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俺を異世界に飛ばした美少女巫女が、ウー○ーと○郎を貪り食ってふっくら戻ってきた ~コンビニケーキから始まる戦国異世界生活  作者: 蜜朗
第3章:現世との落差と未練、暗闇を照らす再会の光

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第48話 前任者のハードルが高すぎて冷や汗が止まらない

「いつまでもいてくれて構わない」


 そのサトさんの言葉は本当にありがたかったけれど、だからといって、何もしないでゴロゴロしているわけにはいかない。


 お言葉に甘えてニート生活を決め込むほど、私のメンタルは図太くない。


(現世にいた頃は、実家の手伝いなんてこれっぽっちも、親に何度言われてもしなかったのに……。環境の変化って、人間をこうも変えるのね……)


 何かできることはないかとサトさんに尋ねると、最初は「とりあえずしばらくはゆっくり休んでいて」と断られてしまった。


 けれど、ここで引いては居候として肩身が狭くなる。

 私がしつこく食い下がると、サトさんは困ったように笑った。


「じゃあ、私のお手伝いでもしてもらおうかしら」


 というわけで、今私はこの家の洗濯を担当している。


 当然ながら、全自動洗濯機なんて便利なものは影も形もない。

 それどころか、水道すら存在しないのだ。


 川から汲んできたのか、井戸から上げてきたのかは分からないけれど、冷たい水をタライに張り、洗濯板を使って手作業でゴシゴシと衣服をこすり合わせる。

 これが、笑っちゃうくらい重労働だった。


 すでに腰が痛い……。


(うーん。めちゃくちゃ大変だけど……でも、やることがあるってだけで、なんて安心するんだろう……)


 無心で手を動かしていると、不意に、パタパタと足音が近づいてきた。

 振り返ると、ユキホちゃんがこちらを覗き込んでいる。


「ユキホちゃん! 洗濯機がないからこの時代の家事は本当に大仕事ね。だけど、なんだかちゃんと『仕事してる』って実感が湧いて、意外と楽しいわ!」


「あはは、よかった。……あ、そうだ、タナカさん。これからは、私のことは『ユキホ』って呼び捨てにしてね。平太も、私のことはそう呼んでたから」


 そう言って微笑んでいるが、その瞳はどこか遠くを見ていて、ひどく寂しげだった。


 もともと彼女が持っていた儚げな雰囲気が、さらに濃くなってしまったような、痛々しい静けさ。


 そう言えば、サトさんもカヨちゃんも、平太の話になると皆一様に顔を曇らせ、寂しげな表情になる。


 この家の家長である源蔵さんに至っては、朝食の席にも姿を現さず、部屋の奥の布団から出てこなかった。


 体調が悪いのかとサトさんに小声で尋ねたら、どうやらあの決壊した橋は、源蔵さんが主体となって作ったものだったらしい。


 源蔵さんは事故の責任をすべて一人で背負い込み、ここ数日間ずっと塞ぎ込んでいるとのことだった。


 時折、奥の部屋から「俺の責任だ……」「平太、すまん、すまん……」と、悪夢にうなされるような声が漏れ聞こえてきて、居たたまれない気持ちになった。


「……うん、わかったわ。これからは『ユキホ』って呼ぶね」


 私がそう言うと、彼女は小さく頷いて、そのまま母屋の方へ戻ろうとした。


「あの、ユキホ! ちょっと聞いていいかな?」


「なあに?」


 呼び止めると、ユキホが振り返る。

 やっぱりその表情には、暗い影が落ちている。


「平太のことなんだけど……。あいつ、この世界で一体何をやらかしたの? どんな風に過ごしていたのか、教えてほしいの」


 私が尋ねると、ユキホはトコトコと私の足元へ近づいてきて、その場にちょこんとしゃがみ込んだ。


 そして、膝を抱えながら、平太がこの世界で残したという数々の「功績」を、ぽつりぽつりと語り始めた。


 まず、隣の集落にいた、わがままで有名だった「お蘭ちゃん」という女の子を、素直な良い子に更生させたこと。


 次に、川の対岸にある荒れ果てた土地の開墾を、あり得ないほどの短期間で成功させたこと。


 しかもその開墾は、本来なら敵であるはずの「山の賊(野盗)」の力を借りて成し遂げたものであり、平太はその賊たちを更生させ、開墾地で真っ当に暮らす権利を村の名主に認めさせたということ。


 さらに、その元野盗のリーダーたちは、今や平太の『家臣』のようになっているということ――。


(いやいやいや、すっげえな平太!! 一体全体どうやってそれを成し遂げたのよ!?)


 完全に、ラノベのチート主人公のムーブじゃないか。

 あの男、ただの冴えないおっさんにしか見えなかったのに、異世界適応能力が高すぎる。


(……待てよ? 昨日、ユキホは私がこの世界に来た使命について『今は言えない』って濁していたけれど……。もしかして、この平太の意志を継いで、この村や領地を発展させることが私の役目なんじゃ……?)


 急に背負わされた(気がする)役割の重さに冷や汗を流しつつ、私は提案した。


「ねえ、ユキホ。そのお蘭ちゃんとか、権左衛門さんとか、平太が深く関わった人たちに、一度会わせてもらえないかな?」


 私の言葉に、ユキホは黙って小さく頷いた。

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