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「ごめんね拓斗。こんなことになってしまって」
愛は拓斗が外へでてくるなり、泣きだした。
「俺は大丈夫だよ。愛は大丈夫か?旦那に責められたんじゃないの?」
拓斗は泣きじゃくっている愛をそっと抱きしめてあげた。
「あの人は口悪いけど、手はださないから…。それに怒鳴られるのは慣れてるから大丈夫。すぐに怒る人だから仕方ないよ」
「そうなんだ。でも今回はそんな簡単なことじゃないだろ?」
「そうだね、今回はね…。あの人は金、金の人だからね。ほんと恐ろしい人だよ。たぶん慰謝料言ってくると思うよ」
「慰謝料か…。俺にそんなお金ないよ…。どうしよう…」
拓斗は一段と心配が膨らんできた。
「ごめんね。自分の旦那ながら恐い人だから」
「愛は悪くないじゃん。それで愛のほうはどうなの?別れ話とかでてるの?」
「そんな話は全然してないけど…もう一緒になんていれないよ。一人ででていくしかないよ…」
「許してくれそうな旦那じゃなさそうだもんね」
「拓斗の嫁は許してくれそうなの?」
「うちは子供連れて出ていくって言ってたけどね。でも俺は子供とは離れたくないんだよ」
「子供か〜。うちの子供はどうだろう?旦那が離さないだろうな…」
「愛の子供は愛をとるんじゃないの?」
「子供が選んでくれても、親権決めるのは親だからね。子供には選ぶ権利なんてないんだよ」
愛はその場にゆっくりしゃがみこんだ。
「大丈夫か?一回旦那とちゃんと話したほうがいいんじゃない」
「愛は大丈夫だよ。自分が悪いんだから…一人ででていくよ…」
拓斗が家族を取れば、愛は一人になってしまう。こうなってしまったのは愛一人の責任ではない。拓斗にも責任はもちろんある。
「愛を一人になんてできないよ。愛は俺が守ってやるよ。一緒になろうよ」
拓斗は下を向いて泣きじゃくっている愛の頭を撫でて上げた。
「…でも…そんなことしたら…子供と一緒にいれなくなるよ」
「宇宙には嫁がいるから大丈夫だよ。愛には俺しかいないでしょ」
「ほんとに………ありがとう……」
「うん。だからもう泣くな」
「うん。ありがとう…。でもそんなことしたらあの二人が黙ってないよ」
「そうだろうね…とにかく言ってみるよ。行こうか」
拓斗は大きく息を吸い、気合いをいれた。
『俺は男だ。愛を守るのは俺しかいない』
拓斗はなんどもなんども自分に言い聞かせた。
拓斗と愛はぎゅっと手をつなぎ、修羅場に戻っていった。




