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禁断LOVE  作者: コウユウ
第6章 逃亡
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6-22

次の日。


拓斗達は、再びハマテクノを訪れ、浜田とともにアパートへ向かっていた。

新生活をするアパートは、車を走らせてから20分ぐらいの場所にあった。

アパートはまだ新しく、3年前に建ったばかりだった。浜田は、なるべく派遣社員に喜んでもらえるように、新しい部屋を用意していることを教えてくれた。


「あれ、案外広いですね」


拓斗も愛も、予想していたより間取りが広かったのに驚いていた。


玄関を開けると、通路にキッチンがあり、奥に8畳ぐらいの部屋があった。

お風呂とトイレも別々だった。


「家族四人でこの部屋は狭くないですか?」


「大丈夫ですよ。住めるだけで充分ですので」


愛は、子供と一緒に窓を開け、外を眺めていた。

外には、一面の畑が広がっていた。



「テレビは小さいですが、我慢してくださいね。家賃は月2万円です。給料から引かれますので。それから、光熱費は別に引かれますのでご注意下さい」


住めるだけの装備はだいたい揃っていた。

テレビ、エアコン、冷蔵庫、フトンなどほんとに助かる。



「はい、わかりました。ありがとうございます」


「それでは、正月明けて6日の朝7時に迎えにきますので。初日だけ送り迎えしますが、次の日からは自転車でお願いします。アパートの前にありますので。工場まではここから15分ほどですので」


「わかりました。よろしくお願いします」


拓斗は、深々と浜田に頭を下げたのだった。



「じゃー良いお年を」


浜田は、相変わらずの営業スマイルで部屋を出ていったのであった。



「ほんとよかったね、住むところまで見つかって」


「ほんとよかったよ。これでとりあえずひと安心だね」


拓斗も愛も正直、先の見えない旅に不安が隠せなかった。ほんとにあの銭湯で出会ったおっちゃんに感謝である。


桜と向日葵は、さっそくテレビをつけて見ている。



「ママ、このテレビ小さくて可愛いね」


テレビは、14インチの小さなものだった。

桜も向日葵も、大きなテレビでしか見ていなかったので、不満はあるだろう。



「見れるだけましだからね。我慢してね」


愛は、向日葵の頭を撫でてあげた。



「とりあえず、今日は生活にいるものを買いに行かないとね。これで、ちゃんとした料理が作れるよ」


愛は、料理ができることがそうとう嬉しかったのだろう。



「じゃー早速、買いに行こうか。家の周辺もある程度見たいしな」


四人は早速車に乗り込み、出発したのだった。



アパートのすぐ近くにスーパーはあった。

拓斗にはわからないが、地元のスーパーよりはるかに売っているものが安いことに愛は驚いた。


「えー、もやし1円だって。信じられないよ」


愛は、見るもの見るものに驚いている。


見る見る間に、買い物かごがいっぱいになった。



「愛、こんなに大量に買わなくても、なくなったらまた来たらいいじゃん」


「だめだめ、もうすぐ正月来るんだよ。今のうちに買いだめしておかないと年末来たらすべてが高くなっちゃうよ」



愛は先のことまでしっかり考え、買い物をしていた。拓斗の今までの生活では考えられないことである。



「よし、これぐらいかな」


「ねぇー愛ちゃん、これほしい」


桜が、お菓子コーナーを通ったときに、お菓子を持ってきた。



「パパに聞いて、これからは拓斗が桜と向日葵のパパだからね。パパがいいって言ったら買っていいよ」


愛は、少しずつではあるが、拓斗のことをパパと呼ばすようにしようと決めていた。



「・・・もういいよ・・・」


桜は、すんなりあきらめ、お菓子を元の場所に戻したのだった。

拓斗と喋るのが嫌なのか、面倒くさいのか。



拓斗は、どうしてやればいいのかわからない。

そんな桜を見ているだけしかできなかったのだ。

そんな光景を見かねた愛は、拓斗に話かけた。



「パパ、今日は1つぐらいならいいよね」


「あっ、あーいいよ。好きなの買いなよ」


拓斗は愛に後押しされたように、桜に向かって言ってあげた。



「もういいから・・・」


桜は表情1つ変えずに下を向いている。



「向日葵も1つだけ買っていいよ。これからは、生活に必要のないものはそんなに買ってあげられないけど我慢してね。でも、今日は特別に1つだけ買っていいからね」


「やったー、じゃー向日葵はこれがいい」


向日葵は喜び、すぐに自分のほしいお菓子をもってきた。



「向日葵、こんなのでいいのか?」


拓斗は、向日葵が持ってきたものが余りにも安いグミだったことに驚いた。



「うん、これでいいよ」


「向日葵はこんなので喜ぶから。欲がないっていうか安上がりな子なの」


愛は笑いながら向日葵を見ている。



「桜はこれでいいんだな」


拓斗は桜がさっき持ってきたお菓子をかごの中にいれてあげた。


桜は小さくうなずいただけだった。



「さぁー行こうか」


四人はレジを済まし、車に戻ったのだった。


それからホームセンターに行き、日用品を買った。最後に電気屋に向かい、必要最低限な炊飯器や電気ポットなどを見て回った。



「ねぇー拓斗、ひとつだけ高価なもの買っていい?」


「何を買うの?使ってるお金は愛のだから、俺は何も言えないけど・・・」


今、いろんな物を買えているのは、愛が持ってきたお金があるからである。拓斗は申し訳なさそうに愛を見た。



「オーブンなんだけどね、アパートにはレンジなかったでしょ・・・だからこれだけは買わないといけないんだけど、ちょっと高いオーブンがついてるのをほしいの。オーブンあったらいろんな料理が作れるから」


「そうか、愛は料理ほんと好きだよな。いいよ好きなの買いなよ。どうせこれからずっと使うんだしな」


拓斗は快くOKを出したのであった。

悩みに悩み、愛は5万ぐらいのオーブンに決めたのだった。



「ありがとう拓斗。これから一生懸命料理するね」


「あぁーいっぱい美味しいもの作ってくるよ」


車のトランクはいっぱいになり、家路についたのだった。



この日は、唐揚げにサラダ、愛がいろんな料理を作ってくれた。その机いっぱいに並べられた料理で、久し振りのビールとジュースで乾杯したのだった。





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