第三話 計画
3月12日。
昨日、小木からアイドルグループを作れと言われた直人は自宅で計画を練っていた。
直人が住む家は立派な一軒家であるが、澄んでいるのは直人ただ一人である。両親を早くになくし、実の姉も何者かによって殺害されてしまった。
生活費を稼ぐために当時高校生だった姉はスカウトされモデル業をはじめた。彼女が殺害されたのは熱狂的なファンが興奮してナイフを振り回したから、らしい。つまり、彼女を殺したのはファンだということになる。
「まずは、このアイドルの方向性だな」
無地のノートに『方向性』と書く。
「気軽……楽しい……」
直人の脳内では、いくつものキーワードが駆け巡っていた。
「よし、決めた」
直人はペン回しをしていた指を止め、ノートに文章を書き綴っていく。
「……今までのアイドルとは違う。好きなときに会いに行ける。色んなところでライブを開く。そうだ、これで行こう」
方向性を決めた直人の表情が緩んだ。
「人数は……多くしよう。そうだな……16人だな」
人数を決めてノートに書き綴ったその瞬間だった。ドアのベルの音がリビングに響いた。
「はぁい」
今は丁度昼前だ。こんな時間に人が尋ねてくるのは珍しかったので、直人は心底驚きながら玄関に向かった。
「どちらさまで……って君か」
ドアを開けるなり、髪を派手にセットした今時風の可愛らしい女の子が入ってきた。
彼女は、幼い頃から一緒に育ってきた二人の幼馴染の一人だった。




