表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁断LOVE  作者: コウユウ
第八章
PR
124/136

8-2

そのアパート?いや、倉庫は、入り口らしきものはなく大きなシャッターが1つあるだけだった。

建物は2階建てなのだろうか、2階には窓がいくつかあった。

誰がどうみても倉庫である。



「ここ、どこっ?」


車の後ろで寝ていた桜、そして向日葵も二人の声で起きたのである。



「やっとおきたの桜。もう帰ってきてるよ。ちょっと話してくるから待っててね」


拓斗と愛はとにかく車から降りることにしたのだった。



「大石さん、まさかここがアパートとか言うんじゃないでしょうーねー」


「ここだよ。外から見たら倉庫だけど中はちゃんとなってるから」


大石はシャッターの前まで行くと、大きなシャッターを手で上に上げた。



「自動じゃないの?」


拓斗はその大石の姿を見てボソッと呟いた。


大石はシャッターを開けると中に入っていく。

拓斗と愛も大石の後についていった。


倉庫の中は特に何もない。奥に階段があり、右側に壊れそうな木のドアが1つ。左側には通路があり覗いてみるとドアが4つほど続いている。隅のほうには壊れているのだろうレンジや掃除機、いろんなゴミが無造作に積み上げられていた。



「この部屋だよ。あっ、頼まれていた電化製品は車に入ってるから後で下ろすな」


「ありがとう・・・」


愛は大石に、最低限必要な電化製品を借りるように先に言ってあったのだった。



大石は、右側にあったドアの前に立ち、ポケットから鍵を取り出した。


拓斗も愛も、余りの汚い空間に言葉がでないが、辺りを見てまわっていたのだった。



「これが鍵ね。2個あるからね」


大石は、鍵をノブに差しドアを開けようとしている。



「あれっ・・・」


鍵をまわそうとしているのだが、どうも固くてまわらないようだ。



「ちょっと固いなー・・・あっ、開いたよ」


大石は扉を開け、中に入っていった。



「ほんとにこんなところに人が住んでるの?」


愛は今でもここがアパートだなんて信じられない。

拓斗も同じ気持ちだった。



「と、とにかく部屋に入ろうか」


二人は、仕方なく大石の後に続いて部屋の中へはいっていったのだった。


ドアから中に入ると、20畳ぐらいあるだろうか広い台所があった。

ただ台所といっても床はコンクリートで、長い間使われていないであろう、昔くさいキッチンが隅のほうにあるだけで、それ以外は何もない状態だった。

そして、左側にふすまの引き戸がある。この奥は部屋なのだろうか。


大石はその引き戸を開け、中を見せてくれた。


その中は10畳ぐらいの部屋であった。

腐りかけた木のクローゼットが1つ。磨りガラスの窓が2つあり、古びたカーテンが着いていた。床には赤色というか茶色というか、色がはげているじゅうたんが引きつめられている。



「部屋はこんな感じかな・・・」


「大石さん、これはひどすぎるよ・・・私達はなんとか我慢するけど、子供もいるんだよ。もうちょっとましなところはなかったのー!?」


愛は、大石の話からある程度古いアパートだということは予想していたのだが、ここまでひどいとは思わなかった。



「なかなかなくてね、とりあえずここで我慢してくれないかなー・・・違うアパート探しておくから」


「そうしてよ・・・それでお風呂とトイレはどこなの?」


「あー、部屋出て階段の下にあるから。案内するな」


3人は一度部屋から出て、さきほどチラッと見えた階段の下にあるドアへと向かった。



「ここがお風呂だよ。ここは戸川さんがすきに使っていいって」


「・・・・・何!?これっ!?」


愛も、その後ろでいた拓斗もその風呂?に言葉がでない。



「大石さん!!こんなところに入れっていうの!?」


ドアを開けると、1人がちょうど座って入れるだけの浴槽がある。そしてシャワーは設置してあるのだが、汚れているのか真っ黒である。


「これでも掃除してくれたみたいなんだけどね」


「これで掃除したの!?この浴槽なんなの?なんか赤いのがいっぱいついてるけど、それにどこもかしこも真っ黒じゃん!!カビはえまくってるじゃんかー!!」


「もう1回掃除してもらおうか・・・」


大石は、愛に責め立てられ困った顔をしている。



「いいよもう、自分で掃除するから」


「ほんとにいいの?」


「いいの?って・・・何回掃除してもらってもどうせ適当にかしないでしょ!?だったら自分でしたほうがましだよ!!」


「・・・・・・」


何も言えない大石であった。



「それでこっちがトイレ?」


愛は、さっさとトイレらしきドアを開けている。



「はいはい、こっちも一緒だね」


愛は呆れすぎてどうでもいいようになってきた。



「こんな感じかな・・・戸川さん以外に、二階で2人男の人が住んでるみたい。あっ、それと水道代はいらないらしいから」


「水道代いらないってどういうこと?タダほど恐いものはないんだけど・・・」


「どうしてかは聞いてないけど、いらないらしいよ」


「まぁーいいよ」


水道代がタダな理由。後にこのことで散々な目に合うことになるのだが、今はそんなことを知る由もない拓斗達であった。



その後、拓斗の仕事のことなどの話を聞き、大石とは別れたのだった。



「とにかく掃除だね・・・とうぶんはなんとかここで頑張ろっか」


「そうだね、今は贅沢なんていってられないからな」


「問題は桜と向日葵だね・・・耐えられるかなこんな環境に・・・とにかく呼んでくるね」



桜と向日葵は部屋を見るなり、愛が想像していたとおり、ものすごくひきつった顔で、その場に呆然と立っていたのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ