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俺を異世界に飛ばした美少女巫女が、ウー○ーと○郎を貪り食ってふっくら戻ってきた ~コンビニケーキから始まる戦国異世界生活  作者: 蜜朗
第1章:38歳営業マン、異世界でプレイヤーシステムに目覚める

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10/50

第10話 令和のハッタリ営業。名主を釣ってトライアル契約を勝ち取れ

翌朝。

 昨日より荷車が重い……。


 積まれた材木が増えたせいか、あるいは単純に蓄積された疲労のせいか。

 だが、今の俺の心は、かつてないほど澄み渡っている。


「……ふっふっふ。漲る、漲るぞ……!」


「おい平太、朝っぱらから不気味な声出すんじゃねえ! ……つーか、お前今日妙に元気だな」


 前をいく親方が、肩越しに怪訝そうな視線を投げてくる。

 無理もない。昨日までの死に体とは打って変わって、俺の足取りは軽快だ。


 理由は明白だ。

 昨夜、俺はついに「二度と同じ過ちは犯さない」という誓いの末、念願を果たしたのだ。


 苦節だいたい二ヶ月。

 サトさんから、絶妙なタイミングで勝利の合図を導き出すことに成功したのだ。


『平太さん、次いいわよ』


 そう。

 カヨちゃんの「直後」という、この世界における最高ランクの湯船を確保したのだ。


 カヨちゃんの純粋成分が微細に溶け込んだであろう、濃厚な『聖なる湯』。

 昨晩はその温もりに全身を委ね、細胞一つ一つにその神聖なエネルギーを染み込ませている。


(……フルチャージだ。これが真のリカバリー、真のドーピング……!)


 普段の仕事なら「明日でいいや」と先延ばしにするような案件でも、今の俺にはカヨちゃんパワーという最強のインセンティブがある。


 今日、俺は仕留める。

 カヨちゃんの未来を脅かす、あの強欲親子を。


 ◇


 現場に到着するなり、親方は一息つく間もなく作業に取り掛かる。

 俺の役割は相変わらずの「見習い以下」。

 親方の指示を待ち、迅速に道具を差し出すだけの簡単なお仕事だ。


 なるべく体力を消耗させないよう効率的に、それでいて親方の雷が落ちない程度の「やってる感」を演出することに精を出す。


 宿場町であるこの街は、驚くほど人が多い。

 仕事の合間、俺は街道を行き交う人々に紛れる「素材」のチェックを欠かしてはいない。


 清楚な町娘、少しお転婆そうな農家の娘……。

 すでにこの街の主要な少女たちの分布と属性は概ね把握済みだ。


 今はより深く、彼女たちの日常の所作から「真の価値」を見出す、高度な考察フェーズに入っている。


(……ふむ、あっちの娘は活発属性だが、歩き方に少し品がある。さては良家の娘か、あるいは……)


「おい平太! 墨壺だっつってんだろ! どこ見てやがる!」


 親方の怒声で現実に引き戻される。

 いかんいかん。


 今はターゲットの隙を炙り出す、極めて実務的な「フィールドリサーチ」の真っ最中だった。

 他の素材(少女)情報収集にリソースを割きすぎて、商機を逃しては元も子もない。


 ◇


 やがて、昼の休憩を告げる鐘が鳴った。


 俺はサトさんが握ってくれた、まだ微かに温かいおにぎりを頬張る。

 質素だが、噛みしめるほどに米の甘みが広がるこの「聖なる施し」を食べていると、ついに奴らが現れた。


 屋敷の奥から、大きな腹を揺らしながら歩いてくるのは名主の権左衛門だ。

 そしてその傍らには、鮮やかな紅色の着物を引きずり、退屈そうに唇を尖らせた少女――お蘭。


 お蘭は、まさに「我儘」を煮詰めて受肉させたような存在だった。

 石を蹴り飛ばし、気に入らないことがあれば父親の着物を引っ張って喚き散らす。


 権左衛門はそんな娘を、目に入れても痛くないといった様子で溺愛していた。


 だが、俺は見逃してはいなかった。


 溺愛し、甘やかしてはいるものの、お蘭の度を超えた要求に対し、権左衛門には一瞬だけ、深い疲労の色が浮かぶ。

 なだめても、機嫌を取っても、彼女の「退屈」という乾きは一向に癒えない。


 その徒労感が、権左衛門の心の防壁に小さな亀裂を作っている。


 突破口はそこだ。


 権左衛門は、源蔵さんを見るなり、いつものようにちょっかいを出し始めた。


「今日もまた握り飯だけか? 毎日毎日飽きもせず、よくそんな飯で働けるな。これだから田舎の職人は困る」


「うるせえ! 俺にはこれが最高なんだよ」


 ……やれやれ。

 毎度中身は小学生の言い合いレベルだ。

 だが、タイミングとしては完璧だ。


 俺は最後のおにぎりを飲み込むと、すすにまみれた見習いの顔を、一瞬で「エグゼクティブ・営業マン」のものへと作り替えた。


 ゆっくりと立ち上がり、俺は権左衛門に向かって、この時代にはあり得ないほど洗練された角度で一礼する。


「こんにちは。名主様」


「誰だお前は。……ああ、源蔵のところの下男か。なんの用だ、汚らわしい」


(汚らわしいってひどい……)


「用と言いますか、少し感銘を受けまして。お隣の──お嬢様ですね? 驚きました、なんとも活発で、そして溢れんばかりの可愛らしさをお持ちだ」


 営業トークの基本、まずは相手の最も大切にしている「資産」を褒めちぎる。

 ただ今回は嘘ではない。少女ロリ好きの俺からすれば、お蘭の素材の良さは紛れもない事実だからだ。


「ほう。……ふん、お前、見かけによらず目が高いな。そうだ、お蘭はわしの宝よ」


 権左衛門の顔が、「親馬鹿丸出し」に緩んだ。

 やはり、ターゲットの価値観を肯定するのは営業の基本中の基本だ。


「名主様。不躾ながら……実はお困りごとはございませんか? 差し出がましいようですが、大切なお嬢様が、少々『退屈』を持て余していらっしゃるように見受けられましたので」


「困っていること? ……お前のような汚い身なりの若造に何ができるというんだ」


 鼻で笑う権左衛門。

 だが、ここからが本番だ。


「私、かつて都会……都におりました折には、子供に関わる仕事に従事しておりまして。お子様についての困りごとであれば、お力になれるかと思いまして」


「都だと……?」


 都というワードが出た瞬間、権左衛門の目の色が明らかに変わった。

 やはり、都の流行りというブランドは、田舎の権力者にとって喉から手が出るほど魅力的なステータスなのだ。


「子供に関わる仕事だと? そんなもの聞いたこともないぞ。子守りの類か?」


「いえいえ。京都では近ごろ多いのですよ。お子様の個性を伸ばし、さらに『良い子』へと導く仕事……いわば、将来の貴婦人を育てるための手助けです」


「京都のやり方というやつか……」


「左様でございます。……宜しければ、お試しになりますか?」


「面白い。お蘭の気性には、わしも手を焼いておる。そこまで言うなら、一度やってみせよ」


 ……よし、落ちた。

 まずはトライアル契約成立だ。

 俺は心の内で小さくガッツポーズを決める。


 権左衛門が「ならば期待しているぞ」とでも言いたげに鼻を鳴らして、屋敷の奥へと引き上げていった。


「……お前、京都から来たのか」


 背後から、低く地を這うような声。

 振り返ると、じっと俺を見つめる親方の姿があった。


「いやぁ、親方。……来たというか。その、働いていたことがあるというか……」


 俺は愛想笑いを顔面に貼り付け、曖昧な言葉でお茶を濁した。


 営業マン時代、京都の支店に数ヶ月応援に行ったこともあるし……文脈が致命的に違うだけで。


 親方は、値踏みするように俺の顔を数秒間見つめていたが、やがて「ふん」と短く鼻を鳴らした。


「……まあいい。好きにしろ」


 それだけ言うと、親方は何事もなかったように、いつもの調子で木材と向き合い始めた。


 親方は納得したのか、それとも「この流れ者には、追求しても仕方のない過去がある」と割り切ってくれたのか。


 ……危なかった……。

 これ以上嘘を重ねると、後々厄介になりそうだな。


 正直、ここから先は完全にノープランだが、少女のご機嫌を取るなんて、ロリコンの俺的には朝飯前だ。


 ……あれ? そんなことしたことあったっけ?

 俺がこれまでご機嫌を取ってきた少女は、全て画面の中……ゲームに登場する少女たち……。


 いや、まあ似たようなもんだろ。

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