6-9
大和は携帯の音で目が覚めた。
午後6時。
いつもならまだ寝ている時間だった。
「はい・・・」
電話の相手は香奈だった。
「もしもし、大和君?どうだった!?」
朝の話だろう。
「どうだったって!?仕事行ってるんだろ旦那!?」
「何言ってるの!?仕事行ってないから電話してるんでしょ!!」
「会社に電話したら営業に出てるって言ってたぞ」
「電話したの?拓斗の会社に」
「あー、電話して聞いたら仕事来てるって言ってたぞ」
「えぇー、私が電話したときは来てないって。それも連絡もないって言ってたよ」
「じゃー俺が嘘つかれたって言いたいのかっ」
「そうは言ってないけど・・・嫁は帰ってきてるの?」
「さぁー、どうだろっ、いつもならそろそろ帰ってくる時間だけどな。まぁーそんなイライラするなって。ひょこっと帰ってくるって!じゃーな」
大和は電話を切った。
「くそっ、まだ寝れたのに・・・しょうもない電話してきやがって」
大和は一人でブツブツ言いながらも、起きることにしたのだった。
階段を降り下へ降りた。
「あれっ!?」
下まで降りた大和はリビングが真っ暗なことに気がついた。
愛はまだ帰っていないにしても、子供達はいるはずだった。子供部屋も電気は付いていなかったはずだ。
大和は不思議そうにリビングに入ったが、やっぱり誰もいない。
「桜・・・向日葵・・・いないのかー」
静かなリビングは、大和の声だけが響いた。返事も帰ってくることもない。
大和はもう一度二階へ上がり、子供部屋を確認した。
「あれっ、いないよな。どこへ行った?」
桜は、夏場ならまだ外で遊んでいることがあるが、向日葵は確実に外が暗くなるまでには帰っているはずだ。
「あっ、もしかして三人で買い物でも行ったかな?」
大和はもう一度リビングに戻り、ソファに座り込んだ。
念のため愛に電話してみたが、朝と同じで繋がらなかった。
「・・・・・・まっいいかっ。考えても仕方ないな」
大和は少し早いが、ご飯を食べることにした。
「あれっ!?」
冷蔵庫を開けた大和は、ご飯がないことに気がついた。いつもなら冷蔵庫に入っているはずだった。
「なんだよっ!ご飯なしかよっ」
一人でイライラしながら、何かないか棚をあさり、カップラーメンを取り出した。
ピンポーーン♪
インターホンが鳴った。
「やっと帰ってきたかっ!!」
大和は愛が帰ってきたんだと思い、玄関へ向かったのだった。
「なにやってんだ!!」
イライラしながら玄関を開けた大和は唖然とした。外に立っていたのは愛ではなく、香奈だったのだ。
「大和君なにやってるの!?嫁は!!」
香奈が相当イライラしているのが分かる。
「どうしてお前なんだよ・・・愛はいないぞっ!!」
「やっぱりいないんじゃないのよ!!どこへ行ったのよー。もうっ!!」
香奈は大きな声で発狂した。
「そんな興奮するなって・・・とにかく中へ入れっ、なっ」
大和はそんな興奮している香奈をなだめ、家の中に入れたのだった。




