26.最後までエゴでしかいられなかった(エルの視点)
次はアメリアの視点なので、キリがいいところで切る関係上、この小話は短いです。すみません。
――実家から届いた短い手紙を見て、今まで狂っていた頭が一気に戻った。
でもそんな自分が受け入れられなくて吐き気がした。
自分を人間だと思い込んでいた時は幸せだった。
人間のまま、リアさんにとって人間のまま、外に飛び出していなくなりたいと思う。
でも、それはダメだと思った。
リアさんに騙していたことを謝らなくては。
あんな酷い目に遭っていたリアさんを救い出すどころか、追い詰める原因になっていた自分を改めて謝らなくてはならない。
そして、実家は俺にこんな手紙を出すということは、相当深刻な事態となっているのだろう。
戻らなくては。
俺はすぐに実家に帰る旅程を手配した。
すると、2週間後に実家方面に商人のキャラバンが出るから、その護衛の冒険者とともに帰ることとなった。
どうしても、すぐにリアさんに事の次第を説明できなくて、帰る直前に謝罪することにした。
ダメな俺は、どうしてもどうしても自分のエゴで、ミハエルとして軽蔑されるのが受け入れられなくて、事の次第の説明と謝罪は、帰る直前にして、できるだけリアさんからの軽蔑のまなざしを受ける時間を少なくする選択をとってしまった。
俺は本当に自分の事しか考えない馬鹿だと思う。
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最後に中ボスをクリアしたい、と告げるリアさんにデレデレして冷静な判断もできず、リアさんを危険な目に遭わせてしまう。
俺はダンジョンのレアボスの攻撃からリアさんを庇って、致命的なダメージを受けてしまい、痛みの中でリアさんに謝罪した。
――そして、獣人としての力が一番解放できる狼の姿に戻る。
姿としては一番力が強く、身体能力も向上し、魔法を使って身体能力を強化する他の種族よりもこの姿では獣人が強い。
ただ、人間形態とは違って力が加減できないことも多いので、故郷でもあまり完全獣形に戻るものは少なかった。
そして、できればリアさんにこの姿を見せたくなかった。
番であるリアさんと同じ人間ではないから。
騙している俺の、狼の姿を見られたくなかった。
「だましてて、ごめんなさい」
実家からの手紙は、もちろん、アメリアにはミハエルは内容をマイルドに伝えました。




