現代民俗学
それでは講義を始めます。
まず導入として民俗学とは何ぞやということについてお話しさせて頂きます。
簡単に申し上げますとその土地その集団の中で伝統的に受け継がれて来た独自の文化を伝承などを手掛かりに研究していく学問であります。
こう説明致しますと何やら小難しい学問のように印象を受けられる方も居られるようです。
確かに研究者の中には寺社や旧家を訪問調査し文献を紐解きつつその地に古くから住まうご長寿人に聞き取りを行い話の裏付けを行う向きもございます。
しかしこの講義ではその様な堅苦しいことは抜きにして進めて参ります。
この講義の味噌は何と申しましても講義名にも挙げて居りますが現代を標的としているところにあります。
大して勿体付けるほどのことではございませんので直ぐに肝点をお話し致しましょう。
要するにですね今皆さんが日々営まれている生活に探究の光を当てて行こうとまあこういう次第になる訳でございます。
普段何気なしに行っていることにあえて疑問を投げ掛けたり反論してみたりしながら皆さんを取り巻く現代民俗の諸相を浮かび上がらせて行こうとそう考えて居ります。
それでは早速本題に移りたいところですがその前にこの講義の成績評価等についての諸注意を申し上げて置きます。
この講義は出席を取ったりですとか小テストや期末考査を行ったりといったことは一切致しません。
この後今年度のテーマを発表致しますのでそれについての小論文を最終講義終了までに提出頂ければそれで結構でございます。
そういうことですので講義の方は論文の手掛かりが欲しい方だけ聴講して頂ければ宜しいと考えて居ります。
また締め切りを守られない方は来年度再受講して頂きます。
単位不足で卒業出来ないと内定を取り消されると訴える学生が毎年少なからず居られますがこの講義では一切救済処置は致しませんので悪しからずご諒解下さい。
これはこちらの私観ですが提出期限を遵守出来ないということは社会人として十全に能力が涵養されていない証拠だと思います。
それでは本題に移りましょうかね。
ここで目が覚めた。
大学の学部生三年目に就職活動をせずに助手になったことへの未練が見せたのだろうか。




