表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インベンションマン|Invention-Man  作者: 黒珈|くろこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
118/121

episode 117

『……ナ・メ・ル・ナァ!!!!!!!!!!』


 次の瞬間、怪鳥の全身が眩いばかりの光に包まれた。

 ライオン達が取りついている身体の表面が、ゴボリと盛り上がってくる。


「やばい、みんな離れるんだッ!!!」

 そう叫んだケビンの首根っこを、誰かが掴んだ。

 そのまま彼の身体は、後方に大きく放り出されていく。


 次の瞬間……

 不死鳥の身体から、数えきれないほどの金色の羽根が高速で発射された。

 至近距離でそれを受けたライオン達は皆、身体の急所を貫かれ、もんどりうって地面に倒れていく。


 物理的な距離が空いた事から軽傷で済んだ春都は、自分を投げ飛ばした相手に向かって駆け出した。


「ダーハ!!!」

 金色の羽根槍で貫かれ、血まみれになっているダーハは、そのどれもが致命傷と言えるレベルの中、気力だけで踏ん張っていた。


『生きていたか、小僧』

 彼はため息を吐くように言った。

 ゴフッと咽せた口元から、紅い血の塊が飛び出してくる。


「何故、俺を助けた?」

『俺たちより全然弱いのに、独りで無茶をしていたからだよ』

 ダーハは、心底愉快そうに笑った。

『だが、こちらも仲間は全滅状態、俺もこんなザマだ。後はお前に頼るしかなさそうだな』

 彼の瞳に宿る光が、急速に力を失っていく。

『多くの命と引き換えに作ったチャンスだ……頼んだぜ、発明家』

 その場に立ち尽くしたまま、彼は動かなくなった。


 無言を貫いたまま、ケビンはぐるりと振り返る。

 不完全体にもかかわらず最大兵器を使った反動から、一段と組織の崩壊に拍車が掛かっている不死鳥に向けて、怒りに震える身体を宥めながら近付いていく。


 その時、彼の耳元に甲高い電子音が鳴り響いた。



『いんべんしょんもーど解除、コレヨリ「ぷろぐらむげんない」ヲ発動サセマス』


 次の瞬間、彼の身体は七色の虹に包まれた。



 既に、イマージングが持続可能な10分は経過していた。

 しかし、全身から発せられた眩い光で紡がれた『金色の衣』を纏ったケビンは、確かに存在していた。


『グアッ?!』

 異常な気配を察した不死鳥は、身体の一部がどんどん腐り落ちているにも関わらず、再び悪魔の羽根を発射すべく己の表皮を逆立て始めた。

 そんな中、目を閉じて立っていたケビンは……やがて、静かに呟いた。



【……ゾオン……A|Z】



 その言葉がこぼれ落ちるよりも早く、彼の身体は陽炎のように瞬き、空中へと消えていく。

 と同時に、怪鳥の背後に位置する場所で空間の歪みが発生したかと思うと、先ほど消えたばかりのケビンの姿が実体化してきた。


 そして彼が通り過ぎた空間は、物理学等を遥かに無視・超越した動きの影響を受け、ズタズタに引き裂かれていた。


 勿論、その間にいた不死鳥も無事では済まない。

 空間ごと無残に引き裂かれた怪鳥は、断末魔の叫び声を上げて自ら発した火球の中へと包まれて行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ