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掃除を始めてから1時間ほどで、ある程度ではあるがなんとか終わることができた。
「ちょっとはましになったかな」
「そうだね、かなり綺麗になったと思うけどね」
どうしても取れない汚れはあるが、最初のころよりは綺麗になっている。
「あっ、お母さんから電話」
愛は、ポケットから携帯を取り出した。
「そこを右に曲がって、ちょっと走ってから左ね」
愛は、喋りながら外に出ていった。
拓斗、桜、向日葵も愛に続いて外に出ると、愛の両親が車で到着したところだった。
車から昌子が降りてくると、愛の元へ歩いてくる。
バシッ!!
「痛っ・・・」
昌子は愛の頬をビンタしたのだった。
「もう、あんたはどれだけ心配させるの!!ほんと心配したんだからね!!」
昌子は涙を流しながら愛を抱き締めた。
「ほんとごめんね、こうなるまえにもっと早く気づいてあげればよかったね」
「ごめん、心配かけちゃって・・・どうすることもできなかったの・・・」
「もういいよ、こうやって帰ってきたんだからね」
「うん・・・」
「桜も向日葵も元気だった?」
こんどは、桜と向日葵を抱き締めた昌子であった。
「拓斗君だったな」
父親の義雄が、拓斗のほうへ歩いてきた。
拓斗は、申し訳なさそうに深々とお辞儀をしたのだった。
「ほんとに申し訳ありませんでした。愛さんと桜、向日葵までこんな目に合わせてしまいまして」
「ほんとに大変なことしてくれたな。もっと方法があっただろ!」
「はい・・・ほんとにすいませんでした・・・」
拓斗は何度も何度も頭を下げた。
「お父さん、拓斗は悪くないから責めないで。愛が全部悪いんだからね」
「お前は黙ってろ!」
「・・・」
「とにかくこの3ヵ月ほど3人の面倒を見てくれたことは礼を言う。だが、男ならもうすこし考えて行動してくれ。その場しのぎで駆け落ちなんてされたんじゃ残されたものはたまったもんじゃないんだからな!」
「はい、ほんとうにすいませんでした・・・」
義雄の言葉に、すいませんでしたとしか言えない拓斗であった。
「お父さん、もういいじゃない。こうしてみんな無事に帰ってきてくれたんだから」
昌子が義雄のことをなだめ、なんとかその場はおさまったのだった。
「それで、これからどうするの?」
愛と拓斗は、自分達の意思を義雄と昌子に伝えたのだった。
「じゃーこれからはこの4人でやっていくんだな。桜と向日葵はそれでいいのか?」
「・・・」
桜も向日葵も何も言わないがうなずいている。
「二人がそうしたいんならお母さんもお父さんも何も言わないけど、もう二度とこんなことしないでよ」
「うん、ごめんね。もうしないから」
「はい、じゃーもうこの話は終わり。布団とか必要そうなものは持ってきたから」
昌子は車に戻り、重たそうな段ボールを運ぼうとしている。
「あっ、お母さん手伝います」
拓斗は急いで昌子に駆け寄り、段ボールを受け取った。
「しかし、ほんとにこんなところで住むのか?」
義雄は倉庫の中に入り、辺りを見渡している。
「仕方ないよ・・・とうぶんここで我慢するしかないよ」
義雄も昌子も、部屋のあまりの汚さに驚くのであった。
「じゃーまたちょくちょく見に来るからね」
「うん、ありがとうね」
「じゃー拓斗君、3人のこと頼んだよ」
「はい、わかりました」
30分ほど今までのことを話した4人は、それぞれに言葉を交わし、義雄と昌子は帰っていったのだった。
「さぁー、もうちょっと片付けようか」
「そうだな。生活できるようにしないとな」
こうして、4人はこれからこの倉庫で仕方なくではあるが、生活していくことになったのである。




