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丑三つ時

何処の学校にも七不思議やそれに類する伝説が存在するもの。

音楽室の肖像画や美術室の石膏像が夜な夜な実体化して動き回るとかある校舎の階段の段数が日によって一段多かったり少なかったりするとか封鎖されている筈の焼却炉の煙突から煙が立ち昇るとか枚挙に暇が無いほどに種々雑多な噂が自然発生し実しやかに語り継がれている。

さて前置きはこの位にしておいて現状を説明しよう。

時刻は深夜二時を回ったところ。

場所は日中でも誰一人使用していない旧校舎。

目的は怪談の真相究明。

言っておくが化け物を怖がるような人間でも肝試しを立案するような人間でもない。

ただのべつ幕無しに話しが続く教員会議でうつらうつらしている内に一人暮らしで独身だから時間の融通が利くだろうと判断されて面倒を押し付けられたに過ぎない。

件の怪談の内容はと言えばその昔旧校舎の屋上から飛び降り自殺した生徒の霊が午前二時半になると屋上に姿を現すというもの。

今年に入ってからもそれらしき人影を目撃した人物が何人も居るのだとか。

古参教員曰くその通りの方法で自殺した生徒が過去に居たことは事実なのでそこから尾鰭が付いたのだろうとのこと。

何にせよ事態を把握しておかなければ学校側の責任問題になるので早く済ませてしまおう。

時刻は丁度二時半。

旧校舎の屋上へ出る扉の取っ手を回す。

扉を開けたらその先には何も無くてそのまま落下してしまう。

落下しながら噂の真相はこういうことかと気付くと同時に学園側の隠蔽体質から推し量るに自分の死体は過労によるストレスから自殺したとして処理されるだろうと踏む。

ここで目が覚めた。

異端分子の排除に懸ける群集心理の力は恐ろしい。

皆さんも閉鎖的団体組織にはご用心。

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