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GFfA  作者: あごだしからあげ


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第十二話「The Silent Line」

 政府首都アルマ 中央残骸

『やあ、独立傭兵セレス。僕だよ、パーシュパタの、パープルだ』

「待ちくたびれたぞ」

 セレスが大穴から出て、夜空を見上げると、既に空の果てに大群の空中戦艦が見えた。

『約束通り、君を殺しに来た。全てのギルド勢力の名の下に、僕たちの作った規範を破壊せんとする君を』

「ああ、楽しみだ」

 セレスが残骸から外に出ると、紅葉に紛れて横にホワイトが現れる。

『お久しぶりですね、セレス。

 こちらも約束通り、あなたのサポートに参りました。

 共に……ギルド勢力を撃滅しましょう』

 セレスがホワイトへ視線を向けるが、彼はこちらへ身体を向けているどころか正面を向いて微動だにしない。

「……」

『準備は万全、ですか。

 ふふ、あなたを見ているようです、マイグラント』

 二人が並んで正面を向くと、遠方に見える空中艦隊から容赦のない砲撃とミサイルが飛んでくる。

『では行きましょう。私たちが艦隊を殲滅します。

 あなたは、地上に展開される連合軍をお願いします。

 何にせよ、彼らはあなたの生命が目的です。

 決して油断するのことの無いよう』

 オペレーターの言葉に続き、ホワイトが飛び立つ。

「まだ、足りない。渇いて仕方ない……」

 セレスは両手に蒼光剣を召喚し、降下してくる大量のTA部隊へ向かっていく。


 政府首都アルマ 領空

『マイグラント、世界樹での戦いを思い出しますね。

 あの時よりもあなたは強く、そして私もより強力な武装を開発してきました……

 ええ。彼女の行く末を見届けるために、早急に蹴散らしてしまいましょう』

 前方の艦隊が弾幕を地上のセレスへではなく、正面から急接近してくるホワイトへ向ける。ホワイトは左肩からレーザービットを展開し、艦隊護衛用の空戦TAの部隊をあらゆる方向から狙撃して破壊していく。そのまま爆風の中を突き抜けて高速で飛び抜け、右手の垂直二連マシンガンで上部から弾丸をばら撒き、砲台を破壊しながら艦橋を爆砕し、通り抜けながら左腕の強化パイルバンカーの撃針を発射し、過たずに動力部を貫通して連鎖爆発を起こし、轟沈させる。

『ははっ、相変わらず荒唐無稽な強さだ、ホワイト』

『パープル、残念ですが。ギルドの天下は今日で終わります。

 彼女……セレスの手で』

『それはどうかな、ホワイト。

 こちらは文字通り、最大戦力を彼女に向けている。

 レッドとイエローを退けたのは予想外だったが……いくら彼女と言えど、押し返せる物量ではないよ』

『ふふ……余り例外(イレギュラー)を嘗めないほうがいいと忠告しておきましょう』

『人は、人によって滅びる。神様じゃあるまいし、人間が何かに変異するなんてことは出来ないのさ!』

 より上の高度に展開している艦隊が艦底に装備したプラズマキャノンでこちらを連射してくる。

『マイグラント、やはり船を墜とすにはあれしかありません』

 頷きで返し、左手首を展開して柄を出し、それをそのまま引き抜いて脇差を左手に持つ。プラズマキャノンを躱しつつ、猛スピードで上昇して砲撃とミサイルの弾幕を置き去りにしながら、脇差の刀身に赫々たる炎を宿してリーチを大幅に増強して上昇する勢いのまま一隻を両断して飛び上がる。

『第二、第三艦隊!プランBに展開!独立傭兵ホワイトは第五艦隊を攻撃中だ!』

『マイグラント、構いません。いつも通り、全て破壊し尽くしてください。

 私たちは……この程度では、止められない!』

 勢いのまま向かって左側に展開していた戦艦を横に切り裂き、正面の戦艦を縦に両断して進む。


 政府首都アルマ 外縁

 セレスが強烈な威力の雷霆を先頭のTAに撃ち込み、そこから凄まじい速度で隊列全てのTAを貫いて爆散させる。

「ば、化物だ……!」

「じょ、冗談じゃ……」

「おい早く加勢してく……」

 瞬きの内にTA部隊が壊滅し、爆炎の中をセレスが悠然と歩いていく。

「恐ろしい強さだ」

 眼前に着地したブラックが、コアから朱色の光を漏らしながら、各部の装甲から蒸気を排出しながら姿勢を正す。

「どうやら私は、君のことを見誤っていたらしい。

 君を見るまでは、世迷い言だと思っていたよ。

 全てを焼き尽くす、怨愛の修羅……

 盲目の王から差し伸べられた、滅びの白い鳥……

 人の中から生まれた、例外……」

 上空で空中戦艦が爆散し、火炎とともに残骸が降り注いでくる。

「君の名が知れた時点で殺しておくべきだったな。

 今となっては、全てが遅いが」

 ブラックが少し浮き上がり、背部から六つの大型ビットを展開する。

「この新型で……終わらせる……!」

 左に展開された三つのビットがビームを形成し、大剣を形成する。その内の一本を射出しつつ、残る二本で左右から挟み込むように薙ぎ払う。セレスは蒼光剣で刺突を弾きつつ飛び上がって、ジャンプの最高点で自分を雷霆に変えて急接近し、ブラックは右の三つのビットを使って防壁を作り、雷霆を受け止める。ソードビットをニュートラルに戻し、防壁の前で止まったセレスを狙い撃ち、セレスは光線の照射も関係無しに両手を防壁に突き刺し、強引に割り開く。

「っ……」

 ブラックは即座に後退しつつ、ビットを解除して六機全てでセレスへ連射して牽制し続ける。だがビット防壁が解除された瞬間にセレスが魔力糸をブラックへ打ち込み、一気に接近していく。だが、ビットが戻るより前にブラックとの間に魔力防壁が張られ、セレスが激突して弾き返される。

 同時に、ブラックの周囲に四機のTAが着地する。全員が緑を基調に機体をカラーリングしており、それぞれの兵装が異なる。

「グリーン・アイン。来てくれたか」

 ブラックが先頭に降り立った中量二脚機体にそう言うと、アインはすぐに言葉を返す。

「イレギュラーは排除する。それだけのことだ。いつも通り頼むぞ」

 アインの言葉に続き、右に侍っていた重装備のタンク機体が飛び出しながら両腕のガトリングを乱射する。凄まじい物量の弾幕が張られ、ブラックの後方に降り立った機体の魔法援護によって銃身が冷却され続け、弾丸が吐き出され続ける。

「(弾幕を張りながら轢き殺すつもりか)」

 セレスは弾丸の嵐に晒されながらも全身から蒼光を放って弾丸を弾きつつ、背から大剣を抜いて正面から突っ込んで迎撃する。両者が激突する瞬間にタンクは転移魔法で元の位置に戻り、孤立したセレスへ六機のビット全てが一斉射し、セレスが雷霆になって躱す。

「逃がすか……!」

 アインが飛び出し、左腕の大型刺突盾で雷霆を受け止めてセレスを実体化させ、ブラックの左に位置していた中型四脚機体が両肩の迫撃砲を発射し、アインもろとも着弾させて対魔法フィールドを展開させる。

「今更魔法なんぞに頼るか!」

 セレスが双蒼光剣を生み出してアインの盾を滅多切りにし、全身から沸騰したように蒸気が湧き上がり、空中を蹴って肉薄しながらアインを踏み台にして飛び上がると既に展開されていた大量の魔力糸を引き、その先端に括り付けた蒼光剣で滅多刺しにする。ブラックとアインは咄嗟に狙いに気付いて回避するが、残る三機は回避も許されずに惨殺され、爆散する。

「こいつ本当に人間か……!?」

 アインが驚いた声を上げて離れながら立て直し、セレスは容赦なく魔力糸を括り付けた蒼光剣を投げる。更に囲むように移動してきたビット全てを総身からの闘気衝撃波で粉砕し、蒼光剣が過たずにコクピットを貫く。

「さすが……イレギュラー、か……」

 アインが断末魔とともに爆散し、爆風の向こうから装甲を展開して出力を上げたぶらっくが蹴りで突っ込んでくる。爪先を右前腕で往なしながら左拳、右拳、左アッパーを叩き込んで空中で踏み込んで詰めつつ、左肘鉄でブラックの顔面を強烈に打突する。一切の躊躇い無しに右手に蒼光剣を生み出しながら振りかぶり、反応の追いつかないブラックを袈裟に切り裂く。

「なんて……力だ……」

 止めとばかりに蹴り飛ばされ、空中でエネルギーが暴走して膨れ上がっていく。

「君は……この世界を飲み込むほど……大きすぎる……!」

 間もなく爆散し、跡形もなく消滅する。

 セレスは着地し、微塵も呼吸が乱れていない身体を空に向け直す。タイミング良く、ホワイトが上空で最後の戦艦を撃ち落としたのが見えた。

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