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「元気だったか?」
光久は拓斗を見るなり、怒ることもなく冷静である。
「ごめんな。迷惑かけて・・・」
「終わったことは仕方ない。俺はいいから帰ったら母さんに謝れ」
光久はこの2,3カ月で痩せたような気がする。
顔もどことなくやつれている。
香奈から毎日のように責められたのだろう。
「ほんとすまない・・・」
「あの子が愛って子かっ?」
倉庫の中から愛と桜、向日葵が出てきたのに光久は気がついたのだった。
「紹介するよ。愛、それから桜と向日葵だよ」
拓斗が紹介すると、愛は深々とお辞儀をした。
桜と向日葵も愛の姿を見て一緒に頭を下げている。
「お前がしたことだ。俺は何も言わないがこれからのことはしっかりと考えろよ」
「それはよく分かってる。これからのことは二人でよく考えるから」
「二人で考えるよりも先に自分達のことを片付けろよ。二人でどうするかはそれからだろう」
久光の言っていることはキツイ言葉ではあるが、当たり前のことであった。
「愛さんだったかな。まだ旦那さんとは話してないんだろ。これからのこと」
「は、はい・・・これから話します」
「子供もいるんだからよく考えて答え出さないといけないよ。自分達の感情だけで離婚なんてしたらだめだよ。子供は選べないんだからな」
「はい、それはよく分かっています」
「分かってるんならいい。じゃー拓斗行こうか」
光久は到着してから全く笑うこともなく、キツイ言葉を二人にぶつけたのだった。
「じゃー愛、行ってくるな」
拓斗は、笑顔で愛の目の前に立った。
「帰ってきてね・・・3人で待ってるから」
愛は、あの時のことを思い出してしまう。
愛と一緒になると言ってくれた拓斗は、家族をとった。
このまま帰ってこないんじゃないか
また家族をとるんじゃないか
また、裏切られるんじゃないか・・・
そんなことばかり考えてしまうのである。
「大丈夫だよ。もう愛のこと裏切らないから」
拓斗は、心配そうな愛を優しく抱き締めてあげた。
「ありがとう。気を付けてね」
「あぁー、ちゃんと帰ってくるから。じゃー行ってくるな」
拓斗は、光久の待つ車に乗り込み、手をふっている愛に笑顔で手をふりかえしたのだった。




