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インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


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93/121

episode 092

 男は、自らに問い掛けていた。


(まだ……保つのか?)

(否、既に限界を迎えている)


 行き場の無い、数多の呪いの言葉が、蠢きながら辺りを彷徨っている。


(あの、ガキどもだ)

(あいつらのお蔭で、大事な餌場と非常食用の倉庫を失った)

(いや、憎むべきはこの身体。なぜこんな半端なものになってしまったのだろう)

(しかも、これを維持する為に、限られた餌から一定量の『あれ』を摂取しなければならない)


 最初は、そんなに頻繁なものではなかった。

 儀式のおこぼれ程度で、充分に足りていたのだ。

 しかし、日が経つにつれて、その感覚は徐々に縮まって来た。

 非常食では違和感が残る為、儀式に関わらず本物を啜ってみたが、一向にそれは収まらない。


 今日は前回の摂取日から6日目、感覚上ではもう10日以上絶食している気がする。


(……どうする?)

 男は、自分に問い掛けた。


 今の状況は、非常にマズい。

 しかし、今週から餌の周りには常に警備が置かれている事も、認識していた。


「……暫く待つか」

 じっと目を閉じた彼は、ポツリと呟いた。


 機会は、やがて自ずとやって来る。

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