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拓斗は、慣れない場所で寝ていたこと、それに今日の話し合いのことが気になってなかなか寝れなかった。
「あっ・・・拓斗おはよう」
隣で寝ていた愛が目を覚ました。
「おはよう愛。おこしちゃったかな、ごめんな」
「ううん、いいよ。愛もなかなか寝れなかったから」
「そっか。しかしこの部屋寒いよな」
拓斗は座っていたが、あまりの寒さに布団をかぶっていたのだった。
3月だというのにこの寒さは信じられない。吐く息も白いのにはびっくりだ。
「愛も寒くて震えてたよ。外のほうが暖かいんじゃないの。この部屋が寒すぎるんだよ」
「ただの鉄骨だもんな。そりゃ寒いはずだよ」
「もう7時だね。そろそろ起きようかなっ」
「そうだな」
桜と向日葵はまだぐっすり寝ている。
昨日の夜は、怖くて寝れないと言っていた桜であったが、寝れたことに愛は少し安心したのだった。
「今日は何時に行くの?」
「8時半ぐらいには迎えにきてくれると思う」
拓斗は昨日、父の光久に電話し、今日のことを話していた。
車が1台しかないこともあり、光久が迎えにきてくれることになっているのである。
「お父さんが来るんだよね。愛初めてだからどんな顔して会ったらいいのか分かんないよ」
愛は不安だった。拓斗の両親とは面識がない。
拓斗の嫁、香奈からいろんな悪口を吹き込まれているに違いない。そんなことを考えていると、会うのが不安なのである。
「大丈夫だよ。親には愛のことはちゃんと言ってあるから」
「うん・・・ありがとう。・・・さっ、朝御飯にしよっか。桜、向日葵おきてー」
愛は考えれば考えるほど嫌になるだけだった。
なるべく考えないように何かをしようとおもい、朝食の用意をすることにしたのだった。
「桜、ちゃんと寝れたじゃんか」
義雄と昌子が持ってきてくれた丸テーブルを囲い、4人で朝食を食べていた。
朝食といっても、食パンだけなのだが。
「うん、寝れないと思ったけどね」
「よかったよかった。夜中お化けでなかった?」
「もう愛ちゃんの意地悪!・・・怖いんだからそういうこと言わないで。夜中おしっこ行けなくなっちゃうよ・・・」
「ほんとだね。何出てくるか分からないもんね」
愛は笑いながら桜を怖がらせている。
「もうー、ほんと意地悪なんだから。いいもん、おしっこ行きたくなったら愛ちゃん起こすから」
昨日から機嫌のよくなかった桜も、少しずつではあるが、笑顔を取り戻してきたのだった。
「さあっ、用意しようかな」
拓斗は、早々と食パンを食べ終わると出発する用意を始めた。
「まだ時間あるよ。そんなに急がなくてもいいんじゃない」
「たぶん、父さんは早目に来ると思うから」
「そうなの?まだ8時にもなってないよ」
愛は急ぐことなく、ゆっくりと紅茶を飲んでいた。
「俺の父さんはせっかちな人だからね」
「そんなに早く来るの?じゃー愛も着替えなくちゃ!こんな格好じゃ顔合わせられないよ」
拓斗の言葉に、愛も急いで用意を始めたのだった。
8時を少し回ったころ
「あれっ、もう来たかっ?」
拓斗の父、光久から電話がかかってきた。
きっと近くまで来ているのであろう。
「おぅ、拓斗かっ!近くまで来てるから場所教えてくれ」
案の定近くまで来てくれていた。
用意は万全だった拓斗は、愛に三菱が来たことを目で合図し、先に外に出ていった。
「あれっ、もう来たの?」
化粧をしていた愛は、手のスピードが一気に上がったのだった。




