


 俺は卒倒しそうなほどの狂喜を、鋼の意志で「無表情」の中に押し込めた。


「あ、では……しばらく、ご厄介にならせていただきます」


「おう、決まりだな。仕事は明日からだぞ」


 恐る恐る、俺は尋ねた。


「あの……お仕事とは、どんなことを?」


「大工だよ!」


 うっすらとわかってはいたが、肉体労働……。

 営業マンとして培った「口先」と「サボり」が一切通用しない世界。


 正直、人の家に厄介になるなんて、元の世界じゃ絶対にあり得ない選択だ。


 俺は他人と同じ部屋で寝るのが大の苦手だ。

 寝るどころか、一緒の空間で長時間過ごすこと自体に強い拒否感がある。

 こうして誰かと食卓を囲むのだって、できることなら避けたい事案だ。


 だけど――これは生き抜くためだ。

 よくわからない世界に放り込まれた以上、とにかく生きるしかない。

 そのためには、この選択肢以外ないのだ。


 決して、カヨちゃんにお近づきになりたいからではないぞ。


 しかし、この俺が「いた方がいい」と判断されるとは。

 しかも少女に。

 元の世界じゃまずあり得ない。


 転移されてよかったのかもしれないな……。

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