表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁断LOVE  作者: コウユウ
第6章 逃亡
PR
82/136

6-18

「どうするんですか?」


「どうするも何も、どこへ行ったのかもわからない状況なのでねー」



ここは、拓斗の実家である。

香奈の実の親が、拓斗の話を聞き、家に来たのだった。


香奈は色々調べたが、まったくと言っていいほど、情報が得られなかった。

分かっていることは、拓斗、愛、そして愛の子供が同じ日にいなくなったことである。



「とにかく、この子逹を裏切って出ていったことにはかわりないですよね。残された香奈と宇宙はどうしたらいいんですか」



香奈の母親、昌子は、家についたときから怒っている。



「そんな怒鳴っても仕方ないだろ。すこしはおちつけよ昌子」


義雄は昌子と違い、いつもどおり冷静である。



「ほんとにすいません。もう少し探してみますんで」


拓斗の父、光久がそんな義雄と昌子に頭をさげっぱなしである。



「探すって・・・もう散々思い当たるところ探し回ったんだよ。見つかるわけないじゃん」


香奈もイライラしている。



「それはそうだけど・・・」


「どうせ、あの女にそそのかされて連れて行かれたんでしょ」


香奈は愛のせいにしたいみたいだ。



「拓斗は拓斗で、思い詰めてたのかもしれないよ。最近の拓斗はまったくといっていいほど元気なかったから。どうせ、香奈ちゃんが拓斗のこと責め続けてたんでしょ」


今まで何も言わずに黙っていた幸子が、初めて口を開いた。



「じゃー何?、拓斗が出ていったのは私のせいだって言いたいの!?」


「そうは言ってないけど・・・あの子もあの時以来香奈ちゃんには悪いと思って反省してたでしょ」


「反省って!!自分が不倫なんて馬鹿なことするからでしょ!!」



「そうですよ。香奈は被害者なんですからね。お宅の息子さんが馬鹿なことしなかったらこんなことにはなってなかったでしょ!!」


自分の子供が責められていることが気に入らないのは、どの親も一緒なのだろう。

幸子の言葉に、昌子も黙っていなかった。



「元々、拓斗があんなことした理由、どうしてか分かってるんですよね?」


幸子は、標的を香奈から昌子に変えた。



「どうしてって、そんなこと知らないわよ」


「二人の生活見たことありますか?あの散らかり放題の家を見たことがありますか?」


「散らかっているのは、拓斗君が出ていった腹いせにやってることでしょ」


「散らかっているのは、今に始まったことじゃないんですよ。昔からです。それにご飯はほとんど買ってきたものか、外食みたいですし」


「それは、香奈も働いてるから仕方ないことなんじゃないんですか?」


「そんなこと言い訳ですよね。あの子は生まれたときからちゃんとした生活環境で育ってきてるんですよ。毎日あんな生活してたら嫌になるでしょ」


二人の会話は段々エスカレートしていく一方だった。

男二人は、女二人の会話に口を出すことも出来ず、見ているだけしか出来なかった。



「共働きなんだから、家事も二人でするのが当たり前じゃないんですか?」


「二人でする?二人でしてると思ってるんですか?お宅の娘さん何もしてないですよ。料理はしない。掃除も洗濯も拓斗がやってるみたいですし、娘さんは何か主婦らしいことしてるんですか?」


「・・・本当なの?香奈?あなた家事何もしてないの?」


「してるよ・・・」


香奈は小さな声で答えた。幸子が言っていることは、香奈が一番よく分かっているだろう。



「どうせお母さんも家ではそんな感じなんでしょ。ねぇ、佐々木さん?」


幸子は、佐々木家の事情を誰よりも分かっているだろう義雄のほうをチラッと見た。



「・・・そ、そんなことはないけどな」


義雄は自分でも分かっている。

香奈は生まれたときから甘やかして育ててきたのは事実だった。


「もう、いいですよ!!お宅の息子さんが女を作ったことも、女と出ていったことも、全部香奈が悪いってことなんですよね!!・・・帰るよ香奈!!こんな家なんていなくていいよ」


昌子は、香奈のことを馬鹿にされたことがよっぽど気に入らなかったのだろう。

怒鳴りながら立ち上がり、香奈の手を引っ張った。



「昌子、すこしは落ち着けよ・・・」


義雄が必死でなだめているが、昌子を止めることはできない。



「ほらっ、帰るよ!!」


昌子と香奈は、家を出ていってしまった。



「すいません、また何か分かったら教えてください」


義雄は軽く頭を下げ、昌子を追いかけるように家を出ていったのである。




「お前、あれは言い過ぎだぞ。あんなこと言ったら誰だって怒るだろ」


佐々木家が去ったあと、戦場は静まりかえっていた。



「仕方ないでしょ。本当のことなんだから」


幸子は、自分が言い過ぎたなんてことは、これっぽっちも思ってなかったのである。

反対に、今まで我慢して言えなかったことを、一気に吐き出したことが、最高に気持ちよかったぐらいであった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ