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断罪される悪役で当て馬な仔ブタ令息に転生した僕の日常  作者: 藍生らぱん
第三部

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第5話 ダンジョン始めました 4

 

**アンディ視点**


フルール王国の王立学園に入学して数か月が経った。

入学した頃は、シャルルたちと離れて一人だけフルール王国の学園に通うのが寂しい――と思うようになるなんて思いもしなかった。


格好、というか見た目だけは理想の男に見えるように魔道具やメイクで変えることができるようになった。

女子にキャーキャー言われるようになって、俺の周りは賑やかになっているというのに、側にいないシャルルのことが心配で仕方ない。


女子だけでなく、次の神槍の担い手になると評判の、騎士科で一番強い先輩・イーサンにも目をかけてもらっている。

イーサン先輩は、何かにつけて細々と俺を気遣ってくれるいい先輩だ。

そして先輩の気遣いは、前世の親友・ジャンを彷彿とさせる。

背恰好や体格、性格も全く違うのに、なんというか・・・甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるところがそっくりなんだよな。


シャルルの護衛の時にジャンとは時々会うが、俺の前世がアンドラーシュだとはバレていない。

たまにバーナードから訝し気な眼差しを向けられるが、あいつは昔からジャンが好きすぎて狭量だったから、バレたら面倒なことになりそうだ。


そう言えば、シャルルってジャンが小さい頃によく似てて可愛いよな。

前世でジャンに初めて会った時、ジャンは自分の姉とお揃いの格好をしていたんだ。

だから「なんて可愛い女の子なんだろう!」って、前世の俺はジャンにドキドキしたことがあった。

後で男だと知って、俺の初恋は空しく散ったのだが・・・


シャルルと初めて会った時はジャンが小さい頃に似ていてビックリしたが、耐性ができていたし、男子だと事前に知っていたから、ジャンに出会った時の二の舞いは避けられた。


シャルルは俺が護るべき唯一無二の存在で癒しだ。

前世では「勇者」になって「世界一可愛いお嫁さん」を迎えるのが俺の理想で夢だった。

今世は身も心も「男」に戻って「勇者」になって「シャルルを護る」のが目標だ。


でも、もし前世で命を落とさなかったら可愛いお嫁さんを貰って、シャルルのような可愛くて頑張り屋さんで優しい子供がいたのかもしれないよな。


――そうか、俺がシャルルを思うこの気持ちって、父性なのかもしれない!! 生きていたら35歳のおじさんだったはずだし、シャルルくらいの年頃の息子や娘の一人や二人、できていたかもしれないもんな。

それに前世の年齢に今の年齢をプラスしても30過ぎてるから、シャルルに対するこのほんわかとした温かい気持ちは絶対に「父性」に違いない!


そう、思ったら、余計にシャルルの護りに拍車がかかってしまった。

護衛で一緒にいられる時間は週末だけだし、少しくらい過保護になるのも仕方ないよな~と、移動の時は率先して抱っこをした。

シャルルの体力を温存できるし、俺も筋トレになるし、一石二鳥!


そう、俺は他の仲間たちや、今世の俺の曽祖父であるハヤトじいさんとケント大叔父さんたちまでもがシャルルを過保護にしていたことに気づかなかった。

まさか普段から他のみんなもシャルルを抱っこで移動させていたなんて・・・

いや、だって、小さいし可愛いからさ、ついつい抱っこしたくなるんだよ。

多分他のみんなも、あの可愛さに庇護欲が沸いてしまって我慢できなかったんだろうな。

でも、それがシャルルの成長の妨げになっていたなんて・・・反省しないと・・・


ダンジョン初日、頑張りすぎてクタクタになったシャルルを先代様が抱っこで隠し部屋まで運んで下さった。

先代様のように、本当に動けなくなってから運んでやるようにしていればもっと体力がついてたはずなんだよな。


夕飯時はみんな心の中で反省会をしていたようで、普段ムードメーカーのオスカーも口数が少なかった。

これからは、先代様のように心を鬼にして・・・いや、シャルルを追い込むんじゃなくて、自分の自制心を鍛えなくてはいけないな。


「アンディ、シャルルを寝袋まで運んでやってくれ。」

「はい!」

先代様から、ウトウトしだしたシャルルを運ぶ許可が出たので、俺はそっとシャルルを抱き上げて、テントの中にある寝袋まで運んでやった。


「明日もたくさんモンスターを倒せるように頑張ろうな。」

「うん・・・ありがと・・・アンディ君。」

「お休み。」

「おやしゅみなしゃい・・・」


すぐに眠ってしまったシャルルの寝顔が可愛くて、ついついおでこにキスしてしまったが、「お父さん」ならおでこにキスくらいするよな?

俺が今世の父親であるベルナールにおでこにキスをされたら思わず殴ってしまうかもしれないが、俺がシャルルにする分にはセーフだよな?

再従兄弟でもあるから赤の他人じゃないし、気持ちは「お父さん」だし!



――――――――――


今世は女子だから「母性本能」入ってるはずなのに、頑なに「父性」を強調するアンディ君なのでした。



**おまけ・攻略対象者イーサン君と一応ヒロインであるアンディ君の現状**


初めてアンディを見た時のイーサン

 「女子だ!」

 イーサンは野生のカンでアンディが女子だと看破した。


初めてアンディの模擬戦を見た時のイーサン

 「強い女子! なんて美しい剣技なんだ!」

 イーサンはアンディの剣を振るう姿に惚れた。


初めてアンディと模擬戦をした時のイーサン

 「強いぞ女子! お前と戦うのは楽しい! 俺の嫁になれ!!」

 イーサンは自分と互角に戦えるアンディを公私共に自分だけの相棒(バディ)にしたいと思った。


模擬戦の時に初対面のイーサンからプロポーズされたアンディの返事

 「俺、嫁になるより嫁が欲しいから、無理!」

 アンディは庇護欲をそそる可愛らしい癒し系の女子が理想のお嫁さん。

 見た目だけはジャンとかシャルルが実は好み。

 「でも、男子だからないな、残念!」と思っている。

 ジャン姉でシャルル母はもろ好みだったが、前世で知り合った当初からテオドールと婚約してたので早々に諦めた。


★イーサンの攻略情報★

 イーサンは強い女子が大好き。

 イーサンの好感度を上げる為に毎朝5時に起きて走り込みと自主トレをしよう。

 騎士科の模擬戦でベスト4以内になってイーサンと対戦しよう。

 冒険者ランクをB以上に上げよう。

 剣士レベルを30以上にレベルアップさせよう。

 聖剣か神剣の所持者に選ばれよう。

 イーサンの神槍になるかもしれないグングニルの好感度を上げる為に雷魔法を覚えよう。

 上記の条件を満たして、某漫画の雷鬼娘のコスプレをすると好感度がマックスになって攻略完了(ハッピーエンド)♪


雷魔法とコスプレを残して他はクリア済みなアンディ君なのでした。


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