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episode 089
「随分と派手にやられたなあ」
全身に擦り傷を作っている2人を見た春都は、思わず苦笑していた。
「面目無い、ててっ!」
絆創膏を無理やり剥がした冬流が、痛みに思わず顔をしかめる。
「ああ、また証拠が逃げて行った……」
心底悔しそうな夏純は、木刀を構え直して春都に状況を報告した。
「確かに、北野鍾子が100人居たんだ。それも皆んな死人みたいだった」
「死人とは……具体的に?」
「衣料品売場によくマネキンが立っているだろう?あんな感じだったよ」
傷の手当てを終えた冬流も、報告に加わっていく。
「血が通っていない……カラクリ人形またはアンデッドのようだったな」
「ふむ……」
思考の海に沈み始めた春都に構わず、夏純は髪の毛を掻きむしって言った。
「ああ!これが愛唯なら写真の一つも撮ってくれたのに、よりによって信用度ゼロの左巻きしか居なかったから」
「おやおや、ヒキガエルのような叫び声を上げていたのは誰だっけ?」
「るせー!」
(結論を出すには、まだパーツが揃っていない)
いつもの取っ組み合いが始まった中、春都は腕組みをしたままじっと考えを巡らせていた。




