4-13
次の日。
今日から新しい仕事である。
家から会社までは少し遠い。
どうしてこの会社を選んだのかは自分でもわからない。
ただ、通り道に拓斗の会社があることに、後から気が付いたのだった。
会社の地図を見ながら車を走らせていた愛は、街からは外れ、細くなった道を山の方へ入っていった。
地図ではこの道をまっすぐ行ったところにあるようになっていた。
『ほんとにこんなところにあるんだろうか?』
愛は少し不安になりながら、道をひたすら進んでいったのだ。
しばらく進むと、ハウスが5棟ぐらいだろうか建っている場所についた。
『ここかな・・・』
入り口に小さな看板があった。
(亀田花園)
「ここだ!!」
ハウスの横に事務所らしき建物があった。
愛は車から降りて、事務所らしき扉を開けた。
「すいませーん」
中はそんなに広くはないが、事務机が二つと、ソファーが置いてあった。
中を見回したが、人の気配はないようだ。
「こんにちはー!!」
今度は少し大きめな声を出してみた。
「はーい」
後ろの方で声がした。
たぶんハウスのほうからだろう。
「あーごめんなさいね。仕事に来てくれた人?」
女の人がハウスからでてきた。
すらっとした感じで、歳は50前後だろうか、綺麗な感じの人だった。
「はい、戸川と言います」
「はじめまして、亀田と申します。お父さん呼んでくるからちょっと待っててね」
しばらくして、先程の女性が男の人を連れてきた。
「あーどうも。戸川さんだったかな。亀田と申します」
小柄で、優しそうな雰囲気の男性だった。
「うちは夫婦でやっているだけなので、大きな会社じゃないけどいいかな?」
「はい、問題ないですよ」
それから亀田は、仕事内容など詳しく説明してくれたのだった。
「説明はこんなものかな。・・・じゃーさっそく仕事してもらおうかな」
亀田はハウスの中に愛を案内してくれた。
「奥西さん、こちら戸川さんです。今日から色々教えてあげてね」
ハウスの中で作業をしていた奥西という女性。歳は同じぐらいだろうか、細くて身長も愛よりは高そうだ。
「じゃー奥西さん後は頼んだからね」
亀田はハウスから出ていった。
「よろしくね。ここの仕事はしゃがんだ仕事が多いから、腰が痛くなってくるけど、仕事は楽なほうだと思うよ」
「はい。よろしくお願いします」
その日は、草を引いたり、水をあげたりで一日が終わったのだった。




