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「西岡君、ちょっといい?」
茜は仕事が終わり、歩いていた拓斗を呼び止めた。
「あー、茜さんどうしたの?デートの誘いならダメだよ」
拓斗は笑いながら振りかえった。
「もぅー・・・私には隆雄がいるんだからね。残念でした。はい、これ!!」
茜は愛から預かっていた封筒を渡した。
「何これ?ラブレターか?」
「そうだよ、愛からのね」
「えっ、愛から?」
「愛ね、やっぱり西岡君のこと諦められないんだって。中身は見てからのお楽しみ。じゃーね」
茜は手を振りながら走り去ってしまった。
拓斗は車に乗り、封筒を開けてみた。
中には手紙と二人のプリクラが入っていた。
プリクラはぐしゃぐしゃだったが、綺麗に伸ばされている。愛がしてくれたのだろう。
拓斗へ
元気にしてるかな?
愛は元気だからね
拓斗と離ればなれになって、色々あった
必死に拓斗のこと忘れようとしたけど・・・
忘れることなんてできないよ
二人でいるときのこと思い出したら、泣けてくるし、どうしたらいいかわからなくなっちゃう
ねぇー拓斗・・・電話だけでもいい、メールだけでもいい。駄目かなー
もし、迷惑ならこの手紙は捨てて
気が向いたらでいいからメールしてね
昼間だったら大丈夫だから
じゃーね、大好きだよ拓斗
手紙の下には携帯の番号とアドレスが書いてあった。
拓斗は手紙を読みながら、止まらない涙を必死に拭っていた。誰に見られるわけでもないのだが。
「愛がそんなこと思ってたなんて・・・」
拓斗は車の中で、手紙を何度も何度も読み返していたのだった。
だが、拓斗はその後、電話もメールもしなかったのだ。
一度してしまうと、必ず会いたくなる自分がいた。
愛に会ってしまえば、もう止まらなくなる自分がいる。
そして・・・もしばれてしまったら・・・こんどこそ人生終わりだろう。自分だけじゃなく愛の人生も終わるだろう。
そんなことを考えると、連絡をとるなんてことできるはずがなかった。




