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雪道
灰色の空から雪がしんしんと降り続けている。
目の前にはまるで昔話から抜け出たような菅笠蓑姿の老人が黙々と歩を進めている。
背中は深く丸まっているが健脚で早足。
遅れて置いて行かれまいと慣れない雪道を必死で歩いている。
周りに人家はなくすっかり葉を落とした木々が茂っているばかり。
段々風が強まり視界が悪くなっていくが見失うまいと懸命に脚を動かし続ける。
そこへこれまでに無いほど強烈な突風が吹く。
思わず両脚を踏ん張り身体を後ろへ反らす。
再び前を向いた時視界から老人の姿は消えている。
喉が嗄れるかと思うぐらい待ってとかどこにいるとか叫んだが返事は無い。
足跡も吹雪がすっかり消してしまっている。
立ち止まっていても埒が明かないので前進することにする。
暫くして川岸に辿り着く。
飛び石伝いに渡れそうなのでそうすることにする。
川の中程まできて後半分で渡れそうだと思いつつ次の石へ跳躍しようと右足に力を入れた途端その石がぐらつきバランスを失って川へ落ちてしまう。
川は見た目以上に深く水は身を切るほど冷たい。
水から上がろうと飛び石を探したがさっきまで在ったそれはどこにもない。
岸まで泳ごうとするものの意識は次第に遠退いていく。
ここで目が覚めた。
何だか目標に向かって愚直に禁欲的な努力を重ねてきたのに突然横から梯子を外されたような気分だ。




