6-10
大和と香奈が大騒ぎしている一方
拓斗は車を走らせていた。
車に乗っているだけなので、それほど空腹はなく、朝昼兼用で愛が持ってきたパンを食べただけだった。
桜と向日葵は海辺ではしゃぎ、疲れたのだろう、ぐっすり眠っていた。
地元を出てから丸1日が経ち、走った距離もかなりになる。
「あっ、」
拓斗が急に何かを見つけ、一瞬ブレーキを踏んだ。
「どうしたの?」
助手席に座っていた愛も急なブレーキに驚いた。
「あー、すまない・・・警察が立ってたからついっ」
拓斗は免許証を持っていないことが気になっていたのだった。
「そっかー・・・拓斗、免許証もってないんだったよね・・・」
「そうなんだよー。だから別に悪いことしてないけど、どうしても警察に敏感になってしまうんだよ・・・」
「そうだよね・・・スピード出しすぎとシートベルトするの気を付けないとだめだね。ごめんね・・・愛も免許証ないから代われないよ」
実は、愛も免許証を自分の車に忘れてきたのだった。
「仕方ないよ。急いでたからね・・・」
「まぁー、普通に走ってたら大丈夫だよ」
「・・・・・・そうだねっ、・・・あんまり考えてないようにしよっか!」
「そうだよ。迷惑かけた人はいっぱいいるけど、やっと嫌な人から解放できたんだもん。それにやっと拓斗と一緒になれたんだもん」
愛はほんとに嬉しかった。こんな形ではあるが、これからずっと拓斗と一緒にいれる。
やっと愛の願いが叶ったのだから。
「そうだよね。これからはずっと一緒だもんね」
拓斗も気持ちは愛と同じだった。毎日帰るたびに、嫌みばかり言われ続けてきた日々から、やっと解放できたのだ。
「よしっ、これからは楽しく行こうよ。女3人俺が責任持って面倒見てやるからな」
「うん。ありがとっ」
拓斗は、愛の手をギュッと握りしめてあげた。
「あっ、拓斗、そこのスーパー寄って。夕御飯何か買っていこう。そろそろ子供達もパンばっかりだから飽きてくると思うから」
「OK!!」
二人は、それぞれ想いはあるが、考えてもいやになるだけなので、前向きに考えることにしたのだった。




