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拓斗の仕事初日。
愛は、桜と向日葵を連れ学校に来ていた。
これから2人が通う錦第2小学校は、アパートから10分ほど歩いたところにある。
校舎は古く、コンクリートの所々にヒビが入っている。
今まで通っていた小学校は、まだ新しくどこも綺麗だったため、桜も向日葵も嫌な顔をしている。
とにかく、中に入り職員室へと向かった。
事情を説明すると、教頭と名乗る男性が応接室に案内してくれた。
「初めまして、錦第2小学校教頭の犬飼と申します。事情は全て教育委員会から聞いているので」
「よろしくお願いします」
「それでは、後の詳しいことは担任と話してくださいね。今、呼んできますので」
犬飼は応接室から一度でると、すぐに二人の女性の先生を連れて戻ってきた。
犬飼が二人を紹介し、自分はそそくさとでていったのだった。
桜の担任は年輩の女性で、小太りで背が低い。ベテラン先生という感じだった。
向日葵の担任は、大学を卒業したばかりの新米先生といった感じだった。
「西岡さんですよね。私、柿岡といいます。桜ちゃんの担任を受け持っています。お話は聞いてますので。後2か月ほどですけど、よろしくお願いしますね。それと、こちらが向日葵ちゃんの担任の藤尾です」
「藤尾です。よろしくお願いいたします」
柿岡から学校についての説明があった。
とりあえず、あと2か月で新学期であるため、教科書等必要なものは、学校であるものを使わせてくれることになった。
「あのー、この学校に来てることは、前の学校にわかるんでしょうか?」
「そうですねー、本当は今までの引き継ぎをしないといけないのでね。でも西岡さんの事情を聞くとそれはまずいんですよね?」
「そうなんですよ。前の学校に知れると居場所が分かってしまう可能性があるので」
「ですよね。なので今回は黙っておきますね」
「ありがとうございます。助かります」
「じゃー説明はこんな感じですけど、何かありますか?あとは子供逹が慣れてくれるだけですね」
「桜、向日葵、何か聞いておくことある?」
愛は、不安そうにしている二人の顔を見た。
桜も向日葵も首を横にふっているだけだった。
転校なんてしたことのない二人にとって、不安だらけなのだろう。
「じゃーもうすぐホームルーム始まるから行こうか」
柿岡は、不安そうにしている桜の顔を覗いた。
「心配しなくてもすぐに友達できるよ。みんないい子だからね」
柿岡は、桜の不安をとってあげようとしてくれている。
桜は、うなずくだけである。
「じゃー教室に行こうか」
柿岡は立ち上がり、少し遅れて隣の藤尾も立ち上がった。
「じゃー二人とも行っておいで」
愛は、桜と向日葵の背中をそっと押してあげた。
「行ってくるね愛ちゃん」
桜は、不安な顔のまま柿岡について行ったのだった。
向日葵は桜ほどではないが、やはり不安な様子である。
愛は、二人のことが心配ではあるが、学校にずっといるわけにもいかず、帰ることにしたのだった。




