6-7
午前8時。
香奈は一睡もできなかった。
2時ぐらいまでは拓斗の会社の前でいたが、あきらめ家に帰ったのだった。
宇宙を保育園に送るため、義母に預けてあった宇宙を迎えにいった。
「お母さん、拓斗帰ってこないんですけどどこに行ったか知りませんか?」
「帰ってこなかったの?何も連絡なかったけどねー。珍しいね。拓斗が朝まで帰ってこないなんて」
拓斗の母、幸子は宇宙に朝ご飯を食べさせていた。
「電話しても繋がらないんですよ・・・」
「そうなの?何かあったのかしら?」
「何もなければいいんですけどね」
「さぁー宇宙、保育園行くよ」
香奈は保育園の荷物を持ち、宇宙を呼んだ。
「はーい。ばあちゃん行ってくるね」
宇宙は幸子に手を振り、香奈の元へ飛び込んできた。
「もし、拓斗から連絡あったら教えてください」
香奈は軽く会釈をし、家を出たのだった。
宇宙を保育園に送り、仕事場に向かっている車の中で、拓斗の会社に電話することにした。
「もしもし、西岡といいますが、いつも夫がお世話にになっております」
「あー、西岡さんの奥さんですか。いつもお世話になってます。あれっ、今日はまだ来てないですよ・・・いつもならもう来てる時間なんですけどね」
電話に出たのは、岡澤だった。
「そうですかー?休む連絡とかありましたか?」
「ちょっと待ってくださいね」
電話は少しの間保留になった。聞いてくれているのだろう。
「あっ、待っていただきまして、連絡は何もないみたいですけどねー」
「そうですか・・・ありがとうございました。もし連絡あったら電話するように行ってくれませんか?」
「はい、わかりました」
香奈は電話を切ったあと、すぐに違う所へ電話をした。
「もしもし、大和君。香奈ですけど」
電話の相手は大和だった。
「どうした?」
大和は仕事が終わり、車で帰っているところだった。
「うちの旦那が帰ってこないんだけど。知らない?」
「知らないよ、お前の旦那のことなんて。今帰ってるところだから、帰ったらまた電話するよ」
「大和君の嫁と一緒にいるんじゃないの?」
「さぁーどうだろうな。昨日の夜は何してたのか知らないけどな」
「えっ、昨日うちの旦那と一緒にいたんじゃないの?」
大和は昨日、香奈に電話をしていた。
拓斗が仕事を休んで何をしているのかを確認するためだった。
それで、香奈がまったく知らないことが分かり、拓斗と愛が一緒にいるということを勝手に確信していたのだった。
「さぁー、いたんじゃないの?証拠はないけどな」
「大和君気にならないの?」
「気にはなるさ。今度同じことしたら、本人達もよくわかってるだろっ」
「それはそうだけど・・・また何かあったら教えて」
「あーわかった」
香奈は、不安はあったがまさか同じことを繰り返すとは思っていなかった。
今度同じことをしたら、今度こそ宇宙を連れて離婚しようと決めていた。
『今日のところは様子をみよう・・・もしかしたら帰ってくるかもしれない』




