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episode 092
男は、自らに問い掛けていた。
(まだ……保つのか?)
(否、既に限界を迎えている)
行き場の無い、数多の呪いの言葉が、蠢きながら辺りを彷徨っている。
(あの、ガキどもだ)
(あいつらのお蔭で、大事な餌場と非常食用の倉庫を失った)
(いや、憎むべきはこの身体。なぜこんな半端なものになってしまったのだろう)
(しかも、これを維持する為に、限られた餌から一定量の『あれ』を摂取しなければならない)
最初は、そんなに頻繁なものではなかった。
儀式のおこぼれ程度で、充分に足りていたのだ。
しかし、日が経つにつれて、その感覚は徐々に縮まって来た。
非常食では違和感が残る為、儀式に関わらず本物を啜ってみたが、一向にそれは収まらない。
今日は前回の摂取日から6日目、感覚上ではもう10日以上絶食している気がする。
(……どうする?)
男は、自分に問い掛けた。
今の状況は、非常にマズい。
しかし、今週から餌の周りには常に警備が置かれている事も、認識していた。
「……暫く待つか」
じっと目を閉じた彼は、ポツリと呟いた。
機会は、やがて自ずとやって来る。




