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俺を異世界に飛ばした美少女巫女が、ウー○ーと○郎を貪り食ってふっくら戻ってきた ~コンビニケーキから始まる戦国異世界生活  作者: 蜜朗
第1章:38歳営業マン、異世界でプレイヤーシステムに目覚める

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第12話 オランダ伝来の菓子(シャ○レーゼ)が暴く、お蘭様本来の姿

 俺はお蘭の方に向き直し、最高に胡散臭い笑みを浮かべた。


「お蘭様。本日は、お話をしに来たわけではありません」


「何? では、何をしに来たのだ」


「本日はトライアル、いや初回お試しとして、お蘭様に相応しい『天上の贈り物』をお持ちいたしました」


「なんだ、早く出してみろ」


 俺は背後に隠していた「至高の苺ショート」を、恭しく彼女の前に差し出した。


「こちら、都でもめったに手に入らない『オランダ』より伝わりし菓子、ケーキにございます。一口食べれば、夢心地になること請け合いです」


 お蘭の名前に合わせて「オランダ」。

 我ながら適当すぎて笑いそうになる。

 多分これはシャ○レーゼ製だ。


「……随分と白いな。なんだ、この赤い果実は。苺か? 苺は酸っぱいから好きではないぞ」


「この苺は天界の蜜で育てられた特別なものです。白き雲のようなちちの塊と共にお召し上がりください。これこそが絶世のハーモニーでございます」


 俺は慣れた手つきでパッケージを開け、彼女に手渡した。


 お蘭はあの夜の少女と同じように、まずクリームをペロリと舐めた。


「……な!?」


 次の瞬間、彼女はなりふり構わずケーキを口へと運び始めた。


 名家の娘としての体裁も、傲慢なプライドも、現代の精製糖の暴力の前には無力だった。


 あっという間に平らげられたトレイ。

 口の周りには白いクリーム。


 完璧な「陥落」の光景。


 ……うん。良い。絶景だ。『ロリセンサー』正常稼働確認。調子が戻ってきたぞ。


 俺はすっかり自信を取り戻し、優しく語りかけた。


「お蘭様。お気に召しましたか?」


「なんだこれは……! 信じられない美味さだ! ……もっとないのか! もっと持ってこい!」


「残念ながら、本日はこれでおしまいです。――ですが。これから私とする『約束』を守ることができれば、またお持ちできるかもしれません」


「約束? なんだ、何でも守るから言ってみろ!」


「今日から、お父様やお母様から『ありがとう』と言われることをしてください。その『ありがとう』という言霊が一定数集まった時、私の手元にケーキが具現化するのです」


「……ありがとう、と言われれば良いのだな?」


「そうです。ただし、約束のことはもちろん、ここで起きたことは誰にも話してはいけません。話してしまうと、契約が無効になってしまいます」


「わかった! 絶対に言わぬ! 父上、母上! 今日から私はお手伝いをするぞ!」


 お蘭は弾かれたように立ち上がり、部屋を飛び出していった。

 廊下の向こうから、「何かやることはないか!」と騒ぐお蘭の声が聞こえてくる。


 しばらくすると、入れ替わりで権左衛門が入ってきた。

 俺は慌ててケーキの空き容器を懐に隠す。


「お主、一体どんな術を使ったのだ?」


「あはは、それは私とお蘭様の秘密です。お蘭様に聞いても、教えてもらえないと思いますよ」


 権左衛門は一瞬訝しげな顔をしたが、すぐに、その場に深々と頭を下げた。


「感謝する。お蘭があんなに明るい顔で私に駆け寄ってきたのは、一体何年ぶりだろうか。表情が、まるで別人のようだ」


 親バカだな、としみじみ思う。

 だが、それこそが俺の狙い目だ。


「いえいえ。あれがお蘭様本来のお姿です」


 権左衛門が顔を上げ、真剣な眼差しで俺を見た。


「褒美……いや、礼がしたい。何か望みはあるか? わしのできる範囲なら、最大限の礼を尽くそう」


 ほう。褒美なんてもらえるんだ。

 って、そもそも今件は橋建設の資材問題解決のための作戦だった……ぶっちゃけ、途中から忘れたが。


 褒美ねえ、あっそうか。とりあえず懐柔して――なんて思ってたけど、そんなまどろっこしいことする必要ないじゃん。


「では、一つだけ、お願いがございます」


「遠慮なく言ってみよ。わしのできる範囲に限られるが最大限の礼は尽くすぞ」


「できる範囲はおろか、権左衛門様でなければできないことになります。ちょっとお耳を」


 俺は権左衛門に歩み寄り、耳元で囁いた。


「……わかった。わしだけで決められることではないが、善処しよう。いや、必ず話をつけてみせる」


 権左衛門は力強く頷き、部屋を出ていった。

 一人残された畳の上で、俺はふう、と息を吐き出した。


 ◇


 現場に戻ると、親方が血相を変えて駆け寄ってきた。


「おい平太! お前、権左衛門に何をした!」


「何って、何か聞きましたか?」


「資材だよ! あの山の木、俺たちも切っていいようにあいつが話をつけるって言ってきやがったんだ! ……お前、あいつにどんな呪いをかけた!」


「呪いなんて人聞きの悪い。都の、最新のコンサルティングですよ、親方」


 俺は親方の肩を叩き、夕日が差しつつある山を眺めた。


 おそらくこれで橋は架かる。

 カヨちゃんが売られることもない。


 しかし今回は上手くいった。

 上手くいきすぎた。


 だけど、なんだこのケーキ?


 そういえば、異世界転移ってチート能力がつきものだもんな。

 その能力で無双ってのがお決まりだし。


 だとすると、俺のチート能力って「ケーキを出すこと」なの?

 それで無双しろってこと?


 ケーキじゃ、せいぜい少女を喜ばせるのが関の山だってば……。

 あっ、でも俺的にはそれが一番欲しいか。


 でも、それって無双なの?


 この物語のタイトルって、ひょっとして『戦国少女無双』?


 となると、俺は『戦国少女無双』の主人公になるのか……嬉しいような、なんだか複雑な気分。

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