6-5
拓斗は、とにかく車を走らせていた、行き先もなく。
時間は朝の2時をまわっていた。
♪♪♪
愛の携帯が鳴った。
「こんな時間に誰?」
着信は茜だった。
「もしもし、愛!!あれからどうなったの?心配で寝れなくて・・・」
茜はもう自分の家に帰ってきていたが、愛のことが心配で寝付けなかったのだった。
「電話、迷惑だった?」
「ごめんね茜、心配かけちゃって・・・あれから色々考えてね・・・・駆け落ちすることにした」
「えーー駆け落ちーー!!」
さすがの茜も驚きが隠せないようだ。
「駆け落ちって、またえらく思いきったね」
「うん。拓斗がね、二人で逃げようって言ってくれたの」
「あの西岡君がねー。ちょっとびっくりだよ」
「そんなことになっちゃったの・・・ごめんねいきなりで」
「二人で決めたことなんだから、いいんじゃない。桜と向日葵はこのこと知ってるの?」
「うん。今ここにいる・・・」
「えっ、一緒にいるって・・・連れてきちゃったの?」
「うん。連れてきた・・・」
「そっか、やっぱり子供を放ってなんていけないもんね。それより西岡君よくOKしてくれたね。初めて会うんでしょ?」
「拓斗もいいって言ってくれたから」
今まで相談をしあっていた二人は、どちらも涙を流しながら話を続けたのだった。
「じゃーね茜。もうここからは電源切って誰とも連絡しないから。回りから色々聞かれると思うけど知らないって言っておいてね。迷惑かけるけどごめんね」
「いいよ。あとのことは任せて。誰にも絶対言わないから。元気でね」
「ありがとう。バイバイ」
愛は携帯を切り、電源も切ったのだった。
明日になれば、騒ぎが大きくなるだろう。
そうなれば、携帯なんてとどまることなく鳴り続けるだろう。
「拓斗運転大丈夫?」
「あー大丈夫だよ。愛は大丈夫か?」
「うん大丈夫。もう結構走ったよね」
「そうだな。それでも高速は使えないしな・・・ずっと下道で行かないとだめだな」
高速道路はカメラがあるため、もし捜索願いがでれば、ばれてしまう可能性がある。それ以前に高速料金なんて払うお金もなかったが。
「今日はこの辺で一旦停まろうか」
拓斗は閉まっているスーパーの駐車場に車を停めた。
「愛も寝れないとおもうけど、少しでも寝るようにしよう。無理して俺たちが倒れてしまったらどうしようもできないからな」
「そうだね。ちょっとでも寝ようか・・・」
二人はシートを倒し、横になった。
二人ともまったく寝ることができなかったが。




