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3月14日。土曜日。
いよいよ地元に戻る日が来た。
朝から大石と連絡をとり、地元で待ち合わせをすることにしたのだった。
ここまで来るのに、1週間近くの日数がかかったが、帰りは4時間程度で地元に到着する予定だった。
朝の7時に出発したせいか、子供達は後ろの席でぐっすり眠っていたのだった。
「いよいよだね・・・」
「あーいよいよだな・・・」
車の中は空気が重い。
拓斗も愛も、地元に戻れば嫌な顔を見なければならない。
今まではなるべく考えないようにしていたが、これからは嫌でも考えなくてはならないのである。
「どうなるんだろうね・・・離婚できるかなー・・・」
「どうだろうな・・・俺のほうはすんなり離婚できそうな気がするけど・・・たぶん慰謝料と養育費は請求されるだろうな・・・」
「そうだろうね、拓斗の奥さんも離婚したら1人で子供育てていかないとだめなんだもんね・・・」
「あー、帰ってからの話は親も一生だからな。きっと色々と考えてると思うし、金は要求してくるだろうな」
「うちの旦那も間違いなく慰謝料要求してくるんだろうな・・・また1000万とか言うんだろうか・・・」
「あの人だったら言いかねないよな。でも今回は親も一緒なんでしょ。だったらそこまで無茶苦茶なことは言わないんじゃないの?」
「それだったらいいんだけどね・・・」
「まぁーある程度の慰謝料はどっちも払わないとだめだろうな」
「うん・・・でもそんな払うお金ないよ・・・」
地元が近づくにつれ、憂鬱になってくる二人であった。
「・・・今、どこー?」
後ろで寝ていた向日葵が、辺りを見渡しながら聞いてきた。
「起きたの向日葵?あと1時間ぐらいで着くかな」
「そっか。じゃーもうちょっと寝よっ」
向日葵は横になり目を閉じたのだった。
桜も向日葵も、地元に戻れる嬉しさもあれば、これからどうなるんだろうという不安もあるだろう。
「見慣れた道まで帰ってきたな」
「そうだね。遠いようで結構近いよね。出てきたときはほんと宛もない旅だったもんね」
「そうだったよな。ほんと浜田さんに感謝だよ。銭湯であの人に出会わなかったら、今頃どうなってたかわからないもんな」
「ほんとそうだよね」
二人は、今までのことを思い出していた。いろんな人達に迷惑をかけてしまった。
「これからも頑張ろうな」
返事のない愛を見てみると、愛は気持ち良さそうに寝ていたのだった。
「最近、全然寝てなかったもんな・・・これからは俺がお前達のことしっかり守ってあげるからな」
拓斗は、これから始まる第2の修羅場に気合いを入れたのだった。




