表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺を異世界に飛ばした美少女巫女が、ウー○ーと○郎を貪り食ってふっくら戻ってきた ~コンビニケーキから始まる戦国異世界生活  作者: 蜜朗
第2章:ふっくら巫女と推しの制服 〜現代フードで野盗を手懐ける村おこし〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/50

第31話 「お湯を入れて、百八十秒でできあがるわ!」 〜驚愕する夫婦と、ドヤ顔の我が娘(仮)

「ん? 助けるって、どうやってさ」


 俺が言いながら振り返ると、ユキホは両手の親指と人差し指で「輪っか」の形を作り、バチンと完璧なウインクを決めてみせた。


(うわ、何そのアイドルみたいな可愛い仕草……。あ、そうか。お得意の『光の輪(アイテム出現エフェクト)』のことね)


「朝秀さん、志乃さん。ちょっとまた後ろを向いてもらっていいですか?」


 俺がインベントリを開こうとすると、ユキホが俺の隣にちょこんと座り、呆れたように言った。


「もういいわよ、それ(後ろを向かせるの)。今回は私がやるわ」


「えっ?」


 ユキホがフッと微笑むと、彼女の大きな黒目がさらに一回り大きくなる。

 目の前に小さな光の輪が出現し、数え切れないほどの「発泡スチロールのカップ」が山積みになって具現化した。


 ――これって、間違いなく某超有名カップ麺じゃん……。


 しかも、醤油、シーフード、カレー、チリトマトまである……。


 朝秀さんと志乃さんは、あまりの怪奇現象に完全に言葉を失い、まさに鳩が豆鉄砲を食ったような顔で目を丸くしている。


「これは『カップラーメン』っていうのよ」


 ユキホは山積みの容器をペシペシと叩きながら、得意げに説明を始める。


「中にお湯を入れて、大体そうね……百八十秒、心の中で百八十まで数えればできあがるわ。すっごく美味しいんだから!」


(ユキホ……お前、カップラーメンも体験済みだったのか。タナカさんめ……)


 唖然とする俺だったが、すぐに気を取り直して朝秀さんたちに補足を入れる。


「ええと……これは先ほどの食料とは違って、かなり塩分や刺激が強いので、当面の間は織之助君には与えないでください。ご両親やツムギちゃんが食べる分には問題ありませんが、あまりこればかり食べすぎるのも体に良くないので、あくまで緊急の食料として使ってください」


 朝秀さんは、恐る恐るその容器を手に取り、信じられないものを見る目で凝視した。


「これが……食物、なのか……?」


「そうですね。お腹は確実に膨れます」


「本当にかたじけない……。なんとお礼を言えばよいか……」


 朝秀さんと志乃さんは、神の奇跡でも目撃したかのような顔で、再び深々と頭を下げた。


「あー。だったらさ、この人たちにも『あれ』を手伝ってもらいましょうよ」


 山積みのカップラーメンを満足げに眺めていたユキホが、名案を思いついたように手をポンと叩いた。


「ん? 『あれ』って何を?」


「あなた、ほんとダメねぇ……。人手が足りないって言ってたじゃない」


(あ、また俺のこと『あなた』って言った……)


「あっ、そのことね。でも……」


 俺が躊躇しているのを完全にスルーして、ユキホは朝秀さんたちに向き直り、テキパキと説明を始めた。


「あのね。この山を下りてすぐのところに、広い土地があるの。いま、ここにいる平太が責任者になって畑を作ろうとしているんだけど、とにかく人手が足りなくて困ってるの。だから、あなたたちにそれを手伝ってほしいんだ」


(おいおいおい、ユキホよ……)


 俺は慌ててユキホの袖を引っ張った。いくらなんでも話が急すぎる。


 この人たちは、村の連中から見れば「盗みを働く山の賊」なんだぞ。

 そんな彼らをいきなりの開墾現場に連れて行ったら、村の男たちがどんな顔をするか。――血の雨が降りかねない。


 だが、俺の心配を他所に、朝秀さんの目がカッと見開いた。


「そんなことであれば! 喜んで手伝わせていただく! いや、ぜひとも手伝わせていただきたい!」


 朝秀さんだけでなく、志乃さんまでもが、何度も頭を下げる。

 もう頭を床に叩きつける勢いだ。


「じゃあ、決まりね! 明後日から来てもらうのがちょうどいいんだっけ?」


 ユキホは「わたし、すっごく良い仕事したでしょ?」と言わんばかりのドヤ顔を俺に向けてくる。


「あはは……。そうだね、じゃあ明後日の朝、現場でお待ちしています……」


 俺は苦笑いするしかなかった。


 まあ、人手不足なのはガチだし……。

 なんだか胃が痛いが、決まってしまったものは仕方ないし、俺にこの空気を壊すのは無理だ……。


 気が付くと、小屋の隙間から見える景色は、さっきよりも一段と薄暗くなっていた。


 朝秀さんたちに見送られながら、俺はユキホとカヨの手を引き、急ぎ足で山道を下りた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ