episode 091
「犠牲者……」
ここで、春都は昨日冬流と夏純から聞いた話を思い出した。
旧小学校の視聴覚室に大量の北野鍾子がいた。
しかも、全員が死人のようである。
(拝島が遺伝子操作をして、彼女のクローンを大量生産したのだろうか?いったい何の為に?)
『獣祠道……デスカ?』
ナタリーが聞いた。
どうやら、春都の思考を読み取っていたらしい。
「なるほど、それなら納得がいく」
春都は頷いた。
学年ナンバー1の頭脳がコピー出来れば、無駄な殺生を繰り返す必要は無い。
おそらく、獣祠道の儀式もスムーズに執り行うことが出来るだろう。
「という事は……敵は少なくとも100以上居るって事だな」
春都はぞっとしないものを覚えた。
同時に、新たな疑問が沸き上がってくる。
「待てよ……脳が100個相当あるという事は、交換相手となる獣も少なくとも100匹以上は確保しなければいけないのでは?」
そのとき、彼は思い当たった。
多数の獣を比較的安易に入手する事が可能で、完成した人獣を極秘裏にストック出来る場所。それは……
『コノ辺デハ、タダヒトツデスネ』
春都の思考を読み取ったナタリーも、彼に同調した。
「ああ」
春都の表情が険しくなった。
「ナタリー、至急該当地区の周辺道路地図とガイドマップを入手してくれ!」
蔵敷が置いていった段ボールの封をザッと開けながら、彼は言った。
「決戦は明日の深夜。2000頭相手の作戦がスタートだッ!!」




