7-6
次の日。
拓斗は、100Yenショップで買った目覚まし時計の音で目が覚めた。
時間はAM6時。仕事が7時からなので、6時半には家を出ようと決めていた。
愛も、拓斗がおきたことで一緒におき、朝ごはんの食パンの用意をしてくれた。
「いよいよ今日から仕事だな。頑張らないとな」
拓斗は初めての仕事に不安いっぱいだが、やる気は満々だった。
「はい、これお弁当ね。社内食堂はお金かかるからね」
愛は
昨日のうちに、お弁当を作ってくれていたのだった。
「ありがとう。愛のお弁当。すごく嬉しいよ」
「お弁当ぐらい作るよ」
「ほんとありがとな」
拓斗は、作業服に着替え仕事の用意ができた。
少しまだ早いが、初日ということもあり出発することにしたのだった。
「じゃー頑張ってきてね。いってらっしゃい」
「あー、頑張ってくるな。いってきます」
拓斗は、愛の唇に軽くキスをした。
久々の自転車に乗り、愛に手を振った。
愛も拓斗が見えなくなるまで手をふってくれていたのだった。
会社までの道順は、昨日、担当の川口が教えてくれたのでわかっている。
工場まではやはり予想どうり15分ほどかかった。
工場に近づくにつれ、自転車に乗った人逹が増えてきた。
駐輪場には、何台あるのか数えられないほどの自転車がならんでいたのだった。
拓斗も、空いているところへ自転車をとめ、人の流れに紛れながら、自分の職場へとむかったのだった。
駐輪場を少し歩いたところで警備員が立っていた。
ここで、派遣社員の証明書を見せるように昨日もらっていたのだった。
途中まで歩いていると、人の流れがバラけていく。皆、それぞれの職場にむかうのであろう。
「西岡さーん」
拓斗が歩いていると、後ろから声をかけられた。
振り返ってみると芝浦だった。
「やぁー、おはよう」
「おはようございます。すごい人ですよね。危うく違うところへ行くところでしたよ」
「ほんとだよな。俺もよくここまでこれたもんだよ」
拓斗と芝浦、二人で職場までなんとか迷わずに到着できた。
事務所に入り、昨日川口が紹介してくれた班長の谷奥さんに挨拶をしたのだった。
「おぅ、二人ともおはよう。今日から頼むわな」
谷奥は、見た目怖そうな人だったが、優しそうな感じのしゃべり方だった。
「じゃー7時から朝礼だから、それまでゆっくりしといてな。朝礼でみんなに紹介するからな」
二人は、ゆっくりしろと言われてもどうしたらいいのかわからず、その場に突っ立っていたのだった。
事務所にはロッカーがあり、出勤してきた人が皆入ってくる。そのたびに二人は頭を下げていたのだった。
「じゃーそろそろ行こうか」
谷奥は、二人を手招きし事務所から出ていったのだった。
事務所の外には、班のメンバーがすでに集まっていた。
「えー、今日から新しく入る二人です。はい、自己紹介して」
「西岡です。よろしくお願いします」
西岡が挨拶をしたあと、芝浦も続けて挨拶したのだった。
「はいっ、じゃー今日も怪我のないように1日頑張りましょ」
谷奥が朝の挨拶を済ませると、ラジオ体操のような音楽が流れ出した。
皆がそれぞれに体操を始めているが、真剣にやっている人はいない。
拓斗と芝浦は、皆に合わせ同じように体を動かしたのだった。
体操が終わると、持ち場にむかうのであろう、皆がそれぞれに動き出したのだった。




